FRBの選択肢はわずか、財政頼みも-追加緩和策で懐疑的見方広がる

【記者:Scott Lanman and Simon Kennedy】

8月30日(ブルームバーグ):米連邦準備制度理事会(FRB)は、 景気の二番底回避というバーナンキ議長の約束を実現するための武器 を本当に備えているのだろうか。そのような懐疑的な見方が広がる中 で、FRB当局者らは今後、成長鈍化を示すと予想される経済指標の相 次ぐ発表に直面せざるを得ない。

バーナンキ議長は27日、米ワイオミング州ジャクソンホールで開 かれたカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウムで、これまでで 最も強く、FRBだけでは景気回復を持続させることができないと示 唆する発言を行い、「力強く安定した」成長の実現には、民間セクター の指導者はもちろん、「広範な領域の経済政策担当者からの適切かつ効 果的な対応」が必要になると語った。

資産買い取りを含むFRBに残された金融政策手段について、バ ーナンキ議長は必要に応じて発動すると述べたが、一部の出席者から は、そのような量的緩和策の効果は弱いとの見方や、財政政策がより大 きな役割を果たすべきだといった意見が表明された。今週発表される一 連の経済指標は、8月の雇用と製造業活動、家計消費のさらなる減速を 示すとエコノミストは予想しており、FRBに追加策の実施を求める圧 力が高まる恐れがある。

政策金利の適正水準を算出する「テーラー・ルール」の提唱者と して知られる米スタンフォード大学のジョン・テーラー教授はインタ ビューで、「将来の政策措置の費用対効果の分析が可能であり、できる ことは何でもやるという危機の哲学と対比させてみたいと思う」と発 言。「追加的な量的緩和のメリットは極めて小さい」と分析した。

労働省が3日発表する8月の米雇用統計が今週の経済指標の主な 焦点となろう。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調 査の予想中央値によれば、民間部門の雇用者数は4万7000人増と、7 月の7万1000人増から伸びが鈍化し、失業率は9.5%から9.6%に上 昇する公算が大きい。

バーナンキ議長は、FRBが10日、現在の2兆500億ドルを有価 証券保有高の下限にすると決めたことについて、バランスシートが 2011年末までに4000億ドル縮小することを防ぐ狙いがあると説明し た。

一方、FRBのアラン・ブラインダー元副議長はジャクソンホー ルの会議で、FRBがそのささやかな動きの後で、さらなる刺激策を ある時点で追加する公算が大きいと予想。非伝統的な金融政策手段は、 FRBにとって追い出してしまいたい「厄介な親戚」のようなものだ が、「それほど急いで厄介払いしようとしているわけではない」と付け 加えた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE