BOAと組んだメリルに軍配か-モルガンSとの米証券界2強対決

米証券業界の2強が真っ向から激 突する争いでは、バンク・オブ・アメリカ(BOA)傘下のメリルリ ンチが、モルガン・スタンレー・スミス・バーニーよりも少ない人数 でより大きな利益を上げている。同社は米シティグループ傘下のスミ ス・バーニーとの合弁企業で、モルガン・スタンレーが経営権を握る。

当局への届け出によれば、BOAが2009年に買収したメリルリン チの証券事業は、ファイナンシャル・アドバイザー(FA)数がモル ガン・スタンレーよりも2900人少ないにもかかわらず、1-6月期の 利益が3億1500万ドル(約270億円)多かった。税引き前利益率も

16.7%と、モルガン・スタンレー・スミス・バーニー(7.8%)の2倍 超だった。

70年間で最悪の金融危機の結果、証券業界図は塗り替えられ、モ ルガン・スタンレーが顧客資産ベースで5位からトップに躍り出た一 方で、BOAは当時リーダー格のメリル買収が可能となった。メリル の現在の優位性は、統合手続きがスムーズだったことに加え、株式市 場を敬遠する顧客に預金や他の金融商品を勧めることができるためだ とアナリストらは指摘する。

業界コンサルタントのティブロン・ストラテジック・アドバイザ ーズのマネジングプリンシパル、チャールズ・ローム氏は「メリルは 銀行や資金計画、保険業務でかつて有力な立場にあり、現在は事業が さらに多岐にわたっている」と説明。「銀行との統合が吉と出るだろ う。モルガン・スタンレーは追いつけない」と語る。

ゴーマン対クローチェック

メリルに追いつく責務はモルガン・スタンレーのジェームズ・ゴ ーマン最高経営責任者(CEO、52)が担う。ゴーマン氏は2001年か ら05年までメリルのプライベートクライアント・グループを率い、富 裕層をターゲットにした事業の陣頭指揮を執った。この戦略の恩恵を 受け続けているメリルと今度は競い合わなければならない。

ゴーマン氏はメリル出身の3人の側近を抱える。この中にはモル ガン・スタンレー・スミス・バーニーのチャールズ・ジョンストン社 長が含まれている。ライバルはBOAの資産運用部門の社長としてメ リルを統括するサリー・クローチェック氏(45)。同氏は02年から04 年までスミス・バーニーを率いた人物。08年のシティ在籍時にも担当 したこの古巣と対決することとなる。

クローチェック氏は電子メールで、「トップの立場にはあるが、立 ち止まることは許されない」とコメントし、「顧客中心主義を続け、景 気低迷から生じるニーズや需要に対応し、BOAの持つ競争上の優位 点を大きく活用することでトップの位置を維持できる」と強調した。

モルガン・スタンレーのゴーマンCEOはコメントを控えた。同 社の広報担当ジム・ウィギンズ氏は、スミス・バーニーとの合弁事業 によって、「モルガン・スタンレーは資産運用事業で一夜にして下位か らトップ級ポジションに躍進した」とし、「統合が進むにつれて利益率 をアップさせる明確な複数年の計画がある」と述べた。

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