三越伊勢丹:3年ぶり百貨店の社債は即日完売-スプレッドに投資妙味

三越伊勢丹ホールディングス(H D)が27日に募集を行った国内普通社債(総額240億円)は即日完売 した。投資家は同じ格付けの他社債との比較でみた金利上乗せ幅(ス プレッド)や全国的な知名度などを評価して積極的に購入したとみら れている。

三越伊勢丹が販売した社債は、3年債と5年債の2本。表面利率 はそれぞれ0.68%と0.97%で、発行価格は2本ともに100円だった。 利回りの円スワップレートに対するスプレッドはそれぞれ、+20bpと +40bp(1bp=0.01%)。格付けは格付投資情報センター(R&I) からA-を取得した。

同じ格付の他社債のスプレッドとの比較では、7月15日起債の不 二製油債(A-:R&I)の5年債が対円スワップ比+3bpで決まっ たのに対して、今回の三越伊勢丹債は+40bpと厚みがある。

新生証券の松本康宏アナリストは、「百貨店のトップである三越伊 勢丹や格付け対比では、投資家にとって十分にメリットがあるスプレ ッドだ。個人消費の低迷で逆風下の百貨店業界のリスクプレミアムが スプレッドに表れているのではないか」と語った。

三越伊勢丹の起債は、2008年4月の経営統合以降で初めて。統合 前には、旧伊勢丹が04年2月に個人向け債を発行した。百貨店の社債 発行では、07年7月の高島屋の起債以来、約3年ぶりとなる。

三越伊勢丹は、09年7月末から8月初旬に発行登録(500億円) と主幹事4社を選定して起債の準備を始めた。発行まで1年間が経過 したことについて、同社コーポレート・コミュニケーション担当者は 登録した2年間の有効期間の中での起債と指摘。調達した資金は、借 入金の返済に充当するという。

起債環境

ただ、個人消費の低迷で小売業界を取り巻く環境は厳しい。同社 の株価は昨年11月末に724円まで下落するなど、社債を発行するには 難しい局面が続いていた。ただ、同社は店舗の閉鎖や傘下の三越が早 期希望退職を実施するなどリストラを加速。今年4-6月期連結決算 では経常利益が前年同期比31%増の58億2000万円と改善した。

共同主幹事証券によると、需要調査は投資家からの希望を集めて レンジを設定。当初、3年債では対円スワップ比+20bpから+30bp、 5年債では+40bpから+50bpの金利を上乗せして需要調査を行い、最 終的に2本とも下限で決まった。小売業の社債が少ない中販売状況は 良好で2本とも200億円を超える需要が集まったという。

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