資産バブルの阻止策めぐり論戦、中銀総裁の課題鮮明に-シンポ

【記者:Scott Lanman、Simon Kennedy】

8月29日(ブルームバーグ):米カンザスシティー連銀主催の年 次シンポジウムに出席した各国中央銀行総裁とエコノミストらは、米 住宅価格の急落が引き金となって戦後最悪の世界同時不況に陥ってか ら3年がたった状況を踏まえ、資産価格バブルの阻止に向けた最善策 をめぐって意見を戦わせた。

イングランド銀行のビーン副総裁はワイオミング州ジャクソンホ ールで開かれた同シンポジウムで28日、幅広い経済的ダメージを避 けながらバブルのガス抜きを行うには規制手段が最も有効だろうと述 べた。一方、フェデラルファンド(FF)金利の適正水準を算出する 法則「テーラー・ルール」の提唱者である米スタンフォード大学のジ ョン・テーラー教授は、規制手段は「実証されていない」ため、利用 すると中銀は適切な金利調整に集中できなくなる恐れがあると指摘し た。

テーラー教授はシンポジウムの休憩時間中にインタビューに答え、 住宅価格の「バブルはある意味では米連邦準備制度理事会(FRB) が招いた」と述べ、「従って、最初からバブルを発生させないように することが優先事項だろう」と語った。

こうした論争は、先例のない景気刺激策を通じて世界的な景気回 復を持続させながらも投資家には過剰なリスクテークを促さないこと を目指しているバーナンキFRB議長ら中銀当局者の課題を浮き彫り にしている。カンザスシティー連銀のホーニグ総裁は今年、FRBに よる事実上のゼロ金利政策は新たに有害なバブルを招く恐れがあると 警告している。

米ハーバード大学のマーティン・フェルドシュタイン教授(経済 学)は、米国債と住宅ローン関連証券でバブルの可能性があるだけに、 この議論は特にタイムリーなテーマだと指摘。「20年物や30年物の 国債の購入者は大きなリスクを取っている可能性が高い。これらの債 券は値下がりする恐れがある。FRBは長期的な均衡水準を下回る水 準にこれらの金利を維持していると思う」と述べた。

10年物米国債利回りは25日、2.4158%と、2009年1月以来の 低水準を付けた。バーナンキFRB議長は27日に同シンポジウムの 開幕に当たって講演し、2011年の経済成長への「前提条件」は「整っ ている」との認識を示したため、10年債利回りは同日2.64%に上昇 した。30年債利回りは27日、3.6896%。4月5日時点では

4.8395%だった。

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