財政「錬金術」から科学へ、中銀はタブー破り議論を-FRB元当局者

【記者:Caroline Salas】

8月28日(ブルームバーグ):米国が「財政逼迫(ひっぱく)の時 代」に突入する中で、中央銀行当局者は政府支出が経済に与える影響 について、はっきりと意見を述べる必要があると米アトランタ連銀の 元調査担当者だったエリック・リーパー・インディアナ大学教授(経 済学)が主張した。

連邦準備制度理事会(FRB)の国際金融部門で勤務した経験も 持つ同教授は28日、米ワイオミング州ジャクソンホールで開催されて いるカンザスシティー連銀主催の経済シンポジウムで講演。「財政が逼 迫する時期には、中央銀行にとっての問題がはるかに切迫したものと なる。中銀によるインフレの抑制を困難ないし不可能にする、歯止め のきかない財政期待が脅威をもたらしている」との見解を示した。

ホワイトハウスは米国の財政赤字が今年、史上最高の1兆5000 億ドル(約127兆円)に達し、国内総生産(GDP)の約10%に膨ら むと予想している。

講演テキストによると、リーパー教授は財政政策には「錬金術ま がい」というレッテルが張られており、経済調査の導入は、財政政策 を「より科学的」にする利点があると指摘。政府支出と税が経済に及 ぼす影響を中銀当局者が研究することによって、「空白を埋める」こと を目指すべきだと提言した。

同教授はまた、「財政当局とその関係機関は、基本的に基礎的な調 査を実施しておらず、それを行うエコノミストとの接点も極めて少な い。今後は多くの諸国が財政逼迫を同時に経験する見通しであり、中 央銀行のグループが、場合によっては国際決済銀行(BIS)が主導 する形で、これらの問題の理解に必要な分析ツール開発に向けて協調 した取り組みに着手できるだろう」と指摘した。

同教授はその上で、「財政政策の実体に言及しないというタブーを セントラルバンカーが破り、財政面のストレスが解消されないことが いかに金融政策の役割遂行を困難あるいは不可能にし得るかを力強く、 かつ的確に議論することがとりわけ重要だ」と付け加えた。

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