バーナンキFRB議長:必要に応じ追加緩和策実行へ

米連邦準備制度理事会(FRB) のバーナンキ議長は、連邦公開市場委員会(FOMC)が景気回復 の継続を確実にするため、「あらゆる可能な手段を講じる」と表明。 成長が減速した場合に取り得る選択肢を明らかにした。

議長は27日、ワイオミング州ジャクソンホールで開かれたカン ザスシティー連銀主催の年次シンポジウムで、「連邦公開市場委員会 (FOMC)は、必要と判断されれば、非伝統的手段を通じて追加 の金融緩和策を講じる用意がある。景気見通しが著しく悪化した場 合には特にそうだ」と語った。

バーナンキ議長は米経済について詳しく分析。この1年間の経 済成長は「弱過ぎ」、失業率は「高過ぎる」との認識を示した。ただ それでも、財政面での刺激策や在庫補充が個人消費や設備投資に与 える効果は「続いているようだ」と述べた。また、2011年の景気上 向きへの前提条件は「引き続き整っているように見受けられる」と 説明した。

このほか、「望ましくない物価上昇やさらなる大幅なディスイン フレのリスクは低いようだ」とし、ディスインフレが進行したり、 雇用の伸びが停滞した場合に備え、FRBには債券再投資戦略で保 有債券の配分変更など幾つかの措置があると指摘した。

バーンナンキ議長は、「FRBの証券保有を安定させるというF OMCの最近の決定は、金融環境による景気回復支援を後押しする はずだ」とし、「FOMCが長期証券の追加買い取りを決定し実行す れば、金融環境の一段の緩和に効果があるだろう」と述べた。

証券買い取り

バーナンキ議長は、証券の買い取りにどのような金融刺激効果 があるかについて説明。FRBによる国債買い取りにより、投資家 はリスクのタイプが似通った異なる種類の債券への投資に動き、利 回りを低下させることにもなると説明した。

この戦略におけるリスクとして、買い取りの影響に関する「非 常に正確な知識」が欠けていることなどを挙げた。またFRBのバ ランスシートをさらに拡大することで、「適切な時期に緩和策からの 速やかな出口戦略を実行するFRBの能力に対する国民の信頼感が 低下する恐れがある」と述べた。

2つ目の選択肢として、FRBが「市場が現在織り込んでいる よりも長期間」低水準の政策金利を継続すると伝えることだと説明。 カナダ銀行が09年に取った戦略は「功を奏したようだ」とした一方、 リスクは、投資家が「そうした取り組みは最終的に経済の成長度合 い次第という条件が付かなければならないということを十分認識し ていない可能性があることだ」と語った。

このほか、現行0.25%となっている準備預金金利を0.1%もし くはゼロに引き下げることが第3の選択肢だと言及。その上で、こ の措置単独での金融環境への効果は比較的小さいと見込まれるほか、 翌日物金利の市場の「流動性を一段と低下させる」リスクがあると 指摘した。

景気動向

米商務省が発表した第2四半期の実質国内総生産(GDP、改 定値、季節調整済み、年率)は前期比1.6%増加と、速報値の2.4% から下方修正された。このほか雇用や製造業、住宅市場に関するこ こ1カ月の経済指標は、景気回復が腰折れしつつあることを示唆し ている。

バーナンキ議長は「発表される経済指標は、米国の製造業や雇 用の回復がここ数カ月、大半のFOMCメンバーが今年早い段階で 予想したペースから幾分か減速したことを示唆している」と指摘。 「短期的に、個人消費は引き続き比較的ゆっくりとしたペースでの 拡大となる可能性がある」と加えた。

また、「設備やソフトウエアへの投資については、年内の拡大ペ ースはほぼ確実に鈍化する。ただ、着実なペースでの進展は続くだ ろう」と予想した。

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