先進国、低成長と高失業の10年か-ラインハート氏が危機分析で予想

米国やドイツなど先進各国は、低 成長と高失業率の10年間に直面する可能性がある。2007年の金融危 機の余波期が、過去100年間に起きたほかの危機からの景気回復期と 同様な道筋をたどるケースを想定し、米メリーランド大学のカーメン・ ラインハート教授らが指摘した。

金融危機に関する2009年の共著がある同氏と、夫で米連邦準備制 度理事会(FRB)の元金融政策局長、ビンセント・ラインハート氏 は、第2次世界大戦以降で最悪の世界的な景気低迷の影響が長引くと予 想。多くの国で与信と生産の減少が同時に起きていることが原因だと指 摘した。両氏はカンザスシティー連銀がワイオミング州ジャクソンホー ルで主催するシンポジウムの討議資料で見解を示した。

両氏の見方はFRBが6月に示した見解と対照的だ。FRBは成 長率と雇用が理想的な水準に回復するまでには「長くても5-6年」 との見方を示した。資料は、1977年以降の米国外の15カ国の事例と 1929年と73年、2007年の世界危機から得た実証例に基づいている。

その中で、「今回分析したような大規模な不安定をもたらす出来 事は、危機に伴う混乱が収まったかなり後でも、主要マクロ経済指標の 結果に長期的変動を明らかに生み出す」と説明。「激しいショックの後、 非常に長期にわたり所得の伸びが減速し失業率の高止まりが続く傾向が あるという分析結果からは、朗報はほとんど得られない」と述べた。

両氏は08-17年の10年間に低成長が見込まれる国として、オー ストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィン ランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、 イタリア、日本、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルト ガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国、米国などを挙げた。

両氏によると、過去5回の金融危機後の10年間に、経済成長率は 約1ポイント(中央値)低下。失業率は約5ポイント(同)上昇した。 新興国・地域を含む危機後の15件の事例では、10件で失業率は危機 前の水準に回復しなかったという。

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