郵船:中国の鉄鋼会社とは5年内に最大3倍へ-鉄鉱石輸送

売上高で国内海運最大の日本郵船 は今後5年内に、中国の主力鉄鋼メーカーとの鉄鉱石の輸送取扱量で 最大3倍への拡大を目指す。世界の粗鋼生産の半分を占めて鉄鉱石輸 入の最大国となっている中国など、急成長するアジア地域で受注活動 を強化し、一段の収益拡大を狙う。

郵船の小笠原和夫経営委員(製鉄原料グループ長)は26日、ブル ームバーグ・ニュースのインタビューで「中国向け契約数をそれぞれ 増やして、5年以内に2倍から最大3倍までもっていきたい」と述べ た。鉄鉱石などを運搬するばら積み船のうち、積載重量15万トンを超 えるケープサイズの船隻数は現在、中国向けが20隻とした上で、5年 以内に40隻を超えるだろうとの見通しを示した。

小笠原氏は郵船が今年春、粗鋼生産で中国最大の鞍本鉄鋼集団と 10年の長期契約を新たに締結したことを明らかにした。その上で、「中 国では、規模も確かで信頼性のある顧客はほぼカバーできた」との認 識を示した。今後は新規取引先の開拓よりも、既存の顧客との契約を より拡充させたいとの考えを示した。

郵船は中国の鉄鋼会社との取引で、粗鋼生産量2000万トン以上の 大手6社のうち、すでに4社と契約を締結、同1000万トン以上の上位 10社では7社と契約済みという。中国大手5社は2009年ベースの粗 鋼生産量で、国内最大手の新日本製鐵を上回っている。

野村証券金融経済研究所の村山誠シニアアナリストは「経済発展 に伴い、中国の鉄鋼メーカーは海外から、より品質の高い鉄鉱石を必 要とすることなどから、郵船の既存の顧客との取引量を増加させる方 針で、その運搬量を大幅に増加させることは不可能ではないだろう」 との見方を示した。

今後の中国の鉄鉱石輸入量について、郵船の小笠原氏は、10-12 月期に月間5500万トン程度と比較的に高水準で推移するのではない かとの見通しを示した。輸入鉄鉱石の価格が下落するであろうこと、 中国の鋼材の過剰在庫調整が6、7月でほぼ終わったこと、ブラジル から欧州向け鉄鉱石の需要がやや鈍り、ブラジルから中国への供給余 力が出ることの3要因を挙げた。

小笠原氏はさらに、今後4、5年の「中期的に、仮に中国の粗鋼 生産の伸びが止まっても、品質が良い豪州とブラジルの鉄鉱石を輸入 する動きは継続するはずだ」と付け加えた。10年の中国の鉄鉱石輸入 量は、過去最高を更新した前年の6億3000万トンを上回り、6億トン 台の後半まで伸びる可能性があると指摘した。

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