バーナンキ議長とトリシェ総裁、団結からの離反表面化か-27日講演

バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長とトリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁は、60年で最 悪の世界的なリセッション(景気後退)に立ち向かうため団結した。 しかし今や、米欧それぞれの経済見通しをめぐって目指す方向が分か れてきているようだ。

FRBは10日、米景気が予想より低調になるとして、保有する 証券の償還後は米国債に再投資して国内証券保有高に2兆500億ド ル(約173兆円)の下限を設け、金利上昇を阻止する方針を発表。一 方、トリシェ総裁は5日、ユーロ圏経済は予想以上に回復していると 表明し、ECBが緊急融資の措置解除を検討する道を開く可能性を示 した。

バーナンキ議長とトリシェ総裁は27日、米カンザスシティー連 銀がワイオミング州ジャクソンホールで主催するシンポジウムで講演 する。その際、大西洋を挟んだ方針の違いがはっきりするもようで、 欧州財政危機でトリシェ総裁が初めて国債の購入を迫られる一方、バ ーナンキ議長がFRBのバランスシート縮小の方法や時期に言及した 4-6月(第2四半期)とは対照的な状況だ。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)のチーフエコノミスト、ミッ キー・レビー氏はブルームバーグラジオとのインタビューで、ECB が今や「出口戦略のタイミングを実際に考えている一方で、FRBは 明らかにそれを棚上げしている」と指摘。「現在の米経済は一時的に軟 化して脆弱(ぜいじゃく)だが、総じて欧州経済は予想されていたよ りもかなり順調に嵐を乗り切っているようだ」と述べた。

バークレイズ・キャピタルの欧州担当チーフエコノミスト、ジュ リアン・キャロー氏(ロンドン在勤)は、トリシェ総裁の楽観論とバ ーナンキ議長の慎重姿勢を手掛かりにユーロは対ドルで上昇する可能 性があると指摘する。

インフレの正常化

イングランド銀行(英中央銀行)の元エコノミストであるキャロ ー氏は「ECBはインフレの正常化を望んでいるが、FRBはむしろ 政策を正常化する前にインフレの定着を目にしたいだろう」と言明。 「ECBは状況をより楽観視しているようだが、FRBはより悲観的 にみているようだ」と述べた。

ジャクソンホールでのシンポジウムには、40カ国余りの政策当局 者・エコノミストが参加する。バーナンキ議長の講演はニューヨーク 時間27日午前10時(日本時間同午後11時)に予定され、10日の決 定に関して初めて公式に発言する機会を持つほか、自身の見通しも示 す。午前の発表や協議の後、トリシェ総裁は午後2時50分に講演す る。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) のマネジングディレクター、ポール・マカリー氏はブルームバーグラ ジオのインタビューで、バーナンキ議長はFRB当局者による2011 年経済成長予測の下方修正について説明し、追加の金融刺激策を講じ る可能性について「ある程度の明確さ」を示す公算があると話した。

同氏は、バーナンキ議長が明確なメッセージを発しない場合、「株 式市場はマイナスの方向に大きく反応する可能性がある」と続けた。

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