レポ金利上昇、緩和に備えた調達短期化で-供給オペは拡大されず

短期金融市場のレポ(現金担保付 債券貸借)金利は上昇。早期の追加金融緩和に備えて資金調達期間を短 期化した需要が足元に集まっている上、国庫短期証券(TB)を積極的 に購入したディーラーの資金調達意欲も強い。これに対して、日本銀行 の資金供給オペは拡大されなかった。

この日のレポは、TB3カ月物の発行日30日受け渡しの翌日物が

0.13-0.14%前後、31日分は0.14-0.15%前後と、前日比2-3ベ ーシスポイント(bp)上昇。東京レポレートのスポットネクスト物は 2カ月ぶりの水準まで急上昇した。一方、新発TB3カ月物利回りは

0.1025%で低位安定した。

国内証券のディーラーは、利下げの思惑で資金調達をターム(期 日)物から翌日物にシフトしたため、レポ市場の需給バランスが崩れた と指摘。レポとTBの逆ざや状態が続いており、日銀も資金供給オペで 金利上昇を抑える必要があるのではないかとみていた。

日銀が準備預金の付利金利0.1%を引き下げた場合に備えて、前 週からオペの下限0.1%でもターム物の調達を手控える動きが出ていた。 レポ金利の上昇に伴い、この日午後は日銀オペに対する資金需要が強ま った。

午後の全店共通担保資金供給オペ1兆円(8月30日-9月15日) の入札では、最低落札金利と平均落札金利が前日比1bp高い0.12%と、 7月12日以来の高水準になった。通知額の5倍を超える応札が集まっ た。

緩和観測と日銀オペ

25日の市場では、日本経済新聞が臨時の金融政策決定会合開催に よる追加緩和の可能性を報じたことで、TB3カ月物入札の落札利回り が4年4カ月ぶりに0.11%を割り込んだ。一部ディーラーの積極的な 在庫確保の影響で流通市場では0.10%まで低下する場面もあった。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、「緩和に備えたショートファ ンディング(資金調達の短期化)はいったん減少していたが、報道を受 けて再び増加したのではないか」と指摘。別の国内証券のディーラーは 、利下げを予想してTBの持ち高を積み上げたディーラーが足元で大量 の資金を調達しているという。

寺田氏によると、「レポが上昇しているにもかかわらず、期待さ れた国債買い現先オペが見送られた」という。同オペはレポ市場に対す る資金供給効果が高いが、7月16日以降、実施が見送られている。

国内大手銀行の資金担当者は、午後の共通担保オペの金額も期待 を下回っており、これまでのレポ上昇時の対応と異なると指摘。市場参 加者の勝手な緩和織り込みの影響には対応しないとの姿勢ではないかと みていた。

来週は30日に共通担保資金供給オペの期日が総額1兆8000億円、 31日は2兆6000億円と、集中している。この日は31日分のオペが見 送られており、市場では交付金の払い込みで資金需給が予想より上振れ しているためではないかとの見方が出ていた。

利下げ

国内証券のディーラーは、TB3カ月物の0.10%や資金調達の短 期化について、準備預金の付利金利0.1%の引き下げの思惑が影響して いるが、日銀が利下げに踏み切る可能性は低いとみている。

日銀の白川方明総裁が30日まで米国に出張しており、急激な円高 進行がない限り、日銀が臨時会合で緩和に踏み切る可能性は低いとの見 方が多い。政策金利を予想するオーバーナイト・インデックス・スワッ プ(OIS)の金利も上昇に転じている。

9月6、7日の定例の決定会合に注目が集まっている。9月3日 には8月の米雇用統計の発表もあり、日銀は景気判断の修正も含めて追 加緩和に踏み切る可能性が高いためだ。ただ、6日は今月末から始まる 成長基盤強化支援の資金供給オペ(1年物)の金利設定日(同日の政策 金利)にあたり、7日の利下げは実施しづらいとの見方も出ていた。

大方の予想では、政策金利0.1%で3カ月物の資金を20兆円供給 している新型オペの10兆円増額や6カ月物への期間延長が予想されて いる。国内証券のディーラーは、付利金利が0.1%から引き下げられな い限り、0.1%以下でレポ資金を運用する銀行はいないという。

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