疲弊した地域「コミュニティファンド」で活性化-国交省が予算(Upda

民間非営利組織(NPO)などが取 り組んでいる商店街の活性化や環境保護といった地域活動に対し、日本 で初めて本格的に公的機関が関与し、資金面などの支援をする「コミュ ニティファンド」を立ち上げようという動きが出てきた。国土交通省は この施策実現のため、2011年度予算の概算要求に対策費用を盛り込むよ うに要求する方針で、疲弊した地域経済の再生を狙う。

具体的には、ファンドの出資金に対し税額控除などの特例措置を設 けることなどを検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにし た。国交省の成長戦略会議が5月にまとめた施策の一環で、民間資金の 新たな活用を目指す。

欧米では行政機関のみならず、地域の有力者や資産家などが投資し たファンドも寄付などと同様にコミュニティ活動を支えてきた。一方、 日本では税金を資金源とした行政組織主導による地域発展が中核的な位 置付けにあった。今後は日本でも、寄付とは異なる地域再生に「志のあ る投資」を呼び込み、リターンも意識した活動を促す。

一つのファンドの規模は数億円程度で、各地域の特徴・特性を考え た形で設定する。全国を対象に、初年度は10地域程度での組成を想定し ている。その後は、適宜拡大させる考え。国交省は、計画段階から民の アイデアを取り入れ、行政側は仕組みについての支援に回り、従来にな い新たな手法でプロジェクトを進めたい考えだ。

官民連携で素早く対応

コミュニティファンドの組成は、自治体や金融機関などの官民連携 で立ち上げた組織が中心に行う。官民の連携組織が迅速に意思決定を行 い、民間のアイデアやノウハウを活用しやすくするため、一定の権限を 付与するなど、国は積極的に支援を行っていく。また、ファンドによる 地域再生の取り組みに対しても、行政が規制緩和などでサポートする。

アジアを中心に海外でインフラ整備などの受注獲得に向けて、日本 では政府も関与したファンド組成に向けた対応をすでに進めている。さ らに、政府は地方でも、小口ながら収益性も意識したファンドの導入を 図り、欧米のような地域再生への新たな仕組みづくりに乗り出す。

独立系投資顧問会社のバリューサーチ投資顧問の松野実社長は、地 方を含め全国には貯蓄率が高く問題意識の高い一定の高齢者層が存在し ているが、寄付活動などは税制などシステム面の煩雑さなどから地域活 性化のための受け皿として日本では十分に馴染んでいないのが現状と指 摘する。

その上で、松野氏は「個人資産の活用法の選択肢が増えることはポ ジティブだがファンドに精通した有能な組織や人が組成には不可欠であ り、コミュニティファンドが幅広く地域経済に根付くかどうかはこれか らの具体的な計画次第だ」との見方を示した。

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