8月26日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎NY外為:ドル下落、FRB議長発言前に追加策の憶測

ニューヨーク外国為替市場では、ドルがほとんどの主要通貨に 対して下落。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が 27日の景気判断に関するスピーチで、追加の景気刺激策を示唆す るとの憶測からドル売りが広がった。

米国株が下げに転じると、円は対ユーロで下げ渋り、対ドルで は上昇に転じた。スイス・フランは逃避需要から主要16通貨すべ てに対して上昇。世界経済の成長に関連が深いニュージーランド (NZ)ドルが次いで堅調となった。

INGグループの為替ディレクター、レーン・ニューマン氏は 「市場参加者は27日に備えて持ち高を調整した。すなわち、量的 緩和を見越したドル売りとリスク資産のわずかな売りだ」と語った。 「議長が会議で量的緩和をはっきりと直接的に表明するかどうか が最も重要な点だ」と話した。

ニューヨーク時間午後4時55分現在、円は対ユーロで前日比

0.3%安の1ユーロ=107円39銭(前日は107円5銭)。ドルは ユーロに対し、0.5%下げて1ユーロ=1.2719ドル。前日は

1.2659ドルだった。この日の円は対ドルで0.2%高の1ドル=84 円44銭。

S&P500種株価指数は新規失業保険申請件数が予想以上に 減少したことを好感し、一時は0.6%上昇したものの、その後に下 げに転じ、0.8%安で終えた。

ジャクソンホール

バーナンキ議長のほか、トリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁 や日銀の白川方明総裁らも26日からワイオミング州ジャクソンホ ールで始まったFRBの年次シンポジウムに参加する。

バークレイズの通貨ストラテジスト、アループ・チャタジー氏 は「追加緩和の可能性があるが、経済環境という条件がついてくる」 と述べ、「その可能性が少しでも高まれば、ドルの悪材料になるだ ろう」と語った。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は10日、住宅ローン担保 証券(MBS)の償還金を中長期の米国債に再投資する計画を発表 した。

FRBはそれまでにも量的緩和として知られる戦略で米国債 やMBSを購入していたが、今年に入り終了させていた。政策金利 については2008年12月以降、ゼロから0.25%のレンジで維持し ている。

GDPは下方修正か

ブルームバーグがエコノミスト81人を対象に実施した調査に よると、27日発表の4-6月期の実質国内総生産(GDP)改定 値は1.4%増と、速報値2.4%増からの下方修正が予想されている。

米労働省が26日発表した21日に終わった1週間の新規失業 保険申請件数(季節調整済み)は前週から3万1000件減少して47 万3000件。申請件数の減少は4週間ぶり。

日本の景気回復の足かせとなりかねない円高を阻止するため、 日本の当局が措置を講じるとの憶測から円はほとんどの主要通貨 に対して下落する場面もあった。

スズキの鈴木修会長兼社長は26日、円高について「極めて深 刻に受け止めている」と述べ、業績に大きな影響があるとの認識を 示した。

ソニーは7月、対ドルでの円相場が1円上昇するごとに営業利 益が年約20億円減少するとの見方を示した。

モントリオール銀行傘下BMOキャピタル・マーケッツのグロ ーバル通貨ストラテジスト、アンドルー・ブッシュ氏は「円高を阻 止するため、近いうちに日本が何らかの政策を打ち出す可能性が高 い」としながらも、「円高要因は弱まらないだろう」と述べた。

◎米国株:下落、スペイン財政など懸念-ダウ1万ドル割れ

米株式相場は下落。ダウ工業株30種平均は7週間ぶりに1万ド ルを割り込んだ。朝方発表された失業保険申請件数の減少を好感し上 昇して始まったものの、スペインの財政や米国の製造業に対する懸 念が広がり、下げに転じた。

衣料品メーカーのゲスが安い。業績予想がアナリスト予想に届 かなかった。ダウ工業株30種平均では、シスコシステムズやIB Mの下げが目立った。スペインの裁判所が同国の売上税の監査方式 に違法の判断を下したほか、カンザスシティー連銀の調査で同地区 の製造業活動失速が指摘されたことが嫌気された。

S&P500種株価指数は前日比0.8%安の1047.22。ダウ工 業株30種平均は74.25ドル(0.7%)下げて9985.81ドル。 両指数とも、終値ベースで7月6日以来の安値となった。

ラッセル・インベストメンツの主任市場ストラテジスト、ステ ィーブン・ウッド氏(ニューヨーク在勤)は、「年央の景気減速は 常に予想していた。カンザスシティー連銀が発表した製造業活動の 数字に見て取れる」と指摘。「現時点ではリスク需要は非常に弱い。 スペインに関しても取るに足らない額というわけではない」と述べ た。

上げ消す

米労働省が26日発表した21日に終わった1週間の新規失業保 険申請件数(季節調整済み)は、前週から3万1000件減少して 47万3000件だった。これに反応し、相場は朝方上昇していた。

その後、スペイン政府が過去数年間に徴収した付加価値税(V AT)51億ユーロ相当を同国裁判所が無効にしたと、同国のエコノ ミスタ紙(オンライン版)が報じたことで、欧州の債務危機が悪化 するとの懸念が広がり、株価は上げを消した。

スペイン政府の報道官はこの報道を否定。また同国税務当局の 広報担当は、裁判所が同国の売上税の監査方式に違法の判断を下し たことで、政府は「数億ユーロ」の税収に遅延が生じる可能性があ ると述べた。

カンザスシティー連銀が実施した調査によると、同地区の8月 の製造業活動は減速した。これにより、景気回復ペースの鈍化に対 する懸念が高まった。

ビリニーのリポート

米調査・資産運用会社ビリニー・アソシエーツは、S&P500 種の年末予想を7.5%引き下げ、1225とした。小売り最大手の米 ウォルマート・ストアーズから消費財最大手の米プロクター・アン ド・ギャンブル(P&G)に至るさまざまな企業で株価が年初から の下げを取り戻す見込みは薄いとしている。

ビリニー・アソシエーツがリポートで示した予想はこの日の終 値を17%上回る水準で、同指数が通年では9.9%上昇することを 意味する。ただ、企業の自社株買いや合併が追い風となる一方で景 気減速による下押し圧力もあることから、1000-1150のレンジで 取引される可能性は20%あるとしている。

ゲスは11%安の34.14ドル。同社が25日遅くに示した11 年通期(12年1月終了)の利益見通しは、一部項目を除いたベース で1株当たり2.80-2.85ドルと、従来予想が据え置かれた。ブ ルームバーグがまとめたアナリスト予想は同2.91ドルだった。

◎米国債:10年債は上昇、FRB議長の景気判断に注目

米国債市場では期間の長い国債が上昇。7年債入札の落札利回り は過去最低だった。27日にはバーナンキ米連邦準備制度理事会(FR B)議長が経済動向について講演する。

既発の7年物国債は上昇。この日の7年債入札(290億ドル) では、海外中央銀行を含む間接入札の割合が4月以来で最大だった。 10年債利回りは前日、1年7カ月ぶりの低水準をつけた。7月の米 新築住宅販売が予想に反して前月比で減少したほか、耐久財受注額も エコノミスト予想を下回る伸びだったのが影響した。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドで金利ストラテジス トを務めるジョン・ブリッグス氏(コネティカット州スタンフォード 在勤)は、「7年債入札は堅調だった。米国債や安全性への需要がま だある」と述べ、「バーナンキ議長が最近の経済統計の内容と一致し た見通しを述べるとすれば、国債にとってのマイナス材料にはなるま い」と続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時9分現在、10年債利回りは5bp低下の2.48%。10年 債価格(表面利率2.625%、2020年8月償還)は15/32上げて 101 1/4だった。前日の10年債利回りは5bp上昇、一時は

2.4158%と、2009年1月以来の低水準をつけた。

既発の7年債利回りはこの日、4bp下げて1.93%。前日は

1.8607%まで下げた場面もあった。2年債利回りは1bp未満低下 して0.52%。24日には一時、過去最低水準の0.4542%を記録した。

2年債に対する10年債の上乗せ利回りは1.96ポイントと、 終値ベースでは2009年4月以来の最小に縮小した。米国の景気回復 が停滞するとの懸念を反映している。

バーナンキ議長の発言

バーナンキFRB議長は27日、ワイオミング州ジャクソンホ ールでの会議で経済について議論する。同議長は先月、上院銀行委員 会での証言で、経済の見通しを「引き続き異常なほど不透明」と表現 した。

債券ファンド運用最大手、米パシフィック・インベストメン ト・マネジメント(PIMCO)のマネジングディレクター、ポー ル・マカリー氏は26日、ブルームバーグ・ラジオのインタビューで、 FRBは景気回復を支えるため、住宅ローン担保証券(MBS)と米 国債の両方を購入する必要があるとの考えを示した。

FRBは借り入れコストを低水準に抑えるための量的緩和策と して、2009年3月から今年3月までに計1兆7000億ドル規模のM BSと国債を購入していた。

GDP予想

米ニューヨーク大学のヌリエル・ルービニ教授は25日、第3 四半期の米経済成長率は1%を「かなり下回る」と述べ、リセッショ ン(景気後退)へ逆戻りする確率は40%との予想を示した。

米商務省が27日発表する第2四半期実質国内総生産(GDP) 改定値は前期比年率1.4%増と予想されている。速報値は2.4%増 だった。

7年債入札の結果によると、最高落札利回りは1.989%と、入 札直前の市場予想の2.002%を下回った。投資家の需要を測る指標 の応札倍率は2.98倍と、過去10回の平均値2.81倍を上回った。 間接入札は56.7%と4月以来の最高だった。

◎NY金:下落、景気不安緩和で逃避需要が後退-1237.70ドル

ニューヨーク金先物相場は下落。世界的な株価の上昇を背景に、 安全への逃避先としての金への需要が弱まり、8週間ぶりの高値か ら下げた。

先進国23市場で構成するMSCI世界指数は一時1.2%高。 米労働省が発表した先週の新規失業保険申請が予想より少なかっ たことが好感された。金は年初から13%値上がりしている。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズのヘッドデ ィーラー、フランク・マギー氏(シカゴ在勤)は、「市場から不安 感が後退しつつある」と指摘。「経済指標が予想より強ければ金は 下げる」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場12月限は前日比3.60ドル(0.3%)安の1オンス=

1237.70ドルで取引を終了。一時は1246ドルと、6月30日以来 の高値を付ける場面もあった。過去最高値は6月21日に付けた

1266.50ドル。

◎NY原油:約3週間ぶり大幅高、-73.36ドル

ニューヨークの原油先物相場は約3週間ぶりの大幅高。景気減 速を示す兆候が増える中、この日発表された米新規失業保険申請が 予想より少なかったことで、雇用情勢をめぐる懸念が緩和された。

原油は一時2%上昇。米労働省が発表した21日終了週の新規 失業保険申請件数が1カ月ぶりに減少したことが材料視された。ま た、ドルがユーロに対して下げたことで、代替投資先としての商品 の魅力が強まった。原油は25日にはバレル当たり70.76ドルと、 11週間ぶりの安値まで下げていた。

ドイツ銀行のエネルギー担当チーフエコノミスト、アダム・シ ミンスキー氏(ワシントン在勤)は、「ドルの下落と、新規失業保 険申請の減少が買い材料となった」と指摘。「原油の取引レンジが 70-80ドルなら、今は75ドルに向かって値を戻している状況だ」 と付け加えた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は 前日比84セント(1.16%)高の1バレル=73.36ドルで取引を 終了した。一時は73.98ドルまで上昇する場面もあった。8月3 日以降の下落率は11%。過去1年間では2.7%上昇している。

◎欧州株:反発、企業決算や米失業保険統計を好感-ロレアル高い

欧州株式相場は反発。5週ぶり安値から上げた。仏銀クレデ ィ・アグリコルや化粧品のロレアルなど各社が発表した四半期決算 が増益だったほか、米国で発表された週間失業保険申請件数の減少 が材料視された。

支店数でフランス最大の銀行、クレディ・アグリコルは2.7% 高。同行の4-6月(第2四半期)決算は利益がアナリスト予想を 上回った。化粧品最大手ロレアルは3.9%急伸。同社の1-6月(上 期)決算が前年同期比21%増益だったのが好感された。カザフス タンの銅生産最大手、カザフミスは上昇、素材株の上げをけん引し た。金属価格の上昇が同社の利益を押し上げた。

欧州2位の半導体メーカー、独インフィニオン・テクノロジー ズも高い。半導体最大手の米インテルがインフィニオンのワイヤレ ス部門を買収することで合意に近づいていると、事情に詳しい関係 者3人が明らかにした。

ストックス欧州600指数は前日比0.9%高の249.65。前日の

0.8%の値下がりを埋めた。米国で景気の弱さを示す経済統計が発 表され、今月9日以降、同指数は4.8%下落した。ブルームバーグ がまとめたデータによると、平均株価収益率(PER)は15倍と、 2008年以来で最も割安な水準に近付いている。

ハーグリーブズ・ランズダウン・ストックホルダーズの株式部 門の責任者、リチャード・ハンター氏(ロンドン在勤)は「景気回 復の強さについて懸念する声が高まっていたが、希望の持てる兆候 もある」と述べ、「各社とも堅調な決算を発表し、今の懸念は第3 四半期だ」と続けた。

クレディ・アグリコルの第2四半期決算は、純利益が前年同期 比89%増の3億7900万ユーロと、アナリスト予想の3億1800 万 ユーロを上回った。法人・投資銀行(CIB)部門の好調がギリシ ャ関連の損失の影響を打ち消した。

ロレアルの上期決算は増益、アジアと中南米の伸びと、高級香 水販売の回復が寄与した。純利益は13億2000万ユーロと前年同 期の10億9000万ユーロから増加した。

◎欧州債:独30年債利回り、過去最低-中銀の景気支援拡大観測

欧州市場ではドイツ30年債利回りが過去最低を記録した。欧 米の中央銀行当局者が27日の会合で景気支援策の拡大を示唆する との観測が背景。

先週の米週間失業保険申請件数が市場予想以上に改善したほ か、9月のドイツの消費者信頼感指数が上昇したにもかかわらず、 独10 年債利回りは過去最低まで7ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)未満の水準にとどまった。また、アイルランドとイ タリアがこの日実施した国債入札で需要が改善した。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)とトリシェ欧州中 央銀行(ECB)総裁は27日、米ワイオミング州ジャクソンホー ルで講演する。

バイエルン州立銀行のシニア債券ストラテジスト、マリウス・ ダハイム氏(ミュンヘン在勤)は「明日のジャクソンホールでの講 演を控えて様子見となっている」と述べ、「市場関係者の多くはF RBが追加資産購入に着手すると見込んでいる」と続けた。

ロンドン時間午後4時8分現在、独10年債利回りは前日比1 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.16%。同国 債(表面利率2.25%、2020年9月)価格は0.12ポイント下げ

100.00。独2年債利回りも1bp上昇し0.61%となった。

独30年債利回りは4bp低下し2.66%。一時は2.64%まで 下げ、過去最低を付けた。

◎英国債:10年債下落、利回り過去最低水準から上昇

英国債相場は下落し、過去最低付近にあった10年債利回りは 上昇した。株高で高利回り資産へと資金が流れた。

2年債利回りは1週間ぶり高水準となった。英産業連盟(CB I)がこの日発表した8月の小売売上高はエコノミスト予想を上回 る伸びとなり、英景気がリセッション(景気後退)に逆戻りすると の懸念が和らいだ。英国の株式相場は3日ぶりに反発した。

クレディ・アグリコルCIBの資本市場戦略担当アシスタント ディレクター、オーランド・グリーン氏は、「市場にはリスク意欲 がやや戻り、参加者は一息ついている」と述べた。

ロンドン時間午後4時11分現在、10年債利回りは前日比4ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し2.89%。前日は

2.794%まで下げ、ブルームバーグがデータ集計を開始して以来の 最低を付けた。同国債(表面利率4.75%、2020年3月償還)価 格はこの日、0.36ポイント下げ115.44。2年債利回りは1bp 上げ0.65%。一時は19日以来の高水準となる0.67%まで上昇し た。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 楽山 麻理子 Mariko Rakuyama +1-212-617-4903 Editor:Tsuneo Yamahiro mrakuyama@bloomberg.net Editor: ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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