HSBCの富裕層部門、アジアから資金流入-情報盗難で欧州は敬遠

英銀HSBCホールディングス がスイスで営業するプライベートバンク部門の資金状況は、今年1- 6月(上期)にアジアからの流入で入超となった。フランスとイタリ アの国税当局は同部門の元従業員が盗み出した顧客データを基に脱税 を調査しており、これを嫌気して欧州顧客の資金が流出している。

同プライベートバンク部門が26日発表した資料によると、上期 の資金流出入は49億スイス・フラン(約4041億円)の入超。半分 以上をアジアからの資金が占めた。欧州およびイスラエルの顧客資金 の流出額は約6億フラン。ヘッジファンドの資金引き揚げは3億フラ ンに上った。

HSBCは今年3月、ジュネーブで勤務していた元ソフトウエ ア技術者が2万4000を超える口座情報を盗み出したことを明らかに した。フランス政府はこの盗難データを使って脱税を調査、5月には イタリアの検察当局と情報を共有した。これにはイタリア人5728人 とスイスに口座を保有する複数企業の情報が含まれ、口座残高は総額 69億ドルとされている。

同プライベートバンク部門のアレクサンダー・ゼラー最高経営 責任者(CEO)はジュネーブで記者団に対し、「事件は極めて遺憾 に思うが、当行の将来を危険にさらすものではない」と述べた。窃盗 事件が欧州顧客の資金流出の理由の一つであると認めた上で、「当行 にとって過去最大のストレステストだった」と続けた。

上期の運用資産は3.1%増の1951億フラン。中南米諸国からの 資金純流入は10億フラン、中東・アフリカ地域は4億フランだった。

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