円が全面安、米国の景気下支え策に期待感-リスク回避の円買い緩和

東京外国為替市場では、円が主要 16通貨に対して全面安となった。前日の米株に引き続きアジア株が底 堅く推移したほか、米国の金融当局による景気下支え策に対する期待感 も生じており、リスク回避の動きに伴う円買い圧力が後退した。

上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉マネージャーは、株価が 戻す中で、円の上値を試す動きが一服していると指摘。また、米住宅指 標の悪化を受けて、米国の金融当局が「何か対策を打ち出してくるので はないかとの期待感が生じている」とも言い、リスク回避姿勢の緩和に つながっていると説明している。

ドル・円相場は一時1ドル=84円89銭と、2営業日ぶりの円安 値を付けたあと、午後も84円台後半で推移。ユーロ・円相場は午後に 一時1ユーロ=107円90銭と、3営業日ぶりの水準まで円が下落した。

前日の米株式市場では、ダウ工業株30種平均が5営業日ぶりに反 発。アジア時間では米株価指数先物がプラスを維持し、中国や日本を中 心としたアジアの株式相場も底堅く推移している。

米連邦準備制度理事会(FRB)は、26日から28日までワイオ ミング州のジャクソンホールで年次のシンポジウムを開催する。27日 にはバーナンキ議長が経済見通しなどについて講演する。山内氏は、米 国の指標悪化を受けて、追加緩和の方向に話が進む可能性があるとみて いる。

引き続き当局の対応を注視

また、市場では連日、日本の通貨当局による円高対策をめぐる動向 が注目されている。菅直人首相は25日、野田佳彦財務相、仙谷由人官 房長官と官邸で景気動向などについて協議。野田財務相は協議の内容に ついて、「市場の動向を注意深く見てほしいとの指示を踏まえて、必要 な時に適切な対応をすると申し上げた」ことを明らかにした。

東海東京証券金融市場部トレーディンググループマネージャー、二 瓶洋氏は米国株がようやく落ち着きを見せ、若干戻したことでリスク回 避のモメンタム(勢い)がいったん衰えていると指摘。「単独ではある が、日本の当局によるドル買い・円売り介入への警戒感もある程度出て いるし、日銀による追加金融緩和の検討というのも視野に入っている」 としている。

一方、25日に発表された米経済指標では、7月の新築一戸建て住 宅販売が前月比で12%減少の27万6000戸と、1963年の調査開始以 来で最低の水準に落ち込むなど、景気の先行き不透明感は根強い。

この日の米国時間には新規失業保険申請件数が発表されるほか、あ す27日には4-6月の米国内総生産(GDP)の発表が控えている。

前日の米国債券市場では10年債利回りが一時2.4157%と、2009 年1月以来の水準まで低下する場面も見られていた。また、欧州市場で も、ドイツの10年債利回りが過去最低水準を記録している。

資産管理サービス信託銀行資金為替部の野村祥宏調査役は、海外の 金利低下傾向が続いており、円との金利差縮小を背景に、円高警戒感は 残るとして、クロス・円(ドル以外の通貨と円の取引)の「戻りは売り たい(円は買い)」という姿勢も根強いとみている。

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