日本株5日ぶり反発、円高一服し輸出上昇-不透明感漂う

日本株相場は5営業日ぶりに反発。 為替市場での急激な円高進行が一服し、企業収益に対する不安がやや 和らいだ。直近売り込まれた電機や機械、自動車など輸出関連株が上 昇。ただ、国内外景気の先行きや円高対策の行方、国内政治動向など には不透明感があり、株価指数の上昇の勢いは鈍かった。

日経平均株価の終値は前日比61円9銭(0.7%)高の8906円48 銭、TOPIXは同4.48ポイント(0.6%)高の811.79。TOPIX はこの日の高値で引けた。

ちばぎんアセットマネジメントの桶矢雅嗣運用部長は、「米国を中 心に世界経済が不透明感を増す中にあって、株価の底入れ時期が判断 できない」と嘆いていた。きょうは為替が円高修正となり、輸出株中 心に上げたものの、「打診買いの領域を出ず、上値の重さを嫌った見切 り売りもあった」と言う。

25日のニューヨーク外国為替市場では、円が対ドルで前日に付け た15年ぶりの高値から反落。日本の政策当局が景気回復の妨げになる 円高を阻止するため、介入を実施するのではないかとの観測が広がっ た。円は対ユーロでも、前日の9年ぶり高値から下落。26日の東京市 場では1ドル=84円台後半、1ユーロ=107円台後半と、前日に比べ やや円安方向で取引された。

円高一服で為替採算の悪化に対する警戒感がやや薄れ、直近で下 げの目立っていた電機や機械、精密機器、輸送用機器など輸出関連業 種が見直された。個別では、京セラやキヤノン、パナソニック、ファ ナック、ホンダ、コマツが上昇。前日まで4日続落中の東証1部33 業 種の下落率上位を見ると、非鉄金属(7.6%安)、精密(6.5%安)、電 機(6.1%安)、証券・商品先物(6%安)、機械(6%安)、輸送用機 器(5.5%安)などだった。

米不安、小沢氏出馬、日銀総裁カンザスへ

一方、米商務省が25日発表した7月の新築一戸建て住宅販売は年 率換算で前月比12%減の27万6000戸と、1963年の集計開始以来で最 低に落ち込んだ。7月の製造業耐久財受注額も前月比0.3%増と、エ コノミスト予想の中央値(3%増)に届かず。米国では事前予想を下 振れる経済指標が目立ち始めており、米経済の先行きに対する警戒感 から投資家が日本株を買う力は弱い。

この日の日本株は終日、上値が重い展開。日経平均、TOPIX とも午前を中心に下げる場面もあった。東洋証券情報部の檜和田浩昭 ストラテジストは、「円高進行の逆風はひとまず弱まったが、米経済指 標の相次ぐ下振れで、米国での需要減退が日本経済に悪影響を及ぼす との警戒感はむしろ高まっている」と話していた。

また、国内政治動向への不透明感も、投資家の買い手控えにつな がった。民主党の小沢一郎前幹事長が26日午前、党代表選(9月1日 告示、14日投開票)に出馬する決意を表明。鳩山由紀夫前首相は小沢 氏を支持する考えを示した。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の山岸永幸ストラテジスト は、「世論の反発が強く、『政治と金の問題』で起訴される可能性のあ る人物が首相になるかもしれないということは、にわかに信じ難い。 また、短期で首相交代となれば、通常の感覚の持ち主ならうんざりす るだろう」と見ている。もっとも、金融市場の参加者は世界的な景気 の行方に目を凝らしており、「日本の政局を理由に取引をしていないの で、相場への影響は限定的」との認識を示した。

このほか、政策当局による円高対策が喫緊の課題となっている中、 「日本銀行のトップが米国出張に出掛けていることが心配だ」と、ち ばぎんアセットの桶矢氏。投機筋にすきを突かれ、円買いが再加速し た場合、「当局の対応が不十分で円高進行が止まらなくなる可能性も意 識せざるを得ない」という。白川方明日銀総裁はカンザスシティ連銀 主催のシンポジウム出席のため、26日から30日まで米国に出張する。

東証1部の売買高は概算で14億1697万株、売買代金は1兆294 億円。騰落銘柄数は値上がり1053、値下がり439。業種別33指数では、 機械、空運、非鉄、その他製品、ガラス・土石製品、輸送用機器、情 報・通信、電機など25業種が上げ、証券・商品先物、海運、保険、建 設など8業種が安い。

大阪チタニ急騰、ダイエー売られる

個別では、スポンジチタンの生産能力増強投資の再開方針で大阪 チタニウムが買われ、連想で東邦チタニウムも急伸。2012年度に売上 高3000億円、純利益60億円を目指す中期計画を発表したパルコ、シ ティグループ証券が強気の投資判断を強調したミツミ電機、16年6月 期までに海外生産比率を6割強と現在の2倍に引き上げる、と26日付 の日本経済新聞朝刊で伝えられたアルバックも高い。

半面、靴販売子会社の解散に伴う債権放棄を前日発表したダイエ ーが急落。ソースネクスト、フジ、文化シャッター、太平洋セメント も東証1部の値下がり率上位に並んだ。

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前日比1.1%高の48.22、 東証マザーズ指数が0.7%高の361.60とともに前日の年初来安値から 反発。大証ヘラクレス指数も0.3%高の556.27と5日ぶりの小反発。

楽天や第一精工、アイ・エム・ジェイが高く、太陽電池製造装置 企業のエヌ・ピー・シーが3連騰。太陽光発電協会がきょう発表した 2010年度第1四半期(4-6月)の太陽電池セル・モジュールの総出 荷量は前年同期比95%増の55万3717キロワットだった。スカイマー クは急反発。26日付毎日新聞では、前原誠司国土交通相が国内線の航 空機燃料税を来年度から半減することを要求する意向を示した、と報 じられていた。半面、フェローテック、大阪証券取引所、ダイヤモン ドダイニング、日本風力開発が安い。

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