政府の債務不履行は必至、通貨切り下げもデフォルトの一形態

国債保有者は政府による何らかの 形でのデフォルト(債務不履行)に見舞われる―。モルガン・スタン レーはこのような見方を示し、人口高齢化による負担増や税収引き上 げ困難に直面した政府は、「金融弾圧」によるデフォルトを選択し得る と分析した。

モルガン・スタンレーのロンドン在勤エグゼクティブディレクタ ー、アーノード・メアーズ氏は25日の調査リポートで、「政府が約束 を反故(ほご)にするかどうかという問題ではなく、むしろ約束のう ちどれを反故にするか、そしてどのような形でのデフォルトを選ぶの かの問題になる」と書いている。ソブリン債危機は世界的なものであ り、「まだ終わってはいない」とも指摘した。

同氏によれば、政府は一般的なデフォルトの概念である元本と金 利の支払い停止ではなく、「ソフトデフォルト」を選ぶかもしれない。 ソフトデフォルトとは、インフレ加速を許すことで返済通貨の相場を 下落させ、結果的に債権者らの受け取る額が目減りすることだと説明 している。

同氏は「先進経済大国のいずれかが完全なデフォルトに陥ること は極めて可能性の低いシナリオだと考えている」とした上で、「しかし ながら、現在の利回りとブレーク・イーブン・インフレ率は、どんな 形を取るかは分からないが現実的な脅威である『金融弾圧』に対する 防衛にはならないと思われる」と書いている。

税徴収

さらに、インフレ高進による事実上のデフォルトというシナリオ について、景気が二番底に陥ったからといって見解は変わらないとし、 二番底は政府の税徴収基盤をさらに弱化させ、「最終的に国債保有者が 大きな損失を被るリスクを高める」と分析した。

同氏はまた、政府に対して権利を有する他のグループと国債保有 者との間の「利害相反はかつてないほど大きくなっている」とし、債 券保有者の利害は、年金や医療保険を求める高齢者など影響力のある 有権者グループと一致していないとも指摘した。

税収を重視する同氏は、人口動向は政府の債務返済能力を測る指 標として債務の対国内総生産(GDP)比率よりも適切だとの見解だ。 同比率は政府が確保できる歳入の額を反映していない上に「後ろ向き の」数字だと解説している。

米国とイタリア

リポートでは米政府を例に挙げ、債務は対GDP比53%と先進国 の中でも低水準だが、歳入に対する比率は358%と最高の国の1つだ と指摘した。一方、イタリアの負債は対GDP比116%となっている ものの、歳入との比較では188%だという。

メアーズ氏は英公債管理当局や格付け会社ムーディーズ・インベ スターズ・サービスに勤務経験がある。リポートではデフォルトが考 えられる特定の国名は挙げなかった。

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