アイルランド格下げが招く「悪循環」、ソブリン債危機の余震が襲う

【記者:Joe Brennan and Dara Doyle】

8月25日(ブルームバーグ):資金繰りに苦しむアイルランドの 金融機関が、資金調達で一段と厳しい状況に追い込まれている。

アイルランド政府が保証する総額300億ユーロ(約3兆2300億 円)の銀行債務の借り換え期限が到来する中、米格付け会社スタンダ ード・アンド・プアーズ(S&P)は今週、同国の信用格付けを1995 年以降では最も低い「AA-」に引き下げた。ダブリンのブロクサム・ ストックブローカーズのチーフエコノミスト、アラン・マケイド氏は、 アイルランドの銀行が欧州中央銀行(ECB)の資金供給に頼らざる を得ないだろうと話す。

マケイド氏は「実にひどいタイミングだった。銀行は借り換えが できない場合、ECBへの依存を強める。それがアイルランドの評価 を損ない、ソブリン債のスプレッドを拡大させる悪循環に陥ることに なる」と警戒する。

S&Pは24日、アイルランドの銀行システムに注入する公的資 金の必要額が最大500億ユーロに達する可能性があるとの試算を公 表した。S&Pによる格下げを受けて、同国の10年国債のドイツ国 債に対する上乗せ利回り(スプレッド)は過去最高の水準まで拡大し た。アイルランド政府は26日、最大6億ユーロ相当の短期国債発行 を予定しており、これが次の試金石になる。

ロンドンに拠点を置くアレグラ・アセット・マネジメントのノー バル・ロフタス最高投資責任者(CIO)は「過去数週間はソブリン 債危機が棚上げにされた状態だったが、市場は危険なホットスポット の信用力に再び疑いの目を向けるだろう。アイルランドのニュースは まるで、ユーロ圏の債券市場を襲った余震のようなものだ」と指摘す る。

ロベコ・グループ(ロッテルダム)のファンドマネジャー、コメ ル・ファン・トリト氏は「われわれは現在、アイルランド債を敬遠し ている。大きな問題は銀行セクターだ。アイルランドがそれに自力で 対処できなくなるという論拠を示すことは可能だ」と述べている。

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