インド議会:原子力被害賠償法案を可決-海外企業、契約を敬遠の恐れ

インド議会は25日夜、原子炉で事 故が発生した場合、原子炉建設企業と供給企業に一定の賠償責任を負 わせることを盛り込んだ原子力被害民事責任法案を可決した。これに よって、30年ぶりに海外からの原子炉関連機器の調達再開を目指すイ ンドの取り組みは頓挫する恐れがある。

原子力損害賠償に関しては、1986年に旧ソ連で起きたチェルノブ イリ事故を受けて97年に国際原子力機関(IAEA)で改正議定書が 採択されたウィーン条約があるが、これは賠償責任を原子炉運営会社 に限定している。

法的枠組みの整備により、世界で2番目の高成長を遂げているイ ンドの原子力市場の開放を目指す同法だが、逆に海外企業が同国での 契約を敬遠する可能性がある。同国の原子力関連の契約の規模は1750 億ドル(約14兆8100億円)。インドは経済成長押し上げのため2030 年までに原子力発電量を13倍に増やす目標を立てており、この実現に は日立製作所と米ゼネラル・エレクトリック(GE)の共同事業会社、 GE日立ニュークリア・エナジーや東芝傘下のウェスチングハウス・ エレクトリック(WH)などの供給企業を必要としている。

カーネギー国際平和財団の原子力政策アナリスト、マーク・ヒッ ブス氏は、「国際的な賠償責任の標準を満たさなければ、機器サプライ ヤーからの供給は受けられないことをインドは理解する必要がある」 と指摘。原子力発電能力を拡大している西欧や米国、カナダ、日本、 韓国などで「他の多くの機会がある」と述べた。

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