8月25日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場:円は反落、対ドル84円台-日本の介入を警戒

ニューヨーク外国為替市場では、円が対ドルで前日につけた15年 ぶりの高値から反落した。日本当局が景気回復の妨げになる円高を阻止 するため、介入を実施するのではないかとの観測が背景。

ユーロは対ドルで上昇。7月の米新築住宅販売件数が予想外に減 少し、過去最低を記録したことが手掛かりとなった。円は対ユーロで 9年ぶりの高値から下げた。「必要な時には適切な対応を取らなけれ ばならない」との野田佳彦財務相の発言が円売り材料。

為替取引を手掛けるテンパス・コンサルティングのストラテジス ト、ジョン・ドイル氏は、「日本政府はこれ以上大幅な円高を容認で きない。輸出主導の日本経済にかなりの悪影響を与えるためだ」と指 摘。「この日は日本当局が実際に介入するとの憶測で円が少し売られ た」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時6分現在、円は対ドルで前日比0.9% 下落し、1ドル=84円65銭(前日は83円90銭)。円は対ユーロ では1%安の1ユーロ=107円6銭(同105円97銭)。ドルはユー ロに対し、0.2%下げて1ユーロ=1.2650ドル。

スイス・フランは対ユーロで一時、1ユーロ=1.2972フランと 過去最高値を更新した。主要16通貨のうち10通貨に対して上昇し た。

1963年以来の最低

米商務省が発表した7月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済 み、年率換算)は前月比12%減少して27万6000戸と、1963年の 集計開始以来で最低だった。米商務省が発表した7月の製造業耐久財 受注額は前月比で0.3%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミスト予想の中央値は3%増だった。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの主任市場アナリ スト、オマー・エシナー氏は、「今週発表のデータが圧倒的に悪かっ たため、ドルの逃避先としての魅力がいくらか弱まった」と語った。

ドルは主要16通貨のほとんどに対して下落し、円は全16通貨 に対して下げた。両通貨は通常、安全な逃避先とみなされている。

エシナー氏は「1ドル=84円台の現状では、問題山積の日本経 済をさらに悪化させる円高を日本当局が座視し、容認していられなく なるリスクが高まっている」と述べた。

三菱東京UFJ銀行の為替調査部門欧州責任者、デレク・ハルペ ニー氏(ロンドン在勤)は25日付の顧客向けリポートで、「単独介 入を実施しても、特にいまの経済状況下では失敗に終わるはずだ」と 指摘した。

最後の円売り介入

日本当局は2004年3月16日を最後に為替介入を実施していな い。その当時の円相場は109円前後だった。日銀は2003年に過去最 高となる20兆4000億円相当の円売り介入を実施した。04年第1四 半期の介入規模は14兆8000億円。04年の円相場は102円63銭 で終えた。

一方、日本当局の最後の円買い介入は1998年。円が147円66 銭まで下落したことに伴い、3兆500億円相当の円買い介入を実施し た。

モルガン・スタンレーは25日、ユーロ安予想を撤回した。米連 邦準備制度理事会(FRB)が来月の連邦公開市場委員会(FOMC) で追加金融緩和策を実施する可能性を理由に挙げた。

スティーブン・ハル氏(ロンドン在勤)率いる同社のアナリスト は25日付のリポートで、「過去数週間、対ユーロでのドル上昇見通 しを公言してきたが、この取引のリスク・リターンは悪化しており、 FRBが9月21日のFOMCで追加緩和策を打ち出すリスクが高ま りつつあるようだ」と指摘。「現在の弱い米経済指標が続けば、最終 的には欧州の経済指標も景気鈍化を示す可能性が高いが、弱さが浸透 するにはしばらく時間がかかる可能性がある」と説明した。

◎米国株式市場:上昇、割安感で買いが戻る-ダウ102ドル安埋める

米株式相場は反発。一時102ドル下げていたダウ工業株30種平 均も値を戻した。景気減速で悪影響が及ぶとしても、最近の株安は行き 過ぎとの見方が広がった。

ダウ工業株30種では、ホーム・デポやファイザー、クラフト・ フーズの上げが目立った。トール・ブラザーズは、5-7月(第3四 半期)の決算が市場予想に反して黒字となったことを好感し上昇。四 半期黒字は2007年以来で初めて。D.R.ホートンは、タイコンデ ロガ・セキュリティーズが買い推奨銘柄に指定したことを受けて値上 がり。メドトロニックは、投資判断引き上げに反応し買い進まれた。

S&P500種株価指数は前日比0.3%高の1055.33。一時は

1039.83まで下げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は19.61 ドル(0.2%)上げて10060.06ドル。

フィラデルフィア・トラスト(フィラデルフィア)の最高投資責 任者(CIO)、リチャード・シーシェル氏は、「今、投資家は押し 目を物色しているだけかもしれない」とし、「株価はこのところ割安 になっていた」と加えた。

この日発表された7月の米新築住宅販売が過去最低となったほか、 製造業耐久財受注が予想を下回る伸びとなったことで、景気回復に対 する懸念が広がり、朝方の相場は下落していた。ブルームバーグのデ ータによれば、S&P500種は4月に付けた年初来高値から13%下 落し、構成銘柄の予想株価収益率(PER)は12.7倍に落ち込んで いる。これは2009年3月以来の低水準に近い。

経済指標

米商務省が発表した7月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、 年率換算)は前月比12%減少して27万6000戸と、1963年の集計 開始以来で最低だった。新築住宅の中間価格は20万4000ドルと 2003年末以来の低水準。

また米商務省が発表した7月の製造業耐久財受注額は前月比で

0.3%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト 予想の中央値は3%増だった。一方、輸送用機器を除く7月の受注は 前月比3.8%減少した。減少率は2009年1月以降で最大。市場予想 は0.5%増だった。

S&P500種は取引開始後の最初の1時間で1.1%下落し、 1040に近づいた。この水準はチャート上の支持線ととらえられてい る。5月と6月には、1040付近まで下げた後で反発している。

1040の水準

BB&Tウェルス・マネジメントのシニアバイスプレジデント、 ウォルター・ヘルウィグ氏は、「1040の水準を守ったので、テクニ カル面でプラスのシグナルととらえられた」と分析。「短期志向の投 資家が買いを入れ始め、大きな売りは続かなかった」と指摘した。

新築住宅販売が発表された後も、住宅建設株は上昇した。サスケ ハナ・インターナショナル・グループやシティグループによれば、販 売減の最悪期は脱したとの観測が広がったためという。

シティグループのアナリスト、ジョッシュ・レビン氏は、25日 付の顧客リポートで、「きのうの中古住宅販売ときょうの新築住宅販 売に対する住宅建設株の反応は、株式市場全体で劇的な下落の動きが ない限り、住宅建設株の底入れを示唆していると考えられる」と説明 した。

売上高で米住宅建設2位のD.R.ホートンは4.6%高の10.43 ドル。タイコンデロガ・セキュリティーズは、D.R.ホートンの投 資判断を「中立」から「買い」に引き上げた。

米最大の高級住宅建設業者のトール・ブラザーズは5.8%上昇し、

17.13ドル。同社の第3四半期決算は、市場予想に反して黒字だった。 四半期黒字は2007年以来で初めて。米税法の変更や評価損の縮小が 寄与した。

◎米国債市場:下落、10年債利回りは19カ月ぶり低水準から反転

米国債相場は下落。10年債利回りは1年7カ月ぶり低水準から上 昇に転じた。米国株が下げ幅を埋め、米国債への逃避需要が減退した。

5年債利回りも上昇に転じた。午後に実施された5年債入札 (360億ドル)では、落札利回りは市場予想を若干上回った。7月 の米新築住宅販売が予想外に前月比で落ち込んだほか、耐久財受注 も予想を下回る伸びだったことに反応し、朝方の米国債は上昇して いた。

スタイフェル・ニコラスのボルティモア部門で政府債トレーデ ィング責任者を務めるマーティン・ミッチェル氏は、「米国債はここ 数日の高値水準を維持できなかった」と述べ、「少々買い疲れのよう だ。それでも景気の弱さを考えると、国債にとっての支援材料は多 い」と続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時34分現在、10年債利回りは5bp上昇の2.54%。 10年債価格(表面利率2.625%、2020年8月償還)は15/32下 げて100 3/4だった。10年債利回りは一時、2.4157%と、2009 年1月以来の低水準をつけた。

既発債の5年物国債利回りは6bp上げて1.38%。2年債利回 りは0.52%。前日は過去最低の0.4542%を付けた。30年債利回 りは1bp上げて3.57%。

30年債の2年債に対する上乗せ利回りは3.05ポイントと、 2009年9月以来の最小まで縮小した。米国の景気回復が停滞すると の懸念を示している。

セントルイス連銀の前総裁で現在はメルク・インベストメンツ のシニア経済アドバイザーを務めるウィリアム・プール氏は「30年 債のこれまでの上昇には、まったく驚いている」と述べた。

30年債利回りの相対力指数(RSI、期間14日)は23.59、 10年債は27.42だった。同指数が30を下回ると利回りが上昇する 可能性がある。

入札結果

5年債入札の結果によると、最高落札利回りは1.374%と、入 札直前の市場予想の1.363%をわずかに上回った。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.83倍と、過去10回の 平均値2.72倍を上回った。

外国中央銀行を含む間接入札は50.8%、今年1月以来の高水準 だった。直接入札は8.7%。先月の入札では11.4%、過去10回の 同割合の平均値は10.1%だった。

財務省は26日、今週最後の入札となる7年債(290億ドル)入 札を実施する。

耐久財受注と新築住宅販売

米国債は一時、耐久財受注と新築住宅販売に反応して値上がり していた。

7月の製造業耐久財受注額は前月比で0.3%増加した。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は3%増 だった。

また7月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年率換算) は前月比12%減少して27万6000戸。ブルームバーグのまとめた エコノミスト予想はほぼ変わらずだった。

みずほ証券USAの米国債トレーディング責任者、ジェーズ・ コンビアス氏は、「米国債をさらにけん引するには、今後も一段と景 気の弱さを示す情報が必要だ」と述べた。

◎金先物市場:8週間ぶり高値、景気失速懸念で買い-1241.30ドル

ニューヨーク金先物相場は上昇。景気失速への懸念から金への需要 が強まり、約8週間ぶりの高値を付けた。

この日、米政府が発表した統計からは製造業活動の減速が示さ れた。金は年初から13%上昇しており、6月にはオンス当たり

1266.50ドルと、過去最高値を更新した。

プロスペクター・アセット・マネジメントのレナード・カプラ ン 社長は「投資家の不安は明らかだ。景気は本当に悪化している。 投資家は株式市場への懸念を強めており、それでもどこかに手持ち 資金を投資しようとして金を買っている」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場12月限は前日比7.90ドル(0.6%)高の1オンス=

1241.30ドルで取引を終了。一時は1243.40ドルと、7月1日以 来の高値を付ける場面もあった。

◎原油先物市場:11週ぶり安値から反発、ドルの対ユーロ下落で

ニューヨークの原油先物相場は反発。ドルの対ユーロ相場が6営業 日ぶりに下げたことで商品の投資妙味が強まり、11週間ぶりの安値か ら上げに転じた。

7月の米新築住宅販売が過去最低水準を記録し、これを受けてド ルが下落。原油は一時1.5%上昇した。朝方の取引では、エネルギ ー省が発表した週間在庫統計で原油とガソリンの在庫が増加したこと を手掛かりに、相場が大きく下げる場面もあった。

エネルギー関連のコンサルタント会社キャメロン・ハノーバーの ピーター・ビューテル社長(コネティカット州ニューカナン在勤)は、 「ドル相場主導の商いがみられる」と指摘。「こうした投資家はドル 安を原油高の手掛かりととらえている」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前 日比0.89ドル(1.24%)高の1バレル=72.52ドルで取引を終了。 一時は70.76ドルと、6月8日以来の安値を付ける場面もあった。

◎欧州株式市場:続落、米耐久財受注と新築住宅販売を嫌気

欧州株式相場は続落。米耐久財受注と新築住宅販売が予想を下回っ たことで、米経済の力強さをめぐる懸念が一段と強まった。

英石油・ガス探査会社タローオイルは4.6%安。同社はカナダ の同業ヘリテージ・オイルが保有するウガンダの資産買収が延期とな る可能性があると明らかにした。

オランダの金融サービス会社、SNSレアールは11%の大幅安。 同社が発表した1-6月(上期)決算は利益がアナリスト予想を下回 った。ギリシャ2位の銀行、EFGユーロバンク・エルガシアスは

6.4%安。同国銀行株の下げの中心となった。10年物ギリシャ国債 の独国債に対する上乗せ利回りが急拡大したことが背景にある。

ストックス欧州600指数は前日比0.8%安の247.54と、7 月20日以来の安値で取引を終了。米国の住宅、雇用、製造に関する 統計から景気回復をめぐる不透明感が強まっており、同指数は4月に 付けた年初来高値から9%下げている。

7インベストメント・マネジメントで約33億ドル相当の資産運 用に携わるジャスティン・スチュワート氏(ロンドン在勤)は「経済 成長はより緩やかで、より低くなるだろう」と指摘。「8月で市場は 閑散としており、薄商いのため比較的小さい取引が相場に大きな影響 を及ぼし得る状況となっている」と続けた。

米商務省が発表した7月の製造業耐久財受注額は前月比で

0.3%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミス ト予想の中央値は3%増だった。7月の新築住宅販売は市場の予 想に反して前月比で減少、過去最低水準を記録した。

◎欧州債券市場:独10年債利回り、過去最低

欧州市場ではドイツ10年債利回りが過去最低を記録し、ギリシャ 10年債とのスプレッド(利回り格差)は大幅に拡大した。欧州の一部 諸国の財政赤字抑制が難航するとの懸念が再浮上し、ドイツ国債への買 いを膨らませた。

アイルランド国債相場は下落。米格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)は24日、経営難の銀行を支援するコスト増 大を懸念し、アイルランドの信用格付けを「AA-」に1段階引き下 げた。この日発表された8月のドイツ景況感指数が予想に反して上昇 したものの、ドイツ国債の堅調は変わらなかった。

RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニック・ スタメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は、「アイルランドは格下 げで売りを浴び、これがドイツ国債を支えている」と指摘。「米景気 先行き懸念の高まりとリセッション(景気後退)再来への警戒で、リ スク回避が広がっている」と語った。

ロンドン時間午後4時50分現在、独10年債利回りは前日比4 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.14%。一時 は過去最低となる2.09%まで下げた。同国債(表面利率2.25%、 2020年9月)価格は0.38ポイント上げ100.95。独30年債利回 りは13bp低下し2.642%と、過去最低を付けた。

利回り格差

アイルランド国債相場は下落。同国の10年債利回りは22bp 上昇の5.7%。独10年債に対する上乗せ利回りは24bp拡大し 334bp。一時は347bpまで広がり、過去最高を連日で更新した。

ギリシャ10年債と同年限のドイツ国債のスプレッドは44bp 拡大し929bpとなった。欧州連合(EU)がユーロ圏支援策を5 月に打ち出して以降、初めて900bpを超えた。

◎英国債市場:10年債利回り、過去最低-景気懸念などで

英国債市場では10年債相場が上昇し、同利回りは過去最低を更新 した。景気回復の失速懸念で、比較的安全な資産とされる国債の需要が 高まった。

インフレが加速するとの見方が弱まったことを背景に、10年債 の2年債に対する上乗せ利回りは縮小し、2009年4月以来の最小と なった。米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は 24日、アイルランドの長期信用格付けを1段階引き下げ「AA-」 とし、さらに格下げする可能性を示唆した。

英国債相場は前日も上昇。イングランド銀行(英中央銀行)金融 政策委員会(MPC)メンバーのマーティン・ウィール委員が英紙タ イムズとのインタビューで、英景気がリセッション(景気後退)に逆 戻りする可能性があると語ったことが手掛かりだった。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、デービッド・シュノーツ氏 (ロンドン在勤)は、「一連の材料は安全への逃避を支えている」と 指摘。「目先はさらに低下する余地がある。中期的には現在の低利回 りを正当化するために、さらに景気の弱さを確認しなくてはならない」 と語った。

ロンドン時間午後4時5分現在、10年債利回りは前日比4ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.84%。一時は

2.827%まで下げ、ブルームバーグがデータ集計を開始して以来の低 を付けた。同国債(表面利率4.75%、2020年3月償還)価格は

0.36ポイント上げ115.82。

一方、2年債利回りは前日比3bp上げ0.63%。10年債との 利回り格差は221bpと、09年4月22日以来の最小となった。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Shigeru Chiba 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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