NY外為:円は反落、対ドル84円台-日本の介入を警戒

ニューヨーク外国為替市場では、 円が対ドルで前日につけた15年ぶりの高値から反落した。日本当局 が景気回復の妨げになる円高を阻止するため、介入を実施するのでは ないかとの観測が背景。

ユーロは対ドルで上昇。7月の米新築住宅販売件数が予想外に減 少し、過去最低を記録したことが手掛かりとなった。円は対ユーロで 9年ぶりの高値から下げた。「必要な時には適切な対応を取らなけれ ばならない」との野田佳彦財務相の発言が円売り材料。

為替取引を手掛けるテンパス・コンサルティングのストラテジス ト、ジョン・ドイル氏は、「日本政府はこれ以上大幅な円高を容認で きない。輸出主導の日本経済にかなりの悪影響を与えるためだ」と指 摘。「この日は日本当局が実際に介入するとの憶測で円が少し売られ た」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時6分現在、円は対ドルで前日比0.9% 下落し、1ドル=84円65銭(前日は83円90銭)。円は対ユーロ では1%安の1ユーロ=107円6銭(同105円97銭)。ドルはユー ロに対し、0.2%下げて1ユーロ=1.2650ドル。

スイス・フランは対ユーロで一時、1ユーロ=1.2972フランと 過去最高値を更新した。主要16通貨のうち10通貨に対して上昇し た。

1963年以来の最低

米商務省が発表した7月の新築一戸建て住宅販売(季節調整済 み、年率換算)は前月比12%減少して27万6000戸と、1963年の 集計開始以来で最低だった。米商務省が発表した7月の製造業耐久財 受注額は前月比で0.3%増加した。ブルームバーグ・ニュースがまと めたエコノミスト予想の中央値は3%増だった。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの主任市場アナリ スト、オマー・エシナー氏は、「今週発表のデータが圧倒的に悪かっ たため、ドルの逃避先としての魅力がいくらか弱まった」と語った。

ドルは主要16通貨のほとんどに対して下落し、円は全16通貨 に対して下げた。両通貨は通常、安全な逃避先とみなされている。

エシナー氏は「1ドル=84円台の現状では、問題山積の日本経 済をさらに悪化させる円高を日本当局が座視し、容認していられなく なるリスクが高まっている」と述べた。

三菱東京UFJ銀行の為替調査部門欧州責任者、デレク・ハルペ ニー氏(ロンドン在勤)は25日付の顧客向けリポートで、「単独介 入を実施しても、特にいまの経済状況下では失敗に終わるはずだ」と 指摘した。

最後の円売り介入

日本当局は2004年3月16日を最後に為替介入を実施していな い。その当時の円相場は109円前後だった。日銀は2003年に過去最 高となる20兆4000億円相当の円売り介入を実施した。04年第1四 半期の介入規模は14兆8000億円。04年の円相場は102円63銭で 終えた。

一方、日本当局の最後の円買い介入は1998年。円が147円66 銭まで下落したことに伴い、3兆500億円相当の円買い介入を実施し た。

モルガン・スタンレーは25日、ユーロ安予想を撤回した。米連 邦準備制度理事会(FRB)が来月の連邦公開市場委員会(FOMC) で追加金融緩和策を実施する可能性を理由に挙げた。

スティーブン・ハル氏(ロンドン在勤)率いる同社のアナリスト は25日付のリポートで、「過去数週間、対ユーロでのドル上昇見通 しを公言してきたが、この取引のリスク・リターンは悪化しており、 FRBが9月21日のFOMCで追加緩和策を打ち出すリスクが高ま りつつあるようだ」と指摘。「現在の弱い米経済指標が続けば、最終 的には欧州の経済指標も景気鈍化を示す可能性が高いが、弱さが浸透 するにはしばらく時間がかかる可能性がある」と説明した。

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