国内市況:株は連日の年初来安値・債券続伸、円反落も15年ぶり高値圏

東京株式相場は4日続落し、日経 平均株価、TOPIXとも連日で年初来安値を更新した。米国景気、 欧州のソブリンリスクなどの根深さから円高進行への警戒が強い上、 日本の政策当局が今のところ有効な円高阻止策を示せておらず、リス ク資産の株式を手放す動きが続いた。

日経平均株価は前日比149円75銭(1.7%)安の8845円39銭で 終え、終値では昨年4月30日以来の安値水準。TOPIXは同10.42 ポイント(1.3%)安の807.31。東証1部33業種はすべて安く、輸送 用機器や海運、鉱業、精密機器、鉄鋼といった景気敏感業種、証券な ど金融株の下げが目立った。売買高は概算で17億8479万株、売買代 金は1兆2109億円。騰落銘柄数は値下がり1119、値上がり406。

24日発表された7月の米中古住宅販売件数は前月比27%減の383 万戸と、予想中央値465万戸を大幅に下回った。実質的に4月に終了 した政府の住宅購入支援措置が需要を先食いし、雇用市場も低迷とあ り、今後の伸びを期待するのも難しいことが示された格好。25日発表 の新築住宅統計や住宅価格指数の下振れ連想も働きやすかった。

米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は24日、 アイルランドの長期ソブリン信用格付けを「AA」から「AA-」に 引き下げた。金融セクター支援で見込まれるコストを理由に挙げてお り、ソブリンリスクへの警戒も投資家心理に悪影響を与えた面がある。

外国為替市場では24日、円が対ドルで1995年6月以来の高値と なる83円60銭まで上昇。対ユーロでも一時105円44銭と、2001年 7月以来の高値を付けた。25日は、世界的な需要減退と為替採算の悪 化懸念から、自動車や精密、電機、ゴム製品など輸出関連株が下落。 海運や鉄鋼、ガラス・土石製品など世界景気に敏感な業種、保険や証 券、銀行など金融株も下げた。

きょうは、日本銀行が追加的な金融緩和策の検討に入り、財務省 も日本単独での円売り・ドル買いの為替介入を視野に入れている、と 日本経済新聞朝刊が報じた。金融当局による円高対策の発動をにらむ 格好で、日本時間25日の円相場は1ドル=84円台半ば、1ユーロ= 106円台後半まで下落。日本株は下げ渋る場面も見られた。

野田佳彦財務相は25日午後、菅直人首相、仙谷由人官房長官と官 邸で景気動向などについて協議したが、菅首相からは具体的指示はな かったという。午後に入って日本株はじりじりと値を切り下げた。

長期金利、7年ぶり0.8%台

債券相場は続伸。長期金利は一時、7年ぶりに0.8%台に低下し た。前日の米国市場で経済指標悪化を受けて金利低下、株安となった 流れを引き継ぎ、円債市場でも買いが優勢だった。日本銀行による追 加的な金融緩和観測が強まったことも相場を支えた。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の309回債利回 りは、前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.905%で始まり、午 前10時前後には1.5bp低い0.895%まで低下。新発10年債としては 2003年8月13日以来の0.9%割れを記録した。その後は水準をやや切 り上げ、午後1時以降は0.5bp低い0.905%で推移している。

超長期債も買われた。新発30年債利回りは一時4bp低い1.535% まで低下し、03年7月以来の低水準を付けた。新発20年債利回りも 一時1.515%と7年ぶり低水準を付けた。年金基金が月末に向け、保 有債券の年限長期化を狙って、利回り低下余地がある超長期債を買っ ているとの指摘が出ていた。

24日の米国債相場は上昇。2年債利回りは過去最低を更新し、10 年債利回りは09年3月以来初めて2.5%を下回った。7月の米中古住 宅販売件数が大幅に減少し、景気低迷の懸念が広がった。米株式相場 は下落し、S&P500種株価指数は7週間ぶり安値を付けた。

東京先物市場で9月物は前日比21銭高の143円13銭で開始。中 心限月ベースで2003年6月以来の高値を付けた。午前10時前後には 143円14銭まで上昇し、7年2カ月ぶりの高値を更新。午後に入ると 9銭高まで上げ幅を縮めたが、14銭高の143円6銭で終了した。

円反落、金融緩和や介入警戒

東京外国為替市場では円が反落。前日に対ドルで約15年ぶりとな る1ドル=83円台まで円高が進んだことを受け、円高阻止に向けた日 本銀行の追加金融緩和や日本政府による為替介入への思惑が強まった。

ドル・円相場は1ドル=83円90銭付近で東京市場を迎えた後、 じりじりと円売りが進み、正午前には一時、84円50銭を付けた。ユ ーロ・円相場は早朝に付けた1ユーロ=105円92銭から一時、106円 99銭まで円が反落。ブルームバーグ・データによると、円は全面高と なった前日から一転、主要16通貨すべてに対して下げた。

ユーロ・ドル相場は、対円でユーロが買われた影響もあり、1ユ ーロ=1.26ドル台前半から一時、1.2668ドルまでユーロが反発。ただ、 S&Pによるアイルランド格下げもあり、積極的にユーロの上値を追 う動きは限られた。

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