バンカーを「燃え尽き症候群」から守れ-スイスの保険会社が対応開始

強いストレスにさらされたバンカ ーが「燃え尽き症候群」になり、保険金請求が増えることを警戒した スイスの保険会社はカウンセリングや健康チェックなどのサービスを 提供している。

チューリッヒ・ファイナンシャル・サービシズは5月に、同社が スイス国内で契約している70人の心理学者によるセラピー(心理療法) を30%引きの料金で提供し始めた。バロワーズ・ホールディングは来 年から顧客の健康チェックを導入する計画だ。長時間ストレスにさら されることによる燃え尽き症候群を防ぐ方法などもアドバイスする。

チューリッヒ・ファイナンシャルのスイス部門の市場管理責任者、 ティルマン・ヘンゲボス氏は「予防のための措置を提供することで病 気になる人を減らせれば、保険会社の費用は節約できる」と述べた。 同社は病気で働けない人の所得保障として年2億スイス・フラン(約 164億円)を支払っているが、病気の中で燃え尽き症候群が占める割 合が増えているという。

精神科医のドリス・シュトラウス氏によると、燃え尽き症候群に なるのはかつては医者が多かったが、金融危機で仕事上のストレスが 高まったためか、患者はあらゆる職業に広がったという。2007年の信 用逼迫(ひっぱく)の始まり以来、世界の銀行・証券・保険業界で34 万人を超えた人員削減の動きもストレスを高めた。

シュトラウス氏は「限界に来ていること、永久にストレスにさら されながら働き続けることはできないことを、他人に伝えるのは難し い」と指摘した。15年間にわたり燃え尽き症候群を研究してきた同氏 は、10月1日に世界経済フォーラム年次総会開催地のダボスで診療所 を開く。

スイス政府の調査によると、同国の勤労者の約41%は職場で精神 的ストレスにさらされ、10%前後の人が不安を感じている。金融、医 療、福祉の分野で働く人が特にストレスにさらされがちだという。

危機中に1万8000人余りを削減したスイスの銀行UBSでは、燃 え尽き予防の一環としてカウンセリングを提供するほかフレックス勤 務を導入していると、広報担当のイブリン・ミューラーアイヒェンバ ーガー氏は述べた。同行でのストレスによる人事異動などについては 明らかにしなかった。同業のクレディ・スイス・グループはコメント を控えた。

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