野田財務相:必要時には適切な対応-為替介入の可能性示唆

野田佳彦財務相は25日午前、前日 の海外市場で円が対ドルで一時83円台と15年ぶりの高値をつけたこ とを受け、「一方向に偏った動きだという基本認識だ」とした上で、 「為替の動きは重大な関心を持って極めて注意深く見守りたいが、必 要な時には適切な対応を取らなければならない」と述べ、介入も辞さ ない構えを示した。同省内で記者団に話した。

為替動向をめぐってガイトナー米財務長官と電話会談するとの一 部報道については、「報道の事実は知っているが、コメントは控えた い」と語った。

また、日銀が臨時の金融会合を開催し、追加緩和策を検討すると の観測に対しては「日銀と緊密に連絡取りながら対応していきたい」 と述べるにとどめた。

JPモルガン・チェース銀行為替資金本部の佐々木融チーフFX ストラテジストは「野田大臣のコメントは財務省のコメント語録の中 の一つ。そんなに強いものではない」と述べるとともに、「介入への 可能性は上がっているが、いまだ15%程度。政府が介入に踏み切る可 能性は低い」との見方を示した。

野田財務相はこの後官邸を訪ね、昼から菅直人首相、仙谷由人官 房長官と景気動向などについて協議した。財務相は協議後記者団に対 し、内容について「経済や景気の動向についての傾向や分析を中心に 報告した」と語った。また、足元の円高・株安の状況については「市 場の動向を注意深く見てほしいとの指示を踏まえて、必要な時に適切 な対応をすると申し上げた」ことを明らかにした。菅首相からは具体 的な指示はなかったという。

円急伸で連日の会見

円相場の急伸を受けて野田財務相は24日夕にも記者会見した。こ の時は「足元の動きは明らかに一方向に偏った動きだ」と指摘しなが らも、為替介入については「コメントしない」と述べるなど、従来の 見解の繰り返しに終わった。同発言を受ける形で円高が加速し、同日 夜の海外市場では円が一時、1ドル=83円台と15年ぶりの高値水準 まで急騰した。

野村証券金融経済研究所の木内登英チーフエコノミストは24日 付のリポートで「野田財務相の記者会見が円の『絶好の買い場』を提 供した。不用意あるいは不必要に市場の政策期待を高めることは得策 ではない」と指摘、「政府が『市場との対話』に慣れないことの表れ だ」と厳しい見方を示した。

--共同取材 藤岡徹 Editor:Hitoshi Ozawa,Keiichi Yamamura

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