債券は続伸、長期金利一時7年ぶり0.8%台に低下-米債高や緩和観測

債券相場は続伸し、長期金利は一 時、7年ぶりに0.8%台に低下した。前日の米国市場で経済指標悪化 を受けて金利低下、株安となった流れを引き継ぎ、円債市場でも買い が優勢だった。日本銀行による追加的な金融緩和観測が強まったこと も相場を支えた。

大和住銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリー ダーは、最近の円高や株安、追加緩和観測を支援材料に挙げたほか、 前日の20年債入札が好調な結果だったことから超長期債が買われた と説明した。もっとも、新発10年債利回りは心理的な節目の0.9%前 後で下げ渋ったとも指摘した。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の309回債利回 りは、前日比0.5ベーシスポイント(bp)低い0.905%で始まり、午 前10時前後には1.5bp低い0.895%まで低下。新発10年債としては 2003年8月13日以来の0.9%割れとなった。その後は水準をやや切り 上げ、午後1時以降は0.5bp低い0.905%で推移している。

長期金利の0.9%割れについて、クレディ・アグリコル証券の加 藤進チーフエコノミストは、「円高圧力が高まり、株価が下落している 中で、景気の先行きに対する懸念が高まっている。日銀の政策対応へ の期待感が高まっており、債券買いが入っている」と説明した。

超長期債も買われた。新発30年債利回りは一時4bp低い1.535% まで低下し、03年7月以来の低水準を付けた。新発20年債利回りも 一時1.515%と7年ぶり低水準を付けた。大和住銀投信の伊藤氏は、 「年金基金が月末に向けた保有債券の年限長期化で、利回り低下余地 がある超長期債を買っているようだ」と語った。

利回り曲線が平たん化していることに関して、日興コーディアル 証券の山田聡チーフクオンツアナリストは、前日の20年債入札結果を 受けて品薄感から需給が締まっていることや、欧米市場で長期・超長 期債利回りが低下したことを理由に挙げた。

前日の米国市場動向が買い材料となった。24日の米国債相場は上 昇。2年債利回りは過去最低を更新したほか、10年債利回りは09年 3月以来初めて2.5%を下回った。7月の米中古住宅販売件数が大幅 に減少し、景気が低迷しているとの懸念が広がった。一方、米株式相 場は下落し、S&P500種株価指数は7週間ぶり安値を付けた。

JPモルガン証券の北野一チーフストラテジストは、7月の中古 住宅販売件数が市場予想を下回ったことを受けて、「米国経済が回復の 勢いを失い、踊り場入りする懸念を再確認した」と言う。

追加緩和観測

日銀による追加緩和観測の強まりが債券相場の支えとなった。25 日付の日本経済新聞は、急激な円高・株安を受け、日銀は追加的な金 融緩和策の検討に入ったと伝えた。

クレディ・スイス証券の河野研郎債券調査部長は、「短期的に見れ ば、為替介入の可能性は高まってきており、それに伴う一層の資金供 給の可能性は強くなってきている」と指摘し、政策発動を催促する相 場が続いているとの見方を示した。

野田佳彦財務相は25日、円が対ドルで一時83円台と15年ぶりの 高値を付けたことを受け、「一方向に偏った動きだという基本認識だ」 とした上で、「為替の動きは重大な関心を持って極めて注意深く見守り たいが、必要な時には適切な対応を取らなければならない」と発言し た。日銀が臨時会合を開催し、追加緩和策を検討するとの観測に対し ては、「日銀と緊密に連絡取りながら対応していきたい」と述べた。

一方、東京先物市場で中心限月9月物は続伸。前日比21銭高の 143円13銭で開始して、中心限月ベースで03年6月以来の高値を付 けた。午前10時前後には143円14銭まで上昇し、朝方に付けた7年 2カ月ぶりの高値を更新。午後に入ると9銭高まで上げ幅を縮めたも のの、結局は14銭高の143円6銭で終了した。

2年債入札、クーポン0.1%か

財務省はあす26日、2年利付国債(9月債)価格競争入札を実施 する。表面利率(クーポン)は前回入札の295回債より0.1ポイント 低い0.1%が予想されている。発行額は前回債と同じ2兆6000億円程 度。

日興コーディアル証の山田氏は、「クーポンは0.1%だろう。入札 を控え、2年債には調整売りが出た。政策金利を予想するオーバーナ イト・インックス・スワップ(OIS)金利が低下しており、2年債 に割高感はない」と分析し、無難な結果を予想している。新発2年債 利回りは0.5bp高い0.12%で推移している。

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