アイルランド長期信用格付けを「AA-」に引き下げ-S&P

米格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)は、アイルランドの長期ソブリン信用格付け を「AA」から「AA-」に1段階引き下げた。経営難の銀行に対す る支援コスト増大への懸念を格下げの理由に挙げた。

S&Pは銀行システムへの公的資金注入見通しを最大500億ユ ーロ(約5兆3000億円)と、従来の最大350億ユーロから引き上げ た。ブルームバーグのデータによると、AA-の格付けは1995年以 来最低の水準。

S&Pは24日の発表文で「銀行セクター支援のための財政コス トがさらに増加したり、他の経済状況の悪化で中期的な財政目標を達 成する政府の能力が低下した場合に、一段の格下げがあり得る」と説 明した。

アイルランドは10年に及ぶ住宅ブームが終息し、金融システム が破たんに近い状況に陥ったことに伴い、過去最悪のリセッション(景 気後退)に見舞われた。カウエン首相は、不良債権増加を背景に昨年 国有化されたアングロ・アイリッシュ銀行の救済コストを同国が負担 できると投資家を説得しようとしている。

ピーターソン国際経済研究所の研究員、ヤコブ・キルケゴール氏 はインタビューで「アイルランドは長期間にわたって非常に高い利回 りを支払うことになる」と指摘。「同国にとって不運だったのは深刻な 住宅不況に加え、銀行の規制が不十分だった」ことなどだと述べた。

アイルランドの債務管理当局は発表文で、S&Pの分析には「欠 陥がある」とし、同社の判断は銀行の資本増強ニーズに関する「極端 な」見通しに基づいたものだと批判した。また、同国は2011年4- 6月(第2四半期)にかけて十分な資金を確保していると述べた。財 務省報道官は、財政赤字を欧州連合(EU)が定める国内総生産(G DP)比3%以下の基準内に14年末までに抑える計画に変更はない と説明した。

S&Pは、新たな見通しではアイルランドの12年の一般政府債 務はネットベースでGDP比113%に向かって拡大すると指摘。これ は、ユーロ圏でベルギー(98%)やスペイン(65%)など格付けが同 様の国の債務負担を「大幅に上回る」水準だとしている。

参考画面: 翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先: 東京 山口裕子 Yuko Yamaguchi +81-3-3201-8984 yuyamaguchi@bloomberg.net

Editor:Eiji Toshi、Masami Kakuta、Keiko Kambara 麗英二 Eiji Toshi +81-3-3201-2421 etoshi@bloomberg.net 記事についての記者への問い合わせ先: Dara Doyle at +353-1-523-9521 or ddoyle1@bloomberg.net; John Fraher at +44-20-7673-2058 or jfraher@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: Alan Goldstein at +1-212-617-6186 or agoldstein5@bloomberg.net

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE