ハーバードを追撃-エールやMITの経営大学院が競う豪華キャンパス

世界最高を目指す米エール大学経 営大学院では、学生と教授は19世紀に建てられた校舎や迷路のような 地下室に詰め込まれ、設備はライバルのハーバード大学に遠く及ば ない。ハーバード経営大学院の川沿いのキャンパスには33階建てのビ ルがそびえ建ち、礼拝堂やスポーツジムが完備されている。

この差を縮めようと、エール大学は1億8000万ドル(約150億円) を投じてスイス再保険のロンドン本社ビルを建てたノーマン・フォス ター卿設計の新校舎を計画している。2013年完成予定の新校舎でライ バル校を追撃できると、シャロン・オスター学部長は語る。「他校が豪 華なビルに入っているのに、われわれがおんぼろ校舎にいるわけには いかない」と述べた。

有名経営大学院は優秀な学生と教授を獲得し、雑誌でのランキン グを上げようと、キャンパスの拡大と設備の充実を競う「軍拡競争」 を繰り広げていると、エール大のマシュー・シュピーゲル教授(金融 学)は話す。広いキャンパスは教授陣にゆとりのあるオフィススペー スを与えるとともに、収益性の高い社会人向けプログラム用の教室も 増やせる。授業料や寮費など合計で年間8万ドルも支払う学生を、よ り多く受け入れることもできる。

経営大学院は今、こぞって著名建築家を起用し、学生のための会 議室から自然食品の料理を出すカフェテリア、スポーツジムなども備 えたガラス張りの建物を構築している。

将来の寄付

ミシガン大学のロス経営大学院のロバート・ドーラン学部長は、 在学中を「心地よく過ごして良い印象を抱けば、いつか寄付という形 で帰ってくる可能性も高まる」と述べた。同校は2009年に2万5084 平方メートル、工費1億4500万ドルの校舎を完成させた。

ペンシルベニア大学ウォートン校が02年に豪華校舎を完成させ たのをきっかけに、シカゴ大学やミシガン大学がこれに追随。マサチ ューセッツ工科大学(MIT)スローン経営大学院の新校舎は今年、 スタンフォード大学大学院は来年に完成する。

ハーバード大学経営大学院の校舎は同大学の他の学部とチャール ズ川を隔て対岸に建つ。一番古い建物は1927年に建てられたが、新築 部分にはガラスとコンクリートの礼拝堂や、コイが泳ぐ池、賓客400 人を迎えられる宿泊施設、バスケットボールのコート3面を備えたス ポーツ施設やロバート・A・M・スターン氏設計の学生会館がある。

シカゴ大学経営大学院のステーシー・コール副学部長によると、 同経営学院のランキング上昇も寄与したものの、学校の宣伝に新設校 舎を使ったところ、その年の応募者数は一気に前年比30%も増加した。

卒業生は富裕層

経営大学院の外見は学校選択に当たって最も重要な要素ではない が、「施設面は考慮するし、どの学校に行けば最新テクノロジーを利用 できるかどうかも考慮する」。ロサンゼルスからニューヨークのコロン ビア経営大学院、ニューヨーク大学スターン経営大学院、ジョージタ ウン大マクドナー経営大学院を受験することを考えているアシル・ア ンさん(26)はこう指摘する。

全米の大学が寄付金減少の影響で施設建設を削減する一方で、経 営大学院は建設を手控える傾向とは無縁。高等教育を研究するコーネ ル大学のロナルド・エーレンバーグ教授(経済学)はその理由として、 経営大学院の資金調達力を挙げる。

同教授は「ビジネススクールやロースクールの卒業生は最富裕層 に属するケースが多い」と述べ、「校舎建設資金を集めることは容易だ」 と指摘した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE