8月24日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場:円急伸、一時対ドル83円台-米住宅指標悪化で

ニューヨーク外国為替市場では、円が対ドルで15年ぶりの高値に まで上昇。ドルは対ユーロで下げに転じた。7月の米中古住宅販売件数 が落ち込み、景気減速懸念が強まったため、ドル売りが膨らんだ。

菅直人首相が日本時間24日に記者団に対し、「為替の急激な変 動というのは好ましくない」と発言したものの、円買いの流れは変わ らず、円は対ユーロで2001年以来の高値をつけた。米住宅統計を受 け、米連邦準備制度理事会(FRB)が追加の金融緩和に動くとの観 測からドルはユーロに対して軟化した。スイス・フランは対ユーロで 最高値を更新。ニュージーランド(NZ)ドルは円に対して下落した。

HSBCホールディングスの通貨戦略責任者、ロバート・リンチ 氏(ニューヨーク在勤)は、「将来の成長に対するリスクに市場の注 目がかなり集まっており、このようなデータはそうした憶測や懸念を 強めるばかりだ」と発言。「最終的にどの通貨よりも円への強気な見 方が勝るだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時29分現在、円は対ドルで前日比

1.3%上昇し、1ドル=84円8銭(同85円16銭)。一時は1995 年6月以来の高値となる83円60銭をつけた。円は対ユーロでは

1.2%高の1ユーロ=106円51銭(前日は107円79銭)。一時は 105円44銭と2001年7月以来の高値まで上昇した。ドルはユーロ に対し、1ユーロ=1.2670ドルと、前日の1.2657ドルから

0.1%下げた。7月13日以来の高値1.2588ドルをつける場面もあ った。

NZドルは対円で13カ月ぶり安値まで下げた。米住宅指標を受 け、世界経済の成長に関連した通貨が売られ、逃避先とみなされる通 貨が買われた。一時は1NZドル=58円66銭と、09年7月以来の 安値水準となった。

スイス・フランは対ユーロで1ユーロ=1.3049フランまで上昇。 7月1日につけたこれまでの最高値1.3074フランを上回った。UB Sの為替戦略責任者、マンスール・モヒウディン氏(シンガポール在 勤)は、世界的に景気足踏み状態になっている兆候があり、逃避先と みなされる資産の需要が高まっていると指摘。スイス・フランは対ユ ーロで1.28フランまで上昇する可能性があるとの見方を示した。

米中古住宅販売

全米不動産業者協会(NAR)が発表した7月の中古住宅販売件 数(季節調整済み、年換算)は前月比27%減と、ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値の倍以上の減少率 となった。

チーフ・テクニカルアナリスト、トム・フィッツパトリック氏 (ニューヨーク在勤)率いるシティグループのアナリストは顧客向け リポートで、「住宅指標に対する市場の反応は量的緩和への不安が広 がることを示唆している」と記述した。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニア 為替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は、「どこから見 てもひどい統計だ。住宅指標が予想より弱かっただけでなく、ホワイ トハウスや議会への要望を強める内容だ」と話した。

同氏はさらに、8月末まで動きが荒い状態が続き、ドルは83円 50銭-86円50銭のレンジで推移すると予想した。

「成功の保証はない」

日経テレコンは、日本銀行が追加的な金融緩和策の検討に入った と報じた。急激な円高や株安を受けたものとしている。金融市場への 資金供給の拡充が有力で、市場の動向次第では、来月6-7日の金融 政策決定会合を待たずに、臨時会合で対応を協議する案も出ていると いう。

TDセキュリティーズのチーフ通貨ストラテジスト、ショーン・ オズボーン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、 「日本当局が介入を選択した場合、それは非常に高くつき、長い戦い になるだろう。そして最終的に成功するとの保証はない」と語った。 さらに、円は対ドルで80円を試す可能性があり、その水準を超えた 円高となれば、介入の可能性が高まるとの見方を示した。

◎米国株式市場:S&P500が7週ぶり安値、住宅販売の急減で

米株式相場は下落。S&P500種株価指数は7週間ぶり安値を付 けた。米中古住宅販売が急激に落ち込んだことで、景気回復の持続性に 対する懸念が強まった。

ダウ工業株30種平均では、ボーイングやアルコア、キャタピラ ーが安い。3PARに対する買収条件を引き上げる用意があると報 じられたデルも下落。ファイザーは、抗がん剤「スーテント」を使 用した肺がん患者の生存期間に改善が見られなかったとの発表が嫌 気され、売られた。

S&P500種株価指数は前日比1.5%安の1051.87。ダウ工 業株30種平均は133.96ドル(1.3%)下落し10040.45ドル。 一時は9991ドルまで下げる場面もあった。

キー・プライベート・バンク(オハイオ州クリーブランド)の チーフ投資ストラテジスト、ブルース・マケイン氏は「中古住宅販 売統計が大きなショックを与えた」と指摘。「住宅市場は脆弱(ぜい じゃく)さの兆しが至る所に現れていたのだから、この日の中古住 宅販売の数字は予想しておくべきだった。税控除措置がかなりの需 要を先食いしたことは分かっていた。ただ実際数字が活字になって 目に入ってくると、常にショックを覚えるものだ」と述べた。

中古住宅販売

全米不動産業者協会(NAR)が発表した7月の中古住宅販売件 数 (季節調整済み、年換算、以下同じ)は前月比27%減の383 万戸と、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査の予 想中央値465万戸を大きく下回った。

パソコン(PC)メーカーのデルは3%安の11.59ドル。事情 に詳しい関係者は、データ保管技術を提供する米3PARに対してデル が買収条件を引き上げる用意があることを明らかにした。米PCメ ーカー、ヒューレット・パッカード(HP)が3PARに16億ドル の買収案を提示したことを受けた措置。

ブルームバーグのデータによれば、世界全体で今年これまでに発 表されたM&A(企業の合併・買収)の規模は合計1兆3000億ド ルで、昨年を23%上回っている。

「明るい材料」

1995年から2003年までニューヨーク証券取引所の最高経営 責任者(CEO)を務めたリチャード・グラッソー氏は、ブルームバ ーグテレビジョンのインタビューで、「レーバーデー(9月6日)の ころには明るい材料も出てくると思う」とした上で、「企業は記録的 な規模の現金を保有しており、的を絞った戦略的な買収やプライベー トエクイティ(PE)投資会社による買収提案が見られるようになるだ ろう」と語った。

ファイザーは1.7%安の15.82ドル。スーテントを使用した 肺がん治療の試験では、全般的に患者の生存期間を改善することがで きなかった。

心臓用電子装置メーカーのメドトロニックなどヘルスケア株も安 い。S&P500種のヘルスケア株指数は構成する主要10業種中で 2番目に大きな下げとなった。メドトロニックは11%安の31.21 ドル。同社は2011年度(11年4月終了)の1株当たり利益の見通 しを3.45-3.53ドルと、従来予想の3.54-3.64ドルから引き 下げた。

◎米国債市場:上昇、2年債利回り過去最低-住宅販売が急減

米国債相場は上昇。2年債利回りは過去最低を更新、10年債利回 りは2009年3月以来初めて2.5%を下回った。朝方発表された7月 の米中古住宅販売件数が大幅に減少し、景気が低迷しているとの懸念が 広がった。

2年債利回りとフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の格 差は、2008年12月以来で最小となった。財務省が午後に入り実施 した2年債の入札(370億ドル)では落札利回りが過去最低だった。 不透明感からの逃避先として米国債の需要が高まった。

プライマリーディーラー18社の一角である野村ホールディン グスの金利戦略責任者、ジョージ・ゴンキャルべス氏は、「より高い 利回りを確保しようとしていた投資家の間で諦めが広がっている」 と指摘、「投資家は利回りがさらに低下する可能性があるとみて、今 のうちに利回りを確定しようと動いている」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時9分現在、10年債利回りは10bp低下の2.50%。10 年債価格(表面利率2.625%、2020年8月償還)は7/8上げて 101 3/32だった。

2年債利回りは1bp下げて0.47%。一時、過去最低の

0.4542%を記録した。30年債利回りは11bp下げて3.57%。 2009年4月以来低水準の3.54%まで下げる場面もあった。

30年債リターン

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによ ると、30 年債の投資リターンは今月5.70%。6月は5.74%だっ た。30年債利回りの相対力指数(RSI)は30を下回り、30年債 の上昇持続が難しい可能性を示唆している。

2年債に対する30年債の上乗せ利回りは、約3.14ポイントと、 2009年10月以来の最小まで縮小した。景気が低迷するとの懸念が 背景だ。2年債と1カ月物Tビル(財務省短期証券)との利回り格 差は2008年4月以来の最小だった。

米財務省が実施した2年債入札の結果によると、最高落札利回 りは0.498%。投資家の需要を測る指標の応札倍率は3.12倍と、 過去10回の平均値3.19倍を下回った。

ジェフリーズの米国債トレーダー、サラ・ソーベック氏(ニュ ーヨーク在勤)は、「この利回り水準では、2年債に投資家の関心を 集めるのは難しい」と述べた。

財務省が前日実施した30年物インフレ連動債(TIPS)の入 札(発行額70億ドル)の結果によると、最高落札利回りは1.768%、 1998年の30 年TIPS入札開始以来で最低だった。応札倍率は過 去最高の2.78倍。

25日には5年債(360億ドル)、さらに26日には7年債 (290億ドル)の入札が予定されている。

中古住宅統計

全米不動産業者協会(NAR)が発表した7月の中古住宅販売 件数(季節調整済み、年換算、以下同じ)は前月比27%減。ブルー ムバーグがまとめたエコノミスト予想中央値では13.4%の減少だ った。米国債はこの統計に反応し、買いが膨らんだ。

RWプレスプリッチの政府・機関債トレーディング担当マネジ ングディレクター、ラリー・ミルスタイン氏は、「住宅統計は非常に 悪く、極端に弱い内容だった。不安定な米国経済を考えると、明ら かに懸念材料だ」と話し、「今の懸念は、金融当局が償還資金の再投 資以外に何か手を打つ必要があるのかどうかだ」と説明した。

連邦公開市場委員会(FOMC)は今月10日に発表した声明で、 景気回復を支援するためFRBが保有する証券を一定に保つと表明 した。バーナンキFRB議長は27日、ワイオミング州ジャクソンホ ールでの会議で景気見通しについて議論する。

◎金先物市場:上昇、株安で安全への逃避買い-終値1233.40ドル

ニューヨーク金先物相場は上昇。株価下落を背景に一部の投資 資金が安全への逃避先として金へ向かったことで、4週間ぶり大幅 安から上げに転じた。

米国の景気回復が減速するとの見方から、S&P500 種株価指 数は月間ベースで4カ月連続マイナス。この日発表された7月の米 中古住宅販売は予想以上に落ち込んだ一方、同在庫は増加した。

ラサール・フューチャーズ・グループのトレーダー、マシュー・ ジーマン氏(シカゴ在勤)は「市場は再び不安の真っただ中にある」 と指摘。「投資家はこぞって株式市場から資金を引き揚げ、安全な投 資先とされる金への投資時期をうかがっている」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先 物相場12月限は前日比4.90ドル(0.4%)高の1オンス=

1233.40ドルで取引を終了。朝方の取引では1.4%安と、日中取引 としては7月27日以来の大幅安となる場面もあった。

◎原油先物市場:7週間ぶり安値、米住宅統計を嫌気-71.63ドル

ニューヨークの原油先物相場は7週間ぶりの安値に下落。米中 古住宅販売が予想以上の落ち込みとなったことで、経済成長が減速 し燃料需要が弱まりつつあるとの見方が強まった。

原油は一時2.3%安。全米不動産業者協会(NAR)が発表し た7月の中古住宅販売件数(年換算)は前月比27%減の383万戸。 これを嫌気して米国株が下げたことが原油売りの背景となった。ブ ルームバーグ・ニュースの調査によると、米エネルギー省が25日に 発表する先週の原油在庫は増加したもようだ。

コンフルエンス・インベストメント・マネジメント(セントル イス)のチーフ市場ストラテジスト、ビル・オグレイディ氏は、「米 経済には景気減速を示唆する典型的な兆候がすべて表れている」と 述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前 日比1.47ドル(2.01%)安の1バレル=71.63ドルで取引を終了。 一時は71.45ドルと、7月7日以来の安値を付ける場面もあった。 今月3日からの下落率は13%。過去1年間では3.7%値下がりして いる。

◎欧州株式市場:1カ月ぶり安値、米住宅統計を嫌気-リオ安い

欧州株式相場は1カ月ぶりの安値に下落。米中古住宅販売の落 ち込みで米景気減速が裏付けられ、建設株や資源株を中心に売りが 優勢となった。

英・オーストラリア系鉱山会社、リオ・ティントは4.3%安。 建設資材メーカー2位、アイルランドのCRHは利益目標を下方修 正したため、17%の大幅安となった。セメントメーカー最大手、フ ランスのラファルジュは4.4%安。バンク・オブ・アメリカ(BO A)メリルリンチのグローバル・リサーチ部門が同銘柄の投資判断 を引き下げたことを手掛かりに売られた。

ストックス欧州600指数は前日比1.7%安の249.45と、7月 21日以来の安値で取引を終了。先週は、米新規失業保険申請が9カ 月ぶりの高水準となったほか、米フィラデルフィア連銀景況指数が 低下したことで米景気回復の足踏み兆候が強まり、欧米株がともに 低迷した。

ウニクレディト・リサーチの上級株式ストラテジスト、タモ・ グリートフェルド氏(ミュンヘン在勤)は「最近の米統計が弱い上、 欧州経済の成長がピークを過ぎたことが一段と鮮明になっており、 株式投資家はより慎重になっている」と指摘。「CRHなど企業の発 表もこれを裏付けている。ユーロ・ストックス50種株価指数は2010 年後半に年初来安値を更新すると当社はみている」と続けた。

カナダ紙、グローブ・アンド・メールによると、カナダの肥料 メーカー、ポタシュは、BHPビリトンによる390億ドルの買収提 案を拒否した後、中国勢を含めた国際企業と交渉しており、リオ・ ティントも買収提案を検討しているという。一方、ブラジルのヴァ ーレは交渉から撤退したもようだ。

◎欧州債券市場:ドイツ国債利回りが過去最低

欧州債市場ではドイツ10年債と30年債の利回りが過去最低を 記録した。株安で逃避需要が強まった。またノーベル経済学賞受賞 者のジョゼフ・スティグリッツ氏は、欧州各国が歳出削減を進める 中、域内経済がリセッション(景気後退)に逆戻りするリスクがあ るとの見解を示した。

金融市場は世界的に国債が買われる展開となった。米2年債利 回りが過去最低まで下げたほか、英国の2年債と10年債の利回りも これまでの最低となった。一方、欧州の周縁国の国債相場は伸び悩 み、ドイツ国債に対する上乗せ利回りが拡大。アイルランド10年債 と独10年債のスプレッド(利回り格差)は過去最大に広がった。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)がこの日発表した 6月のユーロ圏鉱工業新規受注指数は前月比2.5%上昇と、前月か ら伸びが鈍化した。

コメルツ銀行の債券ストラテジスト、デービッド・シュノーツ 氏(ロンドン在勤)は、「ドイツ国債市場での非常に力強い勢いは健 在だ」と述べ、「この日は利回りの過去最低記録を阻止するような材 料は一切ない」と語った。

ロンドン時間午後3時52分現在、独10年債利回りは前日比10 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.19%。同国 債(表面利率2.25%、2020年9月償還)価格は0.90ポイント上 げ100.58。独30年債利回りは12bp低下の2.79%となった。

アイルランド国債のスプレッド

アイルランド10年債利回りと同年限のドイツ国債とのスプレ ッドは316bpに拡大し、ブルームバーグがデータ集計を開始した 1991年以降の最大となった。これまでの最大は、EUと国際通貨基 金(IMF)が最大7500億ユーロ規模のユーロ圏支援基金をまと めた5月8日の前日に付けたものだった。

◎英国債市場:上昇、利回りは過去最低を記録

英国債相場は上昇。2年債と10年債の利回りはいずれも過去最 低を記録した。株安を受け、比較的安全な資産とされる国債の需要 が高まった。

イングランド銀行(英中央銀行)金融政策委員会(MPC)メ ンバーのマーティン・ウィール委員は、英紙タイムズとのインタビ ューで、英景気が二番底に陥る「現実的なリスクがある」と語った。 英国銀行協会(BBA)がこの日発表した7月の住宅ローン承認件 数は、エコノミスト予想以上に悪化した。

10年債利回りは前日比10ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)低下の2.88%。一時は少なくとも1989年以来の最低と なる2.85%まで下げた。2年債利回りは5bp下げ0.59%。一時 は0.56%まで低下し、ブルームバーグがデータ集計を開始した92 年以来の最低を付けた。

英株式の指標であるFT100種指数はこの日、1.5%下落した。 過去5営業日で4回目の下げ。ストックス欧州600指数は1.7%安。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor:Tsuneo Yamahiro、Shigeru Chiba, Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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