NY外為:円急伸、一時対ドル83円台-米住宅指標悪化で

ニューヨーク外国為替市場では、 円が対ドルで15年ぶりの高値にまで上昇。ドルは対ユーロで下げに 転じた。7月の米中古住宅販売件数が落ち込み、景気減速懸念が強ま ったため、ドル売りが膨らんだ。

菅直人首相が日本時間24日に記者団に対し、「為替の急激な変 動というのは好ましくない」と発言したものの、円買いの流れは変わ らず、円は対ユーロで2001年以来の高値をつけた。米住宅統計を受 け、米連邦準備制度理事会(FRB)が追加の金融緩和に動くとの観 測からドルはユーロに対して軟化した。スイス・フランは対ユーロで 最高値を更新。ニュージーランド(NZ)ドルは円に対して下落した。

HSBCホールディングスの通貨戦略責任者、ロバート・リンチ 氏(ニューヨーク在勤)は、「将来の成長に対するリスクに市場の注 目がかなり集まっており、このようなデータはそうした憶測や懸念を 強めるばかりだ」と発言。「最終的にどの通貨よりも円への強気な見 方が勝るだろう」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時29分現在、円は対ドルで前日比

1.3%上昇し、1ドル=84円8銭(同85円16銭)。一時は1995 年6月以来の高値となる83円60銭をつけた。円は対ユーロでは

1.2%高の1ユーロ=106円51銭(前日は107円79銭)。一時は 105円44銭と2001年7月以来の高値まで上昇した。ドルはユーロ に対し、1ユーロ=1.2670ドルと、前日の1.2657ドルから0.1% 下げた。7月13日以来の高値1.2588ドルをつける場面もあった。

NZドルは対円で13カ月ぶり安値まで下げた。米住宅指標を受 け、世界経済の成長に関連した通貨が売られ、逃避先とみなされる通 貨が買われた。一時は1NZドル=58円66銭と、09年7月以来の 安値水準となった。

スイス・フランは対ユーロで1ユーロ=1.3049フランまで上昇。 7月1日につけたこれまでの最高値1.3074フランを上回った。UB Sの為替戦略責任者、マンスール・モヒウディン氏(シンガポール在 勤)は、世界的に景気足踏み状態になっている兆候があり、逃避先と みなされる資産の需要が高まっていると指摘。スイス・フランは対ユ ーロで1.28フランまで上昇する可能性があるとの見方を示した。

米中古住宅販売

全米不動産業者協会(NAR)が発表した7月の中古住宅販売件 数(季節調整済み、年換算)は前月比27%減と、ブルームバーグ・ ニュースがまとめたエコノミスト調査の予想中央値の倍以上の減少率 となった。

チーフ・テクニカルアナリスト、トム・フィッツパトリック氏 (ニューヨーク在勤)率いるシティグループのアナリストは顧客向け リポートで、「住宅指標に対する市場の反応は量的緩和への不安が広 がることを示唆している」と記述した。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロン(BNYメロン)のシニア 為替ストラテジスト、マイケル・ウールフォーク氏は、「どこから見 てもひどい統計だ。住宅指標が予想より弱かっただけでなく、ホワイ トハウスや議会への要望を強める内容だ」と話した。

同氏はさらに、8月末まで動きが荒い状態が続き、ドルは83円 50銭-86円50銭のレンジで推移すると予想した。

「成功の保証はない」

日経テレコンは、日本銀行が追加的な金融緩和策の検討に入った と報じた。急激な円高や株安を受けたものとしている。金融市場への 資金供給の拡充が有力で、市場の動向次第では、来月6-7日の金融 政策決定会合を待たずに、臨時会合で対応を協議する案も出ていると いう。

TDセキュリティーズのチーフ通貨ストラテジスト、ショーン・ オズボーン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、 「日本当局が介入を選択した場合、それは非常に高くつき、長い戦い になるだろう。そして最終的に成功するとの保証はない」と語った。 さらに、円は対ドルで80円を試す可能性があり、その水準を超えた 円高となれば、介入の可能性が高まるとの見方を示した。

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