債券反発、円高や株安進展リスクで買い-20年債入札通過で安心感も

債券相場は反発。米国の景気懸念 を手掛かりに前日には米金利が低下したほか、日米の株安や為替市場 で一段の円高進展リスクが強まっていることが買い材料視された。20 年利付国債の入札結果を無難に通過したことも午後の市場で買い安心 感をもたらした。

トヨタアセットマネジメントの深代潤チーフファンドマネジャー は、20年債入札では金利水準が低いとされながらも需要が集まり、市 場ではあらためて好需給が意識されたと言い、「為替市場がなお円高余 地を探る中でもう一段の金利低下も視野に入っている」と話した。

東京先物市場の中心限月9月物は前日比14銭高い142円97銭で 始まった。開始後にこの日の高値143円00銭まで上昇したが、しばら くは20年債入札を控えて142円90銭台で小動きとなった。午後の入 札結果発表後に一時は142円87銭まで上昇幅を縮めたが、直後に買い 直されており、結局は9銭高の142円92銭で取引を終えた。

23日の米国市場では景気回復が停滞しているとの見方が広がり、 小幅ながら債券高、株安の展開となったことがこの日の円債相場を支 えた。

米国株相場の下落や為替市場でのドル安・円高を手掛かりに、日 経平均株価が1年3カ月ぶりに9000円台を下回ったことも国内債市 場の買い材料となった。JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券スト ラテジストは、日経平均株価の9000円や為替の1ドル=85円といっ た節目に差し掛かり、一段の株安、円高局面では景気への懸念を強め ざるを得ない点で債券相場には追い風だと指摘した。

20年債入札は無難な結果

さらに、20年債入札が無難な結果になったことも、午後の債券市 場における安心感を強めた。みずほ証券の野地慎シニアマーケットア ナリストは、20年債には午前に前倒し的な買いが入っており、入札で は強めの水準でも需要が入るなど好需給が再確認されたと指摘した。

20年物の120回債(8月発行)の入札結果は、最低落札価格が100 円70銭、平均落札価格は100円78銭だった。最低価格は市場予想の 100円65銭を上回ったが、最低と平均価格の差であるテールは前回債 の5銭から8銭に拡大。応札倍率は4.46倍から2.86倍に低下した。

損保ジャパン・アセットマネジメントの平松伸仁シニアインベス トメントマネジャーは、20年債の入札結果では最低価格が事前の市場 予想を上回ったことから、利回り水準が少しでも高い年限を買って、 キャリー(金利収入)収益を上げる姿勢がうかがえたとの見方を示し た。

10年債利回りは0.92%

現物市場で新発10年物の309回債利回りは前日比1ベーシスポイ ント(bp)低い0.925%で始まり、いったんは0.93%まで低下幅を縮 めた。しかし、午前の取引終盤には1.5bp低下の0.92%を付け、午後 に入ると0.92-0.925%での推移が続いている。

309回債利回りは18日午後遅くには一時0.90%まで買い進まれ、 新発10年債として7年ぶり低水準を更新した。その後は0.9%台前半 から半ばで一進一退の推移が続いているが、市場では引き続き金利低 下基調に変化はないといった見方が根強い。

トヨタアセットマネジメントの深代氏は、債券市場は今後も為替 相場に依存した展開だと予想。その上で、米国経済の二番底懸念が払 しょくされる、あるいはドル資産からの資金逃避が懸念されるといっ た事態に追い込まれない限り、ドル安・円高基調が転換するとは考え にくく、そうであれば国内債市場も金利じり安が続くとの見方を示し た。

米中古住宅販売に注目

東京時間の今晩に米国で7月の中古住宅販売件数が発表される。 米国の住宅市場の低迷は市場ですでに意識されているものの、販売件 数が予想以上に落ち込めば材料視される可能性がある。みずほ証の野 地氏は指標悪化の場合は米国の金利低下やドル安・円高を通じて、あ すの国内債市場でも金利低下要因となりうるとみている。

ブルームバーグ・ニュースが実施した調査によると、7月の米中 古住宅販売件数は前月比13.4%減の465万戸(年率換算)が見込まれ ている。予想通りであれば3カ月連続の減少となり、2009年3月以来 の低い水準に落ち込むことになる。

米国で再び金利低下や円高が進むと、国内債市場では10年債利回 りの0.8%台が視野に入る。JPモルガン証の山脇氏は、ここしばら く10年債は材料が出ると金利水準を切り下げ、その後しばらく足踏み した後に買い進まれるパターンが続いていると言い、「先週から0.9% 台前半でいったんもみ合った後だけに、新たな買い材料が出てくれば

0.8%台に水準をシフトしてもおかしくない」と話した。

--取材協力:菅野顕一郎 Editors:Hidenori Yamanaka, Joji Mochida

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