8月23日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、 商品相場は次の通り。

◎外国為替市場:円とドルが上昇-景気減速懸念でリスク回避

ニューヨーク外国為替市場では、円が主要16通貨すべてに対して 上昇。ドルもほとんどの通貨に対して上げた。世界的に景気が減速して いる兆候が出ており、逃避先としての需要が高まった。

ドルはユーロに対してほぼ6週間ぶりの高値をつけた。米国の経 済指標が景気回復のペース鈍化を示すと予想されていることに加え、 ユーロ圏のサービス業と製造業を合わせた総合景気指数が低下したこ とが背景。円は対ユーロで一時、7週間ぶりの高値をつけた。菅直人 首相と日本銀行の白川方明総裁が電話で会談したが、円高を抑制する 計画を示さなかったことから円買いが入った。

トラベレックス・グローバル・ビジネス・ペイメンツの市場アナ リスト、ジョー・マニンボ氏は、「27日の米国内総生産(GDP) 改定値の発表を前に、リスク許容度を押し上げるような材料が出てく るとは考えにくい」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時11分現在、円は対ユーロで前週末比

0.8%高の1ユーロ=107円97銭(前週末は108円83銭)。一時 は107円71銭と7月1日以来の高値まで上昇した。対ドルでは

0.4%上昇し、1ドル=85円26銭(前週末は85円62銭)。ユー ロはドルに対して1ユーロ=1.2663ドルと、前週末から0.4%下げ た。一時は7月13日以来の安値となる1.2647ドルをつける場面も あった。

24日発表の7月の米中古住宅販売件数は前月比13.4%減が予 想されている。27日発表の第2四半期GDP改定値は前期比年率

1.4%増と、速報値(2.4%増)からの下方修正が見込まれている。

ユーロは近く反発か

マークイット・エコノミクスが発表した8月のユーロ圏総合景気 指数(速報値)は 56.1 と、前月の56.7から低下。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト14人を対象にした調査では

56.3 (中央値)が見込まれていた。

ユーロは対ドルで反発を示すテクニカル上重要な2つの水準に近 づきつつある。ユーロは6月7日につけた約4年ぶりの安値

1.1877ドルから8月6日につけた3カ月ぶり高値 1.3334ドルま での半値押しの水準に接近している。また、6月29日の安値から8 月の高値にかけた上昇局面の61.8%押しの水準にも近い。

BNPのニューヨーク在勤テクニカルアナリスト、アンドルー・ シャベリア氏は、「ユーロは6月から8月にかけての上昇局面の半値 押しの支持線と、7―8月の上昇局面のさらに重要な水準にかなり近 い」と指摘。「買いが入ると予想される支持線が2本ある」と述べた。

同氏はまた、1.2605ドル近辺にあるそれらの水準までユーロが 下落すれば、今月3%下げているユーロの下落局面は今週中に終わり、

1.29ドルに上昇する可能性があるとの見方を示した。

円上昇

仙谷由人官房長官は菅首相と白川総裁の会談では為替介入の話題 はまったく出なかったことを明らかにした。首相と総裁は為替動向を 含む経済金融情勢について意見交換した。

ブルームバーグ相関加重通貨指数によると、円は年初から14% 上昇し、先進国通貨の中で上昇率トップとなっている。円の上昇を受 け、日本当局が円高抑制のため為替介入を実施するのではないかとの 観測が高まっている。

日本は2004年3月以来、為替介入を実施していない。当時の対 ドルの円相場は約109円だった。

◎米国株式市場:3日続落、M&A活発化も景気懸念で売り

米株式相場は3営業日続落。S&P500種株価指数は5週間ぶり 安値となった。企業買収が今後も加速するとの観測がプラス材料になっ たものの、経済が再びリセッション(景気後退)に陥るとの懸念から売 りが優勢となった。

ダウ工業株30種平均では、キャタピラーやシスコシステムズが 安い。またパソコン大手ヒューレット・パッカード(HP)が下げた 一方、データセンター用の機器とソフトウエアを製造する3PARは 急伸した。HPは3PARに対し買収案を提示した。カナダの肥料 メーカー、ポタシュは6営業日続伸。より高額での買収提案を受ける との観測から買い進まれた。

S&P500種株価指数は前週末比0.4%安の1067.36。一時 は0.9%高まで上げる場面もあった。ダウ工業株30種平均は

39.21ドル(0.4%)下げて10174.41ドル。米証券取引所の騰 落比率は1対3。

ハンティントン・アセット・アドバイザーズ(シンシナティ)で 133億ドルの資産運用に携わるピーター・ソレンティーノ氏は、 「M&A(合併・買収)での企業の支払額が大き過ぎるのではとの懸 念は常に存在する」と指摘。「投資家はM&Aに対し一段と懐疑的に なっている」とし、「その上、マクロ経済の見通しについても依然多 くの懸念がある。マクロ経済に関して良いニュースが聞かれない状況 では、株を買いたいという強い確信を投資家からは感じられない」と 述べた。

景気懸念

S&P500は4月に付けた年初来高値から12%下落。企業の利 益の伸びは予想を上回っているものの、景気回復が低迷しているとの 懸念から下げ基調になっている。ブルームバーグのエコノミスト調査 によれば、今週発表される米経済指標では住宅販売の落ち込みや4- 6月期の国内総生産(GDP)の下方修正が見込まれている。

S&P500の構成銘柄の予想株価収益率(PER)は12.8倍 と、7月6日以来の低水準。

英・オーストラリア系鉱山会社BHPビリトンが先週ポタシュに 仕掛けた敵対的買収で、他社も買収提案を行うとの見方が広がった。 事情に詳しい関係者1人が明らかにしたところによれば、ポタシュに 中国の化学製品商社最大手、中国中化集団(シノケム)とブラジルの 資源会社ヴァーレが接触。ポタシュはBHPによる敵対的買収を回避 しようとしている。ニューヨーク市場でポタシュは0.4%高の

150.20ドルと、ほぼ2年ぶりの高値。

建設機器メーカー最大手のキャタピラーは2.9%安の66.84 ドル。ネットワーク機器最大手のシスコシステムズは2.5%下げて

21.68ドル。

アナダルコ

原油流出事故が発生した英BPのメキシコ湾油井権益を一部保有 するアナダルコ・ペトロリアムは3.5%安の47ドル。事故の被害 者への損害賠償支払いのために創設された200億ドル規模の基金を 管理するケネス・ファインバーグ氏は23日、被害者らがこの基金か ら最終的な賠償金の支払いを受ける場合、事故に関与した企業を提訴 する権利を放棄しなければならないかどうかについてはまだ決まって いないと語った。同氏はこの日、基金からの補償金支払いを開始する。

◎米国債市場:上昇、2年債利回り過去最低に接近-景気懸念

米国債相場は上昇。米景気回復が停滞しているとの懸念が背景だ。 2年債利回りは過去最低水準に3ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01ポイント)未満に迫った。24日には2年債入札(370億ドル) が実施される。

米経済が再びリセッション(景気後退)に逆戻りする恐れがあ るとの見方から、米株は下落した。これに反応して10年債が上げた。 午後に実施された30年物インフレ連動債の入札(70億ドル)は応 札倍率が過去最高だった。

ミラー・タバクの主任経済ストラテジスト、ダン・グリーンハ ウス氏は、「固定利付債なら何でも需要がある」と述べ、「最近はイ ンフレヘッジの有無にかかわらず、すべての国債入札が順調だ」と 続けた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後4時5分現在、10年債利回りは2bp低下の2.60%。10 年債価格(表面利率2.625%、2020年8月償還)は5/32上げて 100 1/4だった。

2年債利回りは1bp下げて0.49%。8月20日には過去最低 の0.4547%を付けた。

30年債TIPS

米財務省が実施した30年物インフレ連動債(TIPS)の入札 の結果によると、最高落札利回りは1.768%で、1998年の30年債 TIPS入札開始以来で最低だった。投資家の需要を測る指標の応 札倍率は2.78倍と、過去最高だった。 新発債は2月22日の30 年物TIPSと銘柄統合される。

外国中央銀行を含む間接入札は38.9%と、前回の42.4%から 低下した。直接入札は28%と前回の6.4%から大幅に拡大した。

30年物TIPSと同年限国債とのブレークイーブンレートは 20日に1.87 ポイントに縮小。2009年9月以来の最小だった。こ の日は3bp拡大して1.94ポイントだった。

バークレイズのマイケル・ポンド氏は「市場動向をみると、今 の減速ペースは2、3、4年間ではなく10年、20年あるいは30 年続くことが示唆される」と述べ、「超長期的インフレ期待値は短期 的なインフレ期待値とほぼ同水準に低下した。ブレークイーブンレ ートをみると、米連邦準備制度理事会(FRB)は近い将来にはこ の問題を解決できないことが示されている」と続けた。

財務省は24日に2年債入札を、25日には5年債(360億ドル) 入札を実施する。さらに26日には7年債(290億ドル)の入札が予 定されている。

バーナンキFRB議長は27日、ワイオミング州ジャクソンホー ルでの会議で景気見通しについて議論する。今月10日に発表された 連邦公開市場委員会(FOMC)声明では、「経済の回復ペースは当 面、これまで予想されていたよりも緩やかなものになる可能性が高 い」と記述した。

米経済成長率

商務省は27日に第2四半期の実質国内総生産(GDP)の改定 値を発表する。エコノミスト予想では1.4%増が見込まれている。 先月の速報値では2.4%増と発表された。

ソシエテ・ジェネラルの米国債トレーダー、ショーン・マーフ ィー氏は、「市場参加者は27日のバーナンキ議長のスピーチを控え て、米国債の保有を望んでいる。入札への需要は堅調だろう」と述 べた。

◎金先物市場:小安い、景気減速懸念が商品需要を圧迫

ニューヨーク金先物相場は小安い。景気減速で金などの商品の需要 が弱まるとの懸念が広がった。

商品19銘柄で構成するロイター・ジェフリーズCRB指数は年 初から6.2%下落。大恐慌以降で最悪のリセッション(景気後退) からの米景気回復が難航していることが背景にある。金は19日には オンス当たり1239.50ドルと7週間ぶりの高値を付けた。6月21 日に付けた過去最高値は約3%下回っている。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズのヘッドディ ーラー、フランク・マギー氏(シカゴ在勤)は、「景気減速を背景に 市場全体が軟調となっている」と指摘。「このような状況では何でも 売りたくなるが、投資家の不安感が強まれば金に再び買いが集まるだ ろう」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物 相場12月限は前営業日比30セント安の1オンス=1228.50ドルで 取引を終了。0.4%高から0.4%安のレンジを行き来し、方向感のな い展開となった。

◎原油先物市場:6週間ぶり安値、ドル上昇で需要減-73.10ドル

ニューヨークの原油先物相場は下落。ドルが対ユーロで上昇し、代 替投資先としての商品の魅力が後退したことで6週間ぶりの安値を付け た。株が朝方の上げを縮小したことも相場を圧迫した。

原油は4営業日続落。この日はドルの対ユーロ相場が7月13日 以来の高値を付けた。今週発表の米経済指標で景気足踏みが示される 可能性から、投資資金が比較的安全とされるドルに向かったことが背 景。

トラディション・エナジー(コネティカット州スタンフォード) のアナリスト兼ブローカー、ジーン・マクギリアン氏は、「米景気動 向が株やドルにどう影響を及ぼすかによって、原油の動きも決まる」 と指摘。「景気をめぐる不安が強まれば、相場は70ドルに近づくだ ろう」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物10月限は前 日比72セント(0.98%)安の1バレル=73.10ドルで取引を終了 した。一時は72.75ドルと、7月7日以来の安値を付ける場面もあ った。年初からは7.9%下げている。

◎欧州株式市場:4営業日ぶり上昇、オールド・ミューチュアル高い

欧州株式相場は4営業日ぶりに上昇。ストックス欧州600指数は 先週、週間ベースで7週間ぶりの大幅安となり、1カ月ぶりの低水準ま で下げていた。

保険事業でアフリカ最大の英オールド・ミューチュアルは

3.2%高。同社は傘下の銀行ネッドバンク・グループの持ち分70% を英HSBCホールディングスに売却する可能性があると明らかにし た。英・オーストラリア系鉱山会社、BHPビリトンとリオ・ティン トは上昇。週末のオーストラリア総選挙で、ギラード首相率いる労働 党が過半数議席を得られず、同政権が提案した資源税導入が白紙に戻 るとの期待が背景となった。

ストックス欧州600指数は前営業日比0.6%高の253.76と、 5月25日に付けた年初来の安値を9.3%上回る水準で取引を終了。 エンジニアリング欧州最大手のシーメンスや独自動車メーカー、ダイ ムラーといった企業が利益見通しを上方修正したほか、世界的な景気 回復足踏みへの懸念が緩和されたことが背景にある。同指数は年初か らはほぼ変わらず。これに対し、S&P500種株価指数は4%下落 している。

野村ホールディングスのストラテジスト、イアン・スコット氏 (ロンドン在勤)は顧客向けリポートで「他市場と比較した欧州株の 好調は今後も続くと当社は予想する」とし、「利益見通しの上方修 正が引き続き欧州市場にとりプラスとなる可能性が高い」と続けた。

リオ・ティントは0.6%高。BHPビリトンは0.5%上昇した。 保守連合を構成する最大野党・自由党のアボット党首は資源税導 入案の撤回を約束している。労働党、自由党のいずれも定数150議 席の下院で過半数を獲得していないため、新政権は今後の連立交渉の 行方次第となる。労働党案ならばBHPやリオなど鉱山会社の当初2 年の税負担は約105億豪ドル(約8000億円)。

◎欧州債券市場:独10年債利回り、過去最低から上昇

欧州債市場では、ドイツ10年債利回りが過去最低付近から上昇に 転じた。ユーロ圏のサービス業と製造業を合わせた経済活動が1年1カ 月連続で拡大したことが背景にある。

マークイット・エコノミクスが23日発表したユーロ圏の総合景 気指数は8月に56.1と、前月の56.7から低下。経済活動の拡大・ 縮小の分岐点を意味する50は上回った。ベルギー政府がこの日実施 した2013年、20年、22年償還の国債入札は好調だった。

BNPパリバ(ロンドン)のシニア債券ストラテジスト、パトリ ック・ジャック氏は、「ドイツ国債相場は過去4週間にわたり上昇し、 値固めの段階を迎えた」と述べた上で、「大きく売りを浴びることは ないと見込んでいる。週末に向かって好転するだろう」と続けた。

ロンドン時間午後4時23分現在、独10年債利回りは前週末比 2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.28%。同 国債(表面利率2.25%、2020年9月償還)価格は0.25ポイント 下げ99.615。独30年債利回りは1bp上げ2.91%となった。

ベルギー国債入札

ベルギーのベンチマーク債である10年債相場はいったん下げた 後、国債入札後に値を戻した。同利回りは2.95%で前週末からほぼ 変わらず。一時は3%まで上昇する場面もあった。

満期2013年の国債(表面利率4%)入札の応札倍率は3.39倍。 6月28日実施時は3.21倍だった。22年償還の国債(同4%)に ついては1.84倍。2月22日は1.72倍だった。20年償還の国債 (同3.75%)は1.84倍。先月26日の入札では1.85倍だった。

◎英国債市場:ほぼ変わらず、10年債利回りは2.98%

英国債市場で10年債利回りは2.98%と、前週末からほぼ変わら ずとなった。

2年債利回りも0.65%で横ばい。前週末には0.611%まで下げ、 ブルームバーグがデータ集計を開始した1992年以来の最低を付けた。

ブルームバーグと欧州証券アナリスト協会連合会(EFFAS) がまとめた指数によると、英国債の年初来のリターン(投資収益率) はプラス8.8%。これに対し、ドイツ国債はプラス9.2%、米国債 はプラス8.2%となっている。

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参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: ニューヨーク 森 茂生 Shigeki Mori +1-212-617-6107 smori1@bloomberg.net Editor :Tsuneo Yamahiro ニューヨーク 名子 知子 Tomoko Nago-Kern +1-212-617-2407 tnagokern@bloomberg.net Editor: Akiko Nishimae 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 okubo1@bloomberg.net

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