翌日物のレポ上昇、緩和期待で長め資金調達手控え-短中期債買い過熱

短期金融市場では翌日物のレポ (現金担保付債券貸借)金利が上昇している。日本銀行の追加緩和を期 待して短中期債の買いが過熱。その調達手段としては、金利低下を見込 んで長めの資金が手控えられ、翌日物に需要が集中しているためだ。

23日の東京レポレートは、当日受け渡しの翌日物が前週末比0.8 ベーシスポイント(bp)高い0.119%と、5月6日以来の高水準を記 録。実際の取引では0.13%以上の出合いも聞かれた。24日分(トムネ クスト物)や25日分(スポットネクスト物)の翌日物も0.12%に上 昇し、7月上旬以来の水準になった。

東短リサーチの寺田寿明研究員は、「万が一、利下げがあった場 合にも備えて、ターム(期日)物の資金調達を控えているようだ。先週 は5年以下の短中期債の買いが過熱していた影響もある」という。

市場では、政策金利0.1%で3カ月物の資金を20兆円供給してい る新型オペが30兆円まで増額されるとの見方がある。実質的な量的緩 和状態が予想され、無担保コール翌日物は誘導目標0.1%からの下振れ を許容せざるを得なくなるとみられている。準備預金の付利0.1%を

0.05%に下げるとの観測もあり、金融機関の間では当面の資金調達コ ストの確定を避ける傾向があるという。

実際、前週末に実施された新型オペ8000億円(8月24日-11 月12日)では、応札倍率が前回の5.21倍から4.81倍に低下し、昨 年12月の新型オペ導入以来の最低を記録。案分比率もオペ開始以来、 初めて20%を上回り、金融機関の応札意欲の減退を示している。

早期緩和期待と相場過熱

前週後半の市場では、日銀による臨時の金融政策決定会合開催の 憶測や、菅直人首相と白川方明日銀総裁による会談の思惑が浮上。新発 国庫短期証券(TB)3カ月物利回りが政策金利と同じ0.10%、新発 2年国債利回りも0.11%まで買われ、レポ金利を下回っている。

菅首相と白川総裁はこの日午前に約15分電話で会談し、為替動向 を含む経済金融情勢について意見を交換。両氏は政府・日銀の緊密な意 思疎通を取っていくことが極めて重要との認識で一致した。

東短リサーチの寺田氏は、「日銀は急を要していない。9月6、 7日の決定会合まで緩和はないだろう。日銀だけで緩和に動くのは論理 的に無理もある」という。日銀は今月10日の決定会合で、日本経済は 緩やかな回復を続けるとの見通しを維持しているためだ。

国内証券の短期債ディーラーは、政府は円高・景気対策で菅首相の リーダーシップをアピールしたい意図があると指摘し、日銀だけが追加 緩和に踏み切る可能性は低いとみていた。菅首相は追加経済対策をとり まとめる考えを表明している。

利回り上昇予想も

国内銀行の短期金利ディーラーは、菅首相と白川総裁の会談は期 待外れに終わったと指摘。今週はTB3カ月物や2年国債の入札も控え ており、過度に低下した利回りも徐々に上昇すると予想している。

もっとも、前週の入札で4年7カ月ぶりの低利回りを記録したT B1年物は一時0.10%まで下げ、この日も0.105%の買い注文が提示 されていた。日銀はいずれ追加緩和に踏み切らざるを得ないとの見方が 根強かった。

東京金融取引所のユーロ円3カ月金利先物相場は午後に入って売 りが増えた。中心限月2011年6月物は前週末比横ばいの99.730だっ た。ユーロ円TIBOR(東京銀行間取引金利)3カ月物も前週末と横 ばいの0.36769%。

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