米FRBに2ポイントの利上げ迫るラジャン氏-05年に金融危機予言

ラグラム・ラジャン氏は2005年、 銀行が互いに疑心暗鬼になれば金融危機が起きるリスクがあると中央 銀行に対して予言した。国際通貨基金(IMF)の元チーフエコノミ ストの同氏は現在、米失業率が10%に近い水準が続く現状でも、米連 邦準備制度理事会(FRB)は利上げを検討すべきだと訴えている。

同氏と国際決済銀行(BIS)の元チーフエコノミスト、ウィリ アム・ホワイト氏は、ゼロ近辺の低金利には資産バブルを助長したり 非効率な企業を支えてしまう恐れがあると説明する。ラジャン氏は、 欧州の債務危機リスクが後退した現在、バーナンキFRB議長は政策 金利が実質マイナスにならぬように最大2ポイント引き上げる局面を 開始すべきだと強調する。

08年にBISを去ったホワイト氏も「低金利はただで享受できる ものではないのに、人々はあたかもそうであるように振る舞っている」 と語る。「景気刺激的な金融政策を続けるべきだとの圧力を中銀は受 けるだろう。わたしが懸念するのは、プラス効果を理解する一方でマ イナスの側面に対する人々の認識が不十分であることだ」と指摘した。

現在は経済協力開発機構(OECD)の委員長を務めるホワイト 氏(67)とラジャン氏は今週、米ワイオミング州ジャクソンホールで 開催されるFRBの年次シンポジウムでこうした持論を展開できる機 会を得る。03年の会合でホワイト氏は出席者に対し、資産バブルへの 対応で主要中銀は利上げすべきだと訴えた。05年にラジャン氏(47) は、銀行システムにおけるリスク増大を警告。しかし、こうした指摘 にグリーンスパンFRB議長(当時)らは懐疑的だった。

FRBは04年に1%だったフェデラルファンド(FF)金利の 誘導目標を06年までに5.25%へ0.25ポイントずつ引き上げたもの の、同年に始まった住宅バブルは未然に回避できなかった。同年8月 に銀行は疑心暗鬼となり、銀行間金利は上昇し始めた。

共感呼ぶものの

少数派ではあるが、一部の政策当局者はラジャン、ホワイト両氏 の懸念に共感を強めている。26-28日のシンポジウムを主催する米 カンザスシティー連銀のホーニグ総裁やイングランド銀行(英中央銀 行)の金融政策委員会(MPC)メンバー、アンドルー・センタンス 委員らがそうだ。

ただ、金融政策の現状に批判的な勢力が直ちに多くの同調者を得 る公算は小さそうだ。景気回復が鈍化し、米失業率は7月に9.5%と、 26年ぶり高水準付近での推移が続いているためだ。低金利政策が続く 結果、特に経済指標が予想を上回る強さを示した場合に国債のボラテ ィリティ(変動性)が増すリスクがあると、ファーガソン・ウェルマ ン・キャピタル・マネジメントの債券責任者、マーク・フォビンチ氏 は指摘する。

同氏は、米成長率が「向こう数カ月間に」少なくとも3%になる との示唆があれば、10年物の米国債利回りは1週間程度で3%に上昇 すると予想する。20日の利回りは2.61%だった。

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