日経平均が安値更新、円高懸念強く輸出売り-政策待ちも

東京株式相場は続落し、日経平均 株価は終値で年初来安値を更新した。為替市場で円が主要16通貨に対 し全面高となり、収益不安の広がりで精密機器や電機、自動車、機械 といった輸出関連株が安い。

もっとも、日本銀行による追加の金融緩和など政策対応への期待 感が根強い中、相場全般を売り込む動きも限定的。水産や石油株が高 く、銀行や電力、小売など内需関連業種の一角も上げ、株価指数の下 げは小幅にとどまった。

日経平均株価の終値は前週末比62円69銭(0.7%)安の9116円 69銭と前週17日の安値を更新。TOPIXは同4.80ポイント(0.6%) 安の824.79。東証1部の売買高は概算で12億8373万株と、年初来で ことし最低だった今月9日以来の低水準だった。売買代金は8811億円。

MDAMアセットマネジメントの植草博幸トレーディング部長は、 「相場全体の売買水準が低調な中、じりじりと下げが止まらず、なか なかあく抜け感が出ない。真綿で首を絞められているかのようだ」と 指摘。1ドル=84円台前半まで一気に突っ込むような円高進行となれ ば、政府・日銀も動くと予想され、「いったん円高が加速した方が良さ そうだ。その方が、相場の立ち直りは早い」との認識を示した。

深刻さ映す独連銀総裁発言

欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのウェーバー・ドイ ツ連邦銀行総裁は19日、フランクフルトでブルームバーグのインタビ ューに応じ、ECBが緊急の融資措置を解除する時期を決定するのは、 年末越えの流動性確保で市中銀行を支援した後の来年1-3月(第1 四半期)にすべき、との考えを示した。

みずほ証券の北岡智哉シニア・ストラテジストによれば、これま でインフレを嫌う発言が多く、金融緩和の長期化を好まないと見られ ていたウェーバー氏が年内に出口戦略は困難との見解を示したことは、 「欧州経済の深刻さを物語っている」と言う。

ECBの金融緩和長期化観測など世界経済の不透明感を背景に、 為替市場ではリスク回避目的で円が買われた。きょう午前には菅直人 首相と日本銀行の白川方明総裁との間で電話会談が行われたが、円高 対応の具体策は示されず、円相場は午後にじり高展開。業績の先行き 不安から欧州依存度が高いHOYAやニコンなど精密機器株が下落。 日経平均のマイナス寄与度上位にはキヤノン、東京エレクトロン、ホ ンダ、ダイキン工業などが入った。

政策期待根強い、長引くほどハードル高く

市場関係者は依然、政府・日銀による円高対策の行方に注目して いる。「政策発動後の円高修正に対する期待が残るだけに、売り決めの 動きも出にくい」と北岡氏。また、東洋証券情報部の大塚竜太部長は、 「とにかく円高対策などを急いで出すことが大事」と指摘する。小出 しでも、「継続して前向きに取り組んでいく姿勢を早く見せれば、金融 市場は直近の行き過ぎた反動から『円安・株高・債券安』で反応する 可能性が高い」と、大塚氏の見方だ。

水戸証券投資情報部の門馬且康課長は、民主党が9月に代表選を 控え、思い切った経済対策に動きにくいのは誰もが分かっているが、 「日銀までも政府に合わせる格好で対応が遅れていることが、市場参 加者の間で失望感を広げてしまっている」と強調。日銀や政府の対策 は、「長引けば長引くほど、ハードルが高くなる」と同氏は言う。

東証1部の騰落銘柄数は値下がり1085、値上がり406。業種別33 指数は繊維製品、精密機器、パルプ・紙、非鉄金属、機械、鉄鋼、電 気機器、輸送用機器など27業種が下げ、石油・石炭製品、水産・農林、 電気・ガス、小売など6業種が上昇。

富士電機HやDeNAに売り、旅行株は高い

個別では、三菱UFJモルガン・スタンレー証券が投資判断を引 き下げた富士電機ホールディングスが急落し、毎月月初に公表してき た「モバゲータウン会員数と月間ページビューの推移」などの公表を 取り止めると発表したディー・エヌ・エーも売られた。UBS証券が 投資判断を下げた第一三共も安い。

半面、中国政府が年内にも日本の旅行代理店に中国国内での海外 旅行業務を解禁する、と22日付の朝日新聞で伝えられ、KNT(近畿 日本ツーリスト)、エイチ・アイ・エスといった旅行関連株が上昇。三 菱Uモルガン証の格上げを受けた三菱ガス化学、前7月期の営業損益 が黒字に浮上したもようの稲葉製作所、ブラジル沖で1000億円規模の 海洋石油開発設備を共同で受注した三井海洋開発も買われた。

国内新興3市場は、ジャスダック指数が前週末比0.5%安の48.03、 東証マザーズ指数は0.5%高の377.23、大証ヘラクレス指数は0.7% 安の566.56と、高安まちまち。

個別では、JPモルガン・アセット・マネジメントが20日提出し た大量保有報告書で発行済み株式の5.79%を保有していることが分 かったアルチザネットワークスがストップ高(値幅制限いっぱいの上 昇)。パピレス、日本風力開発が急騰し、ACCESS、アイフリーク も高い。半面、スタートトゥデイ、スカイマーク、ミクシィが売られ、 日本通信、第一精工も安い。

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