債券反落、米金利上昇や20年債入札前で長期債売り-株安が先物下支え

債券相場は反落。前週末の米国市 場で長期金利が上昇したことやあすに20年債入札を控えていること が売り材料視され、長期や超長期債の利回りが上昇した。一方、国内 株相場が続落したため債券先物はプラス圏で推移する場面もあった。

しんきんアセットマネジメント投信・投資調査グループの鈴木和 仁ストラテジストは、先週に金利低下がさらに加速したことから、20 年債の入札前にいったんは調整モードとなったと指摘。為替相場や米 国の金利動向を見極める雰囲気もあって売買は手控えられたとも言う。

現物市場で長期金利の指標とされる新発10年物の309回債利回り は、前週末比1ベーシスポイント(bp)高い0.935%で始まり、しば らくは0.935-0.94%で取引された。午前10時半前後に一時は0.93% を付けたが、午後に入ると再び1.5bp高の0.94%で推移した。

前週後半に債券買いのピッチが加速した反動が警戒される中、米 国債利回りの上昇や20年債入札を控えて売りが優勢となった。大和住 銀投信投資顧問の伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダーは、米 国で金利低下が一段落したことで、国内債市場もいったんは様子見姿 勢が強まったと指摘した上で、「あすに20年債の入札を控えて10年超 の年限で戻り売りがやや優勢の展開だった」とも話した。

20日の米国債市場では午前に買いが先行して米10年債利回りは

2.53%まで低下したが、午後に売られて4bp高い2.61%付近で引けた。

ただ、為替市場では米国の景気減速を背景にドル安・円高見通し が根強く残っているため、引き続き日銀による金融緩和観測が債券相 場を支える構図は変わらない。

10年物の309回債利回りは前週に再び水準を切り下げて、18日午 後遅くには0.90%まで買い進まれ、新発10年債として7年ぶり低水 準を更新した。今週も米国で住宅関連の指標が落ち込むと為替市場で ドル安・円高が再燃する可能性があり、その場合は日銀の緩和観測を 手掛かりに債券買いがにじみ出る場面がありそう。

あす20年債入札、クーポン7年ぶり低水準に

財務省は24日に20年利付国債(8月債)の価格競争入札を実施 する。20年債の表面利率(クーポン)について、市場では0.2ポイン ト低下の1.6%が有力視されており、この場合には2003年6月の入札 以来、7年2カ月ぶりの低い水準に引き下げられることになる。

20年債利回りは新年度入りした4月以降にほぼ一貫して低下基 調をたどり、前週からは7年ぶりに1.5%台での取引となっている。 このため、市場では金利水準が低いことへの警戒感が強いが、大和住 銀投信投資顧問の伊藤氏は、10年ゾーンですら1%の大台を割り込む に至り、少しでも高い利回りを求める需要は強いと言い、「月末には債 券インデックス(指数)が伸びることもあって無難な結果となろう」 と話す。

日興コーディアル証券の山田聡チーフクオンツアナリストは、ク ーポンは6月債の2.0%から0.2ポイント刻みに低下する格好だが、 高い利回りを求めて投資家層が広がるなど需給は良好だと指摘。また、 金利低下が一段と進む場面ではブル・フラット(平たん)化が続く可 能性が高く、こうしたトレンドを重視する向きの購入対象にもなると 言う。

株安で先物は一時プラス圏に

東京先物市場の中心限月9月物は前週末比3銭安い142円83銭で 始まり、開始後にこの日の安値142円75銭まで下げた。午前10時前 には小幅プラス圏まで持ち直し、一時は9銭高の142円95銭まで上昇 したが、その後は142円80銭台でのもみ合いに終始して、結局は取引 開始時と同じ142円83銭で週初の取引を終えた。

先物9月物は前週の取引でもじりじりと水準を切り上げて、週末 には中心限月として7年2カ月ぶりとなる143円台まで上昇する場面 があった。しかし、その後の米国債市場で長期金利が上昇したことを 受けて売りが先行。あすには20年債の入札を控えているほか、為替相 場が1ドル=85円台半ばまで円安方向に動いて、日銀の早期金融緩和 観測が弱まっていることも売り材料視されたもようだ。

ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは、債券相場は前 週後半に上値を探ったが、きょうは小安く始まったため、市場では急 いで買う理由はないといった雰囲気だったと言い、「日中も20年債入 札を前にもみ合い推移となりそうだ」との見方を示していた。

9月物は朝方の売りが一巡すると買いが膨らむ場面もあった。大 和住銀投信投資顧問の伊藤氏によると、現物市場がどちらかといえば 売り優勢だったものの、債券先物は株安を受けて買い戻しが優勢だっ たと言う。

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