米国債(20日):10年債、週間で4週連続高-逃避需要続く

米国債市場では10年債相場が 週間ベースで4週連続上昇。2月以降で最長の上昇局面となった。世 界的な景気減速兆候を背景に逃避需要が高まった。

2年債利回りは過去最低に低下し、10年債利回りは2009年3 月以来の最低となった。欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバー のウェーバー独連銀総裁の発言が買いを誘った。同総裁はECBが緊 急の融資措置を年末まで維持する必要があるかもしれないと述べた。 プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)18社のうち米 国債相場に最も弱気だったモルガン・スタンレーは、米国債利回りが 今年上昇するとの同社の予測が間違いだったことを認めた。

バークレイズの金利ストラテジスト、マイケル・ポンド氏は「上 昇には勢いがあるようだ」と述べ、「米連邦準備制度理事会(FRB) が量的緩和を強める可能性もある」と話した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後3時13分現在、10年債利回りは2.61%。前週末の2.67% から6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下した。10年 債価格(表面利回り2.625%、償還2020年8月)は前週末比 16/32上昇の100 3/32。利回りは前日比では3bp上昇。3日ぶ りの上げとなった。過去4週間では38bp低下した。

2年債利回りは前日比ほぼ変わらずの0.49%。一時は

0.4547%まで低下し、過去最低を更新した。30年債利回りは前週 末比19bp低下の3.66%。

MSCI世界指数は2日連続で下落。比較的安全とされる政府債 への需要が高まった。

独30年債利回りは過去最低まで低下。ウェーバー総裁の発言は ECBが一部の予想よりも長く域内の銀行を支援するものと受け止め られた。

「買いの青信号」

ジェフリーズ・グループのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、 ジョン・スピネロ氏(ニューヨーク在勤)は顧客向けリポートで、 「米国とECBの当局者が必要に応じて追加の刺激策や量的緩和を実 施する用意があると示唆しており、相場は極端な上昇局面を経てもな お押し目買いの青信号は灯ったままだ」と語った。

2年債と10年債の利回り差は2.09ポイントに縮小した。今週 は過去およそ1年4カ月で最小となる2.06ポイントまで縮小する場 面もあった。

オバマ政権の8620億ドル規模の刺激策やFRBによる追加の資 産購入にもかかわらず、米国債利回りは低下傾向が続いている。ノバ スコシア銀行の米国債トレーディング責任者、チャールズ・コミスキ ー氏(ニューヨーク在勤)はこれについて、「市場は成長重視の政策 とはみなしていない」と指摘。「これらは異常な数字で、異常な時代 だが、市場は真実を語っている」と述べた。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの指数によると、米国債 の年初からの投資収益率はプラス8.2%。株安を受けた安全への逃 避が活発化した。前年はマイナス3.7%だった。

モルガン・スタンレー

モルガン・スタンレーの米金利戦略責任者、ジェームズ・キャロ ン氏は19日付の顧客向けリポートで、「当社は金利に関して予想を 誤り、米国債をロング(買い持ち)にする今年の素晴らしい機会を逃 した」と認めた上で、「市場には現在、相対価値に注目した戦術的な 取引の機会が多々あり、当社は今後、そこに注力していく」と説明し た。

モルガン・スタンレーは米経済が力強さを増し、民間の信用需要 につながり、株価が上昇すると予想。その結果、米国債の逃避需要が 弱まり、利回りが上昇するとみていた。昨年12月、同社は10年債 利回りが5.5%まで上昇するとの見通しを示した。その後、5月に

4.5%に下方修正し、前週には3.5%まで引き下げていた。

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