今日の国内市況:日本株3日ぶり反落、債券は反発、円が底堅い

東京株式相場は3日ぶりに反落。 新規失業保険申請件数など米国の経済指標の悪化が嫌気されたほか、為 替の円高警戒も根強く、電機など輸出関連株、化学や非鉄金属といった 素材関連株を中心に幅広く売られ、東証1部33業種はすべて下げた。 日産化学工業やクラレなど液晶関連は特に下げが目立った。

日経平均株価の終値は前日比183円30銭(2%)安の9179円38 銭、TOPIXは14.39ポイント(1.7%)安の829.59。

東証1部の売買高は概算で15億5672万株、売買代金は同1兆 450億円。値上がり銘柄数は145、値下がり1448で、東証1部銘柄全 体の87%が安い。

米国で19日に発表された14日までの1週間の新規失業保険申請 件数は、前週から1万2000件増加し50万件となった。ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は47万8000件。 また、8月のフィラデルフィア連銀地区製造業景況指数はマイナス7.7 と、前月の5.1から大きく低下し、2009年7月以来の低水準。ブルー ムバーグがまとめた予想中央値は7への上昇だった。

きのうのニューヨーク為替市場では、ドル・円相場が一時1ドル= 84円90銭と11日以来の円高値を付けた。きょうも85円台前半で高 止まりしており、為替動向を注視する株式市場参加者の姿勢は変わらな い。日経平均は午後の取引で一段安となり、一時193円安まであった。

業種別では石油・石炭製品、非鉄金属、化学、ゴム製品、パルプ・ 紙、ガラス・土石など景気動向に敏感な素材株が並んだ。特に化学を中 心に液晶関連の下げが大きく、日産化やクラレ、日立化成工業、JSR 、日本ゼオンなどは軒並み急落した。

高価格帯テレビの流通在庫が膨らんだことを受け、液晶テレビ用パ ネルの生産調整に入ると20日付の日本経済新聞朝刊で報じられたシャ ープが反落。またみずほ証券では、日産化やJSR、日立化成など液晶 関連の業績予想と目標株価をそろって引き下げた。

先物は7年2カ月ぶり高値

債券相場は反発。先物中心限月は一時7年2カ月ぶりの高値を付け た。前日の米国市場で、弱めの経済指標を受けて金利低下、株安となっ た流れを継続して買いが先行した。日本銀行による追加金融緩和への期 待も相場の支えとなった。

東京先物市場で中心限月9月物は、前日比22銭高の142円97銭 で始まった。その後も142円90銭台を中心に推移したが、午後に入る と水準を切り上げ、1時過ぎには29銭高の143円4銭まで上昇した。 中心限月としては日中ベースで2003年6月26日以来の高値となった。 取引終盤にかけて上げ幅を縮め、結局11銭高の142円86銭で引けた。

前日の米国市場の動向を受けて、朝方から買いが先行した。19日 の米国債相場は上昇し、米10年債利回りは一時2.55%と昨年3月以 来の低水準を付けた。フィラデルフィア連銀の製造業景況指数が低下し 、新規失業保険申請件数が予想外に増加したため、景気回復腰折れ懸念 が強まった。一方、米株式相場は下落。この日の日経平均株価は3日ぶ りに反落した。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の309回債利回 りは、前日比2.5ベーシスポイント(bp)低い0.905%で取引を開始。 18日に記録した7年ぶり低水準の0.90%に接近した。しかし、その後 は横ばいの0.93%で推移している。

日銀による追加緩和への期待感が金融政策変更に敏感な中期ゾーン を中心に相場全体の支えとなっている。5年物の90回債利回りは一時、 前日比1.5bp低い0.245%となり、新発5年債としては03年6月26 日以来の低水準を付けた。その後は0.5bp低い0.255%で取引されて いる。

仙谷由人官房長官は20日、閣議後の会見で、菅首相と白川総裁が 来週中にも会談する方向で調整していると共同通信が報じたことに関し 「日本銀行とは今までにも、いろんな形で必要なコミュニケーションを 取っているが、具体的にいつ会談を開くかどうかというのは存じ上げて いない」と述べ、具体的な日程について言及を避けた。

円、対ユーロで7週間ぶり高値

東京外国為替市場では円が底堅く推移し、対ユーロでは一時、約7 週間ぶりの高値を付けた。日本銀行による早期追加金融緩和の思惑から 売りに押される場面もあったが、米国の景気減速懸念を背景に株価が下 落するなか、リスク回避に伴う円買い圧力が根強く残った。

円は対ユーロで朝方に一時、7月1日以来の高値となる1ユーロ= 109円2銭まで上昇。その後、正午にかけていったん109円62銭まで 反落したものの、円売りは続かず、午後には再びじり高となった。

仙谷由人官房長官は20日午前、閣議後の記者会見で、菅直人首相 と日銀の白川方明総裁との直接会談の具体的な日程について言及を避け たが、日銀とはこれまでも必要な意思疎通をしているとの認識を強調し た。

この日の東京市場は、米経済指標の悪化を受けた米国の金利低下や 株安を背景に円が買われた海外市場の流れを引き継いで始まった。

円は対ドルで1ドル=85円台前半で推移し、午前9時前後には一 時85円19銭まで値を切り上げる場面が見られた。その後、前日に続 いて、日銀がきょうにも臨時の金融政策決定会合を開くとの観測が浮上 すると円はじりじりと軟化。正午ごろには85円54銭まで値を切り下 げた。しかし、うわさされた時刻になっても臨時会合は開かれず、円は 午後にかけて下げ渋る展開となった。

野田佳彦財務相は午前の閣議後会見で、円高で推移している為替相 場を「重大な関心をもって」注視していく姿勢をあらためて示すととも に、菅首相に来週会い為替動向を中心に報告することを明らかにした。

一方、玄葉光一郎公務員制度改革担当相(民主党政調会長)は、外 為市場での円高の最大の要因は米連邦準備制度理事会(FRB)と日銀 の姿勢の違いだ、との認識を示した。

ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.2800ドル前後で一進一退の展開 が続いたが、欧州市場に向けては1.28ドル台前半へややユーロが強含 む展開となっている。

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