米国債:2年債利回り過去最低、一時0.48%割れ

米国債市場では2年債利回りが 過去最低を更新した。フィラデルフィア連銀の製造業景況指数が低下 し、新規失業保険申請件数が予想外に増加したため、回復腰折れへの 懸念が強まった。

フィラデルフィア連銀の製造業景況指数は予想外にマイナスとな り、2009年以来の低水準。これをきっかけに2年債利回りは

0.48%を割り込んだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は今週再開 した国債購入プログラムの一環として、この日は36億900万ドル の米国債を購入した。セントルイス連銀のブラード総裁はディスイン フレ傾向が強まれば、米国債購入の拡大による一段の量的緩和が必要 になると発言した。

クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジ ャージー氏は、「フィラデルフィア連銀指数と失業保険申請件数がと もに予想より悪い内容となり、景気の二番底や成長鈍化、デフレの可 能性への懸念が高まった」と説明。「2年債利回りは年末までに

0.40-0.44%に低下するだろう。今後2年間は金利据え置きが予想 されているためだ」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時12分現在、2年債利回りは1ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下の0.49%。一時は0.4715%と、財務省が 1975年に定例入札を始めて以来の最低水準をつけた。30年債利回 りは8bp低下の3.65%。一時は3.62%と、2009年4月以来の水 準まで低下した。

財務省は来週、2、5、7年債の入札を実施する。発行総額は 1020億ドルと、4カ月連続の減少。

フィラデルフィア連銀指数はマイナス7.7と、前月の5.1から 大きく低下。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査 の予想中央値は7への上昇だった。同指数はゼロが拡大と縮小の境目 を示す。

先週の失業保険申請件数は市場予想に反して増加、昨年11月以 来の高水準を記録した。

モルガン・キーガンの債券セールス・トレーディング・調査責任 者、ケビン・ギディス氏は顧客向けリポートで、「これは明らかに労 働市場の後退を示すものだ」と指摘。「トレーダーは相場の長期見通 しに自信を持っており、短期的な値動きはさほど気にしていない」と 付け加えた。

米国債購入

FRBは17日に始めた今回の米国債購入プログラムで、この日 の分を含め61億6000万ドル相当を購入した。FRBは公開市場操 作用口座、システム・オープン・マーケット・アカウント(SOMA) を8月4日時点での約2兆540億ドルで維持する方針を示している。

ブラード総裁は「経済の動向に過剰なディスインフレリスクの強 まりが示唆されるようになれば、バランスシートを一定に維持する以 上の規模で米国債を購入することが妥当と考えられる」と述べた。

ソシエテ・ジェネラルの米国債トレーダー、ショーン・マーフィ ー氏は、「弱い経済指標が続いている」と指摘。「経済が二番底を付 けにいくとの見方を支持するものだ」と述べた。

14日に終わった1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み) は前週から1万2000件増加して50万件。失業保険の継続受給者数 が減少した一方、緊急失業保険給付制度(ECU)に移行した受給者 とECUも使い切って延長給付を受給している受給者は増加した。

米民間調査機関コンファレンス・ボードが発表した7月の米景気 先行指標総合指数(LEI)は前月比0.1%上昇と、ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値と一致した。6月 は前月比0.3%低下。

腰折れ懸念

米国債は今年、景気回復が腰折れするとの懸念を背景に上昇して いる。

7月31日―8月9日にエコノミスト67人を対象に実施した調 査では、今年下半期の米実質国内総生産(GDP)伸び率予想は平均 で2.55%と、7月の調査結果2.8%から下方修正された。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのデータによると、世界 ソブリン債指数の年初からの投資収益率は5.9%。安全性を求める 資金が国債に流れた。一方、MSCI世界指数(配当再投資後)はマ イナス2.2%。社債はプラス8.1%となっている。

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