ブラード総裁:米国債の追加購入も、日本を他山の石に

米セントルイス連銀のブラード 総裁はディスインフレ傾向が強まれば、米国債の購入拡大による一 段の信用緩和が必要になると述べ、日本型の物価下落を回避する必 要性を訴えた。

ブラード総裁は19日、アーカンソー州ロジャースで講演し、「経 済動向がディスインフレ・リスクの高まりを示唆する場合、バランス シートの規模を維持するために必要な範囲を超えて米国債を購入する ことが妥当と考えられる」と語った。

さらに米国債の購入が必要となった場合、その規模は「見通しの 悪化の程度に比例したものとすべきだ」と発言。「プログラムの重要な 目的の一つは、米経済のコアインフレを日本で見られたような水準に 近づけないことだ」と述べた。

ブラード総裁は講演に使われたスライドで、「日本の経験が示すよ うにインフレ率低下の行き過ぎは困難な状況を引き起こしかねない」 と指摘した。

総裁はまた、住宅ローン担保証券(MBS)などの償還資金を米 国債に再投資し、有価証券保有高を2兆500億ドルに維持する連邦公 開市場委員会(FOMC)の決定を支持する考えをあらためて表明し た。FOMCはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0-

0.25%に据え置くとともに、「長期にわたって」低金利を維持する方針 を確認した。

この決定を受けて、景気見通しがこれまでの想定よりも悪化した と判断した投資家もいたが、ブラード総裁は、景気見通しはここ数カ 月で下降したものの、「依然として明るい」とした上で、「持続的な景 気拡大が今後の方向性として最も可能性が高い」との認識を明らかに した。

購入の規模

ブラード総裁は講演後に記者団に対し、FRB当局者が新たな資 産購入プログラムの規模や、それをどの程度の頻度で調整すべきかと いう問題に重点を置いて緊急対応策を準備していると説明。「ディスイ ンフレ傾向を一層強めるような下向き方向の予想外の出来事が発生し た場合に備えて、われわれは準備しておく必要がある」と強調した。

また、この日の講演はFRBが再び危機モードに入ったとの見方 に反論する狙いがあったとした上で、「われわれがこうした行動を取る 場合は、2008年から09年初めのような危機モードでそれを実行する という考え方にわたしは反論したかった」と述べ、「米経済ははるかに 強くなっている」と付け加えた。

ブラード総裁は講演後の質疑応答で、FOMC後の10年債利回り や住宅ローン金利の低下について、FRBの行動が効果を上げている ことを示唆していると指摘し、FRBが政策手段を使い果たしてはい ないという自身の見方を裏付ける一つの兆候との見解を示した。

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