生命保険の超長期債需要は2、3年後に枯渇も-みずほ信託銀の吉野氏

みずほ信託銀行債券運用部の吉野 剛仁チーフファンドマネジャーは、生命保険が現行のペースで超長期 債を購入し続けると2、3年後には需要が枯渇し、同ゾーンの需給バ ランスが崩れて金利が上昇するリスクが出てくるとの見方を示した。

生保各社はALM(資産・負債の総合管理)上での金利リスク見 合いの観点から保有債券の年限を長期化させるため、期間が10年を超 える超長期債を積極的に購入している。日本証券業協会が発表した投 資家別売買高によると、4月以降、生保・損保は超長期債の購入を増 やしており、4月に1兆1585億円、5月に7549億円、6月に7494 億円を買い越した。

吉野氏は18日のインタビューで、生保の超長期債への潜在需要は 30兆円弱と推計し、「最近の月8000億円から1兆円の購入ペースが続 いた場合、2年から3年弱で需要がなくなる」と述べた。

最近の超長期債市場では、長期や中期債と同様に利回り水準を大 きく切り下げている。19日の取引では新発20年債利回りは2003年8 月以来の低水準となる1.525%まで低下した。新発30年債利回りは

1.58%付近と7年ぶりの低い水準に達している。

日本銀行による追加緩和観測で中長期ゾーンの金利が低下し、相 対的に金利の高い超長期債にも買いが入りやすくなっているほか、需 給環境も良好だ。「生保を中心とした需要のほか、足元では年金基金や 銀行勢も参入している。信用金庫や地方銀行なども超長期債を買って いるもようだ」と説明した。

しかし、吉野氏は、生保の需要が一巡するとみられる2、3年後 には金利上昇リスクが高まると指摘。「少子高齢化や雇用・賃金が伸び ない環境下で、保険契約数伸び率が上昇するとは思えない。生保から の需要がなくなった時に、財政リスクが焦点となれば、反動が比較的 大きくなる」と述べた。また、「来年度予算で新規財源債を44.3兆円 以下に抑えても、借換債は増えざるを得ない」とみられ、供給面での 増加圧力が続くとも言う。

このため、生保以外の投資家からの需要が増えなければ、超長期 ゾーンの需給バランスが不安定になると警告する。「銀行や年金などに はまだ買い余力があるが、投資行動として超長期債を買い支えるかは 不透明。市場は半年から1年先を織り込みにかかるため、需給バラン スが2年後ぐらいに崩れる可能性がある」と語った。

吉野氏は、円債アクティブファンド、外債アクティブファンドで 合計2兆円弱を運用する統括責任者。

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