円下落、日銀の追加緩和など円高対応に期待-対ドル3営業日ぶり安値

東京外国為替市場では円が下落し、 対ドルで3営業日ぶり安値を付けた。日本銀行が追加金融緩和策を検 討すると19日付の産経新聞が報じたことで、円高対策への期待が高ま った。

円は対ドルで1ドル=85円台前半から一時、85円92銭まで下落。 産経新聞の報道に続き、日銀がきょうの午後にも緊急会合を開くとの 思惑が浮上したことで、円売りが活発化した。その後、ロイター通信 が複数の関係筋の話として、日銀がきょう臨時の政策決定会合を開く 可能性は低いと報じると、円は一時下げ渋ったが、円高対策への期待 が根強く残り、欧州市場に向けては再び円売りが優勢となっている。

GCI総合研究所のチーフストラテジスト、山岡和雅氏は「株価 の反応なども総合的に判断すれば、市場としては政府・日銀の姿勢の 変化について一定の評価はしているようだ。しかし、円高対策として は不十分であり、日本の対応が報道されたような新型オペの増額のみ であるならば、小幅反発したドル・円に絶好の売り場を提供すること になりそうだ」と語る。

1ユーロ=109円台後半で東京市場を迎えたユーロ・円相場は、 独誌シュピーゲルが緊縮財政によるギリシャの経済情勢悪化を報じた ことを手掛かりに、一時109円31銭までユーロ売り・円買いが先行。 その後は日銀による金融緩和の思惑から円売りが優勢となり、午後に は110円13銭まで円安が進んだ。

追加金融緩和観測

産経新聞の報道によると、昨年12月に日銀が導入した新型オペの 規模を現行の20兆円から30兆円に増やす案が浮上、期間を3カ月か ら6カ月に伸ばす可能性もあるという。来週予定の首相・日銀総裁の 会談前に「臨時の金融政策決定会合で決めるのではないか」との見方 も出ており、追加的な金融緩和策で円安誘導が期待されている。

日銀はドバイ・ショックによる急激な円高進行を受け、昨年12 月1日に臨時会合を開催、政策金利の0.1%で期間3カ月の資金を供 給する新型オペの導入を決定した経緯がある。

バークレイズ銀行チーフFXストラテジストの山本雅文氏は「新 型オペの期間を延ばせば中長期の金利低下効果はあるかもしれないが、 米国などと比べて日本の金利変動幅は小さく、日本サイドで金利差の 面で為替に影響を与えられる部分は小さい」と分析。量的緩和という ところを前面に押し出すか、同時に円売り介入を行い、市場に放出さ れた円資金を吸収せずに放置する「非不胎化介入」を演出するかしな いと、効果は限定的になってしまう可能性が高い、と語る。

政策期待でリスク回避緩和

野田佳彦財務相は19日午前、登庁時に一部記者団に対し、外国為 替市場などの動向について「引き続き注視していきたい」と述べた。

一方、直嶋正行経産相は午後、菅直人首相と会談した後、為替相 場について「産業界は1ドル=90円を想定している。現状は5円ぐら い高い」との考えを示した。また、首相は円高が進んでいることは認 識していると述べた。ただ、首相とは「為替レートが高い低いという 話はしていない」と語った。

山本氏は「日銀が円高による追加的な悪影響はないという見方を 維持しているとすれば、本当に追加緩和が出るのかという不透明感も ある」とした上で、「日本の追加金融緩和期待や介入期待がある一方、 こうした期待が失望につながる可能性は高く、期待を背景に円を売っ ている短期的な人たちの巻き戻しには警戒が必要」と話す。

19日の東京株式相場は続伸。日銀の追加金融緩和など政策期待の 広がりや円高の勢いが一服したことが好感された。

GCI総研の山岡氏は、「世界の株価は徐々に底堅さを見せ始めて おり、リスク回避姿勢が徐々に緩和する可能性もありそうだ」と指摘。 短期的にはクロス円(ドル以外の通貨の対円相場)で円の反落をうか がう展開もあり得るとみている。

ユーロが対ドルで3営業日ぶり1.28ドル割れ

シュピーゲル(オンライン版)は18日、ギリシャの財政問題を解 決するために実施された財政緊縮策が同国の経済情勢を悪化させてお り、労働者は不満を募らせていると報じた。

ユーロは対ドルで1ユーロ=1.28ドル台半ばから一時、3営業日 ぶり安値となる1.2781ドルまで下落。市場関係者によると、対円でユ ーロ売りが出たほか、前日安値(1.2824ドル)を割り込んだところで ユーロ売り・ドル買い注文が出たという。

バークレイズ銀の山本氏は「第2四半期まではユーロ圏の景気も 良かったということがユーロのショートカバー(買い戻し)の追加的 な材料になっていたが、その辺もある意味出尽くした感がある。ユー ロ・ショート(売り持ち)もほとんどなくなったというところで、若 干悪い材料に反応しやすくなっている面はあるだろう」と指摘してい る。

--取材協力 関泰彦 Editors: Hidekiyo Sakihama,Masaru Aoki

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