日本株続伸、輸出や不動産、金融買い-政策期待や円高一服

東京株式相場は続伸。日本銀行の 追加金融緩和など政策期待の広がりや円高の勢いが一服したことが好 感され、半導体関連を中心に輸出株が買われた。不動産やその他金融 も、金融緩和期待から上昇率が拡大した。

日経平均株価の終値は前日比122円14銭(1.3%)高の9362円 68銭、TOPIXは8.75ポイント(1.1%)高の843.98でともにき ょうの高値引け。

三菱UFJ投信運用戦略部の石金淳シニアストラテジストによる と、「先週から売り込まれていただけに、金融緩和期待を材料に円相場 が落ち着くのではないかとの思惑から買い戻しが入った」という。た だ、日銀に出来ることは限られているとし、「相場が本格反転に向かう には米経済再加速か、日本政府による公共事業中心の経済対策が必要」 との認識を示した。

きのうの米国株相場が買収観測を手掛かりに小幅高となり、きょ うのアジア株も堅調推移。為替も早朝には1ドル=85円30銭台まで あったが、その後は85円80銭台まで円高の勢いが鈍るなど、日本株 の周辺環境はやや落ち着きを示した。23日にも設定される見通しの日 銀総裁と首相との会談が接近しており、政策期待も高まりやすかった。

日銀の緩和検討観測

相場を押し上げる材料となったのが、日本政府が検討を始める追 加経済対策と並行し、日銀も追加金融緩和策を検討する、との19日付 の産経新聞報道だ。昨年12月に導入した新型オペの規模を現行の20 兆円から30兆円に増やす案が浮上、期間を3カ月から6カ月に伸ばす 可能性もあるとしている。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹投信グループ長は、 「実体経済に影響はなさそうだが、無策に走っていた日銀がデフレ対 策や為替是正に向けて動きを示すようなら、株価を支える要因になる」 と指摘した。日本株は、絶対水準が割安圏にあり、「業績腰折れ懸念に つながっている円高さえ是正されれば、戻りやすい」と見ている。

日経平均は17日安値9161円からきょうの終値まで2.2%(201 円) 戻した。17日安値で重要な節に到達したとする日興コーディアル証券 国際市場分析部の吉野豊チーフテクニカルアナリストは、9月7日前 後までに安値から1050-1400円幅の中間反騰が生じる可能性がある、 と分析していた。

半導体関連上げ顕著

この日上げが目立ったのは、半導体関連と金利低下メリット業種。 半導体製造装置最大手の米アプライド・マテリアルズが市場予想を上 回る8-10月利益見通しを示したことが評価され、東京エレクトロン や日立国際電気、エルピーダメモリ、ルネサスエレクトロニクスなど 半導体関連が総じて急伸した。

また、東証1部業種別では不動産が上昇率1位、その他金融が2 位、証券が4位となった。明和証券の矢野正義シニア・マーケットア ナリストによると、「金利低下がプラスに働く不動産やその他金融など、 業種面では金融緩和を先取りする動きとなっている」という。一方で、 円高メリット業種の電気・ガスやパルプ・紙は下落した。

東証1部の売買高は概算で16億5535万株、売買代金は1兆1195 億円。値上がり銘柄数は1065、値下がり430。

個別の材料銘柄では、会社決算が想定通りで株価は前期PBR(株 価純資産倍率)0.4倍で割安とし、シティグループ証券が投資判断の 「買い」を強調したリサ・パートナーズが大幅高。発行済株式総数の

1.37%を上限に自社株買いを行う東京製綱、宮城県仙台市のゲストハ ウスを改装し、グランドオープンするテイクアンドギヴ・ニーズもそ れぞれ急伸した。

半面、UBS証券が投資判断を引き下げた東京電力など電気・ガ ス株は総じて下落。2011年6月期の営業利益計画がブルームバーグ集 計のアナリストによる事前予想の中央値に届かなかったドン・キホー テは急落し、2-7月純利益が従来予想を下回ったもようのダイドー ドリンコは反落した。

新興3市場は上昇

国内新興3市場は上昇。ジャスダック指数の終値は前日比0.4% 高の48.44と3日ぶり反発。東証マザーズ指数は2%高の379.04、大 証ヘラクレス指数は1.4%高の574.68とそれぞれ続伸した。

食道がんに対するTCR(T細胞受容体)遺伝子治療の臨床研究 で、第1例目の被験者への遺伝子導入細胞の投与が行われたと前日発 表したタカラバイオが大幅続伸。大証J-NET市場で自己株式2060 株を取得したEストアーは急伸した。売買代金上位ではユビキタス、 スカイマーク、クルーズが高い。

半面、10年6月期連結純損失が拡大したもようとなったフォトニ クスが4日続落。売買代金上位では第一興商、アクロディア、デジタ ルアーツ、ケイブが下げた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE