債券は反落、長期金利7年ぶり低水準で現物売り優勢-円安や株高嫌気

債券相場は反落。長期金利が7年 ぶり低水準を連日更新したことへの警戒感から現物市場で売りが優勢 となった。為替が円安方向に動いたことや株式相場の堅調な推移も嫌 気された。

HSBC証券の白石誠司チーフエコノミストは、日銀の緩和実施 が遠くないとの思惑から市場は円安、株高で反応しており、ここ数日 は金利低下ピッチが加速した現物債売りのきっかけになったと言う。

現物市場で新発10年物の309回債利回りは前日比1.5ベーシスポ イント(bp)高い0.915%で始まり、しばらくは0.915-0.92%での小 動きが続いた。午前の取引終盤にいったんは0.905%まで上昇幅を縮 めたが、午後に入ると再び売りが膨らんで水準を切り上げ、4時15 分現在では4bp高の0.94%で取引されている。

309回債利回りは今週に入って0.9%台前半から半ばでの取引と なり、新発10年債として7年ぶりの低水準を連日で更新した。18日 の午後遅くには0.90%まで買い進まれていたため、その後の米国債市 場で金利低下が一段落したこともあって売りが優勢となった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジ ストは、日銀がきょうにも緩和に踏み切るとの憶測が広がり、午前に いったんは買われる場面があったが、「さすがに10年債利回りが0.9% を割り込むには材料が出ないと難しい」との見方を示した。

日銀が近日中に金融緩和策を打ち出すとの思惑が広がる中、為替 が1ドル=85円半ばから後半に向けて円安気味に動いたほか、日経平 均株価が1%超の上昇となったことも債券売りを促した。

ただ、この日は10年ゾーン中心に売られたとはいえ、投資家が債 券残高を圧縮する様子はうかがえない。大和住銀投信投資顧問の伊藤 一弥国内債券運用第2グループリーダーは、金利低下が加速していた 10年債などには売りが出たが、一方で5年債など中期ゾーンに資金を シフトする動きもあったと言い、「投資家は金利低下トレンドの市場か ら降りるつもりはないようだ」との見方を示した。

先物は7営業日ぶりに反落

東京先物市場の中心限月9月物は前日比3銭高い142円91銭で始 まり、しばらく142円90銭付近でのもみ合いとなった。その後、午前 の引けにかけては143円2銭まで上昇して、中心限月として2003年6 月以来の143円台を回復した。しかし、午後に入って売りが膨らむと じり安に推移して、結局は13銭安の142円75銭で取引を終えた。

為替市場の円安や株価続伸に加えて、先物相場は前日までに急ピ ッチで上昇した反動もあって売りが優勢となった。

ただ、市場では日銀の金融緩和策が為替市場に及ぼす効果につい て懐疑的な見方も多く、債券相場の下げは一時的との声も聞かれた。 大和住銀投信投資顧問の伊藤氏は、日銀が金融緩和に打って出るとし ても、中身が新型オペの拡充などにとどまれば円高基調を転換するの は困難との見方が有力だと言い、「債券市場も材料出尽くしで売られて も一時的な動きにとどまるのではないか」と話した。

19日付の産経新聞は、政府が検討を始める追加経済対策と同時に 日銀も追加金融緩和策を検討すると報じた。昨年12月に導入した新型 オペの規模を現行の20兆円から30兆円に増やすとともに、期間を3 カ月から6カ月に伸ばす可能性もあるとしている。

HSBC証の白石氏は、昨年12月と今年3月に新型オペ導入と拡 充が実施され、為替がその後に円安方向に動く場面はあったが、結果 的に足元では一段の円高となっていると指摘。米連邦準備制度理事会 (FRB)も景気判断を下方修正する中で円高圧力は強く、日銀が緩 和に動いても円安に転換するか疑問は残るとの見方も示した。

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