NY外為:円は対ユーロ6週ぶり高値付近-景気失速懸念で

ニューヨーク外国為替市場では、 円がユーロに対し約6週間ぶり高値に近づいた。対ドルでも上昇。世 界的に景気回復が勢いを失いつつあるとの懸念から、逃避先としての 需要が高まった。

米国の景気減速で米連邦準備制度理事会(FRB)が債券購入を 増やすとの観測が広がり、日本が円高抑制に向け介入に踏み切るとの 懸念が後退したことから、円が買い進まれた。経済成長との関連性が 強い通貨の一角も値上がりした。住宅建設や商品関連の企業買収が増 加するとの観測から、株式相場が上昇に転じたことが材料視された。

コモンウェルス・フォーリン・エクスチェンジの主任市場アナリ スト、オマー・エシナー氏は、「世界の景気見通しに対して投資家が 懸念を深めていることから、リスクテークはなお抑制されている」と 指摘。「きょうの円上昇は大きな驚きではない」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時25分現在、円はユーロに対し1ユー ロ=109円85銭と、前日の110円19銭から0.3%高。前日は 109円7銭と、7月1日以来の高値を付ける場面があった。対ドル では0.1%上げて1ドル=85円47銭(前日85円53銭)。ドルは 対ユーロで0.3%上昇し、1ユーロ=1.2853ドル(前日1.2885 ドル)。

この日の米株式相場は午後に上昇に転じ、S&P500種株価指 数は0.7%高を付ける場面もあった。これを手掛かりに、円は上げ を縮小した。

M&A観測

シティグループは、住宅建設業界でM&A(企業の合併・買収) が増えると予想した。英・オーストラリア系の鉱山会社BHPビリト ンは、カナダの肥料メーカー、ポタシュに400億ドル(約3兆4200 億円)規模の敵対的買収を仕掛けた。これを受けて商品関連企業のM &A観測が高まり、カナダ・ドルを押し上げた。カナダは輸出収入の 約半分を原材料が占める。

カナダ・ドルは米ドルに対し、一時0.5%高の1米ドル=

1.0271カナダ・ドルと、約1週間ぶり高値を付けた。その後は

0.2%高の1.0302カナダ・ドル。

ウェルズ・ファーゴの通貨戦略責任者、ニック・ベネンブローク 氏(ニューヨーク在勤)は、「BHPがポタシュを買収することにな れば、オーストラリア・ドルを売って、カナダ・ドルを買う可能性が 考えられる」と述べた。

米ドルに対しては、主要通貨の中ではニュージーランド(NZ) ドルが0.3%高と最も上昇。一方、ノルウェー・クローネとオース トラリア・ドルは大きく下落。下落率はそれぞれ0.5%、0.8%と なった。

FRBの債券購入

米セントルイス連銀のブラード総裁は、インフレ率の低下が続い た場合、FRBは米国債を適度に購入する計画を始める必要があるか もしれないと述べた。米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ、 オンライン版)が17日、インタビューを基に伝えた。7月の米消費 者物価指数(CPI)は、食品とエネルギーを除いたコア指数が前年 同月比で0.9%上昇と、40年ぶり低水準にとどまっている。

FRBは17日、25億5100万ドル規模の米国債買い切りオペ を実施。19日には償還期日2016年8月から20年8月までの米国 債を購入する計画だ。

グッゲンハイム・パートナーズの米金利トレーディング責任者、 トーマス・ディガロマ氏は、「これから秋までの間に経済指標が悪化 した場合、FRBは本格的な量的緩和策を開始するだろう」と予想し た。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE