円が反発、国内輸出企業の買い需要根強い-株の下値不安くすぶる

東京外国為替市場では円が反発し た。外貨の戻り局面では、国内輸出企業による海外収益の円転需要が 根強いとみられるほか、海外株式相場の下値不安がくすぶるなか、リ スク回避に伴う円買いも警戒され、円に上昇圧力がかかった。

上田ハーロー外貨保証金事業部の山内俊哉マネージャーは、前日 はようやくダウ工業株30種平均が反発したものの、「上昇が続くかど うかを見極める必要がある」と言い、依然として株価動向の不透明感 が根強い状況下では、「まだ円を売っていくというマインドにはなりに くい」と指摘。海外市場で再び株価が下がるようであれば、「リスク・ オフ(回避)で円が買われやすい流れになりかねない」とみている。

また、山内氏はドル・円相場について、国内の輸出企業を中心に、 「ドルの戻り売りスタンスが継続している」と説明しており、需給面 でも円買い圧力がくすぶっていると付け加えている。

ドル・円相場は朝方の取引で一時1ドル=85円69銭と、2営業 日ぶりの円安値を付けていたが、公表仲値が設定される午前10時すぎ に85円34銭まで円が反発。午後は午前に形成されたレンジ内での取 引に終始した。

ユーロ・円相場は正午すぎに一時1ユーロ=109円59銭と、前日 のニューヨーク時間午後遅くに付けた110円19銭から円が水準を切り 上げ、その後も109円台後半で推移した。

材料難で株価が手掛かり

前日の海外市場では、ダウ工業株30種平均が6営業日ぶりに反発 し、リスク選好的な円売りにつながっていたが、この日のアジア市場 では、中国株の伸び悩みが一段の円売りを抑える格好になった。中国 の上海総合指数は5月以来の高値を付けた後に伸び悩み、午後は前日 の終値付近で上値の重い展開が継続した。

外為どっとコム総合研究所のジェルベズ久美子研究員は、夏季休 暇中で市場参加者が少ない上、きょうは手掛かり材料が乏しい中で、 クロス・円(ドル以外の通貨の対円相場)は「素直に株価の動きに連 れる展開になっている」と指摘した。

一方、日本の政府当局による円高対応が注目される中、菅直人首 相は17日夕、官邸で記者団に対し、追加的経済対策について野田佳彦 財務相ら関係閣僚の意見や雇用対策の現場の声を直接聞いた上で、最 終判断する考えを明らかにした。また、「今後も日銀と必要なコミュニ ケーションを取りたい」とも語った。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマン外国為替部の伊庭剛バイスプレ ジデントは、市場の相場観が「混在」している状況下で、引き続き方 向感は乏しく、目先は経済対策を確認するまで、動きにくい面がある と説明。財政難の中で新たな経済対策が示された場合は、財政悪化に つながるため、「決して円買い材料ではない」と指摘する一方で、介入 期待が殺がれる結果となれば、短期的に円の上値を試す動きが生じる 可能性もあるとみている。

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