日経平均8000円割れも、70円台円高と景気懸念-スタッツの大木氏

独立系投資顧問のスタッツインベ ストメントマネジメントの大木昌光シニア・ファンド・マネジャーは、 世界景気の先行き不安に加え、為替相場の円高の流れは止まらず、日経 平均株価は半年以内に現水準より13%低い8000円を下回る可能性があ るとみている。

大木氏が16日、ブルームバーグとのインタビューで語った。日本 株の買いと売りを同時に行うロング・ショート戦略の私募投信を運用す る大木氏は、「経済指標や政府高官の発言が示すように、米経済の状況 は良くない。欧州も、各国が財政再建に動いて思い切った財政政策を打 ち出せず、景気不安はぬぐえない」と述べ、外需依存度が高い日本株を 取り巻く環境は安定していないとの認識だ。

「現在の日本株を動かしている一番の要因は為替」と大木氏。米国 など各国との金利差が縮小しているうえ、海外はまだ金利低下の余地が あり、「円は上昇しやすい状況が続く。さらに、景気の先行き不安から 各国が自国通貨安を容認せざるを得ず、当局の円売り介入がない限り、 円高はまだ進むだろう」と言う。

円は先週11日に1ドル=84円73銭と、15年ぶりの高値を付けた。 しかし大木氏は、1995年に付けた史上最高値である79円75銭は更新 するだろうと予想。また同氏は、欧州を訪問した際の経験から、購買力 平価で見たユーロや英ポンドは依然高いと感じており、「ユーロの100 円割れ、ポンドの120円割れがあってもおかしくない」とみる。

円高を背景に、日経平均はEPS(1株当たり純利益)の大幅な上 方修正がないなかで株価バリュエーションを切り下げ、予想PER(株 価収益率)で13-14倍に当たる8000円を下回る可能性が十分あると大 木氏。さらに、中国の成長が鈍化するようだと、2008年のリーマン・ ショック時に記録した6994円に接近することもあり得るとした。

短期急反発も想定、外需関連も一部買い

同氏は株安を念頭に、為替の影響を受けにくい内需系の好業績銘柄 を、サッカーで言うレギュラーメンバーとしてポートフォリオを構築し ている。一方、ショートポジションは、上場投資信託(ETF)を多用 しながら、輸出関連株を広く薄く売り建てている。

ただ、短期的には米国で良い経済指標が出たり、一時的な円安など で急反発もあり得ると想定。このため、外需関連銘柄でも景気変動の影 響を受けやすい一般機械でない農業関連の機械、エコカー補助金制度が 9月末に終わる四輪車より下期(10月-2011年3月)業績の落ち込み が小さいとみられる二輪車関連など、「相対的に業績懸念が小さい企業 は買い持ちしておくべき」と考えている。

大木氏は、今後投資利益を稼ぐには中小型株投資が良いとの見方。 しかし中小型株は、相場下落時に大型株以上に下げる傾向が過去見られ たため、「十分成長性が高かったり、非常に株価が割安な銘柄を組み入 れたい」と話した。

スタッツインベストメントの運用資産残高は約100億円。大木氏は ドイツ証券などで約11年金融アナリストとして務め、6月にスタッツ に入社した。

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