米住宅金融:国有化も完全民営化も極論-「政府の限定関与」が優勢

【記者:Lorraine Woellert】

8月18日(ブルームバーグ):米国の住宅金融制度の抜本的な改革 を目指すオバマ政権は、住宅ローンの保証で政府が果たす役割につい て、完全には撤退せずに関与を減らす方向で、金融機関や不動産業界 の支持を取り付けた。

全米抵当貸付銀行協会(MBA)の次期会長に就任するマイケル・ バーマン氏は、米財務省などが17日主催した住宅金融制度に関する官 民会議終了後、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、政 府が限定的な安全装置を提供する考え方は「魅力が多い」と指摘。「完 全な国有化ないし完全な民営化という両極端の立場は、いずれも主流 ではない」と語った。

オバマ政権は2008年の信用危機の引き金となった住宅金融制度 を立て直す方法について、業界関係者から助言を得ようとしている。 共和党の一部は、米国の住宅金融の主要な担い手である政府支援機関 (GSE)のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)とフレディマック(連 邦住宅貸付抵当公社)の廃止を求めてきたが、米パシフィック・イン ベストメント・マネジメント(PIMCO)で世界最大の債券ファン ドを運用するビル・グロース氏は17日、米政府が制度の「完全な国有 化」を検討すべきだと主張した。

グロース氏は同日の会議で、「将来の住宅金融で民間資金が大きな 割合を占める提案は非現実的だ」と述べ、「政府は将来の住宅金融で重 要な役割を果たす。われわれは政府のバランスシートを必要としてい る」と発言。これに対して、会議の主催者の1人であるガイトナー財 務長官は「いかなる政府保証も損失リスクをカバーする価格設定と、 納税者のエクスポージャーを最小限にする設計を確実に実現すること が課題になる」と説明した。

住宅金融会社や住宅業界の利益を代弁する人々は、金融機関が伝 統的に十分な融資を行ってこなかった市場がローン資金を確保するに は、政府の一定の関与が必要だと主張する。シカゴのショアバンクの エレン・セイドマン執行副社長は、民間金融機関は「低所得者層や有 色人種のコミュニティーに住宅ローンを全くと言っていいほど提供し ていない。われわれは資金アクセスにもっと気を配る必要がある」と 話している。

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