NY外為:円とドル下落、株と商品上昇で逃避需要が後退

ニューヨーク外国為替市場では、 ドルと円が大半の主要通貨に対して下落。株式と商品相場が上昇した ことで、逃避需要が後退した。

日本の政策当局が円高抑制に向け介入に動くとの観測も円を押し 下げた。ユーロは上昇。スペインとアイルランドの財政赤字への懸念 が後退するなか、両国政府が実施した国債入札で借り入れコストが低 下したことが背景にある。

オンライン為替取引オアンダのアナリスト、ディーン・ポップル ウェル氏(トロント在勤)は、「成長通貨のようなよりリスクの高い 資産に目を向けると、パフォーマンスはかなり良かった。商品・株式 相場を背景にそうした動きとなっている」と分析。「アイルランドの 国債入札は比較的好調だった。スペインの入札も同様で、リスク環境 にはプラスとなった」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時24分現在、円はユーロに対し、 1ユーロ=110円15銭と、前日の109円44銭から0.7%安。 一時109円7銭と、7月1日以来の高値を付ける場面もあった。 ドルは対ユーロで0.4%値下がりし、1ユーロ=1.2880ドル (前日は1.2827ドル)。円はドルに対し0.3%安の1ドル= 85円53銭(前日85円32銭)。

スペイン政府はこの日政府証券入札を実施し、12カ月物と18 カ月物合わせて55億ユーロを発行した。需要拡大に伴い、落札利回 りは前回の入札を下回った。アイルランド政府は2020年10月償 還の国債(表面利率5%)を10億ユーロ起債。平均落札利回りは

5.386%と、7月に実施された同年限の国債入札時の5.537%を 下回った。

「かなり懸念」

UBSのストラテジスト、アメリア・ブルドー氏は「市場はユー ロ圏のソブリン債問題をかなり懸念していた」と指摘。「スペインと アイルランドがともに債券発行を無事こなしたのは良いことだ。リス クセンチメントには支援材料になっている」と語った。

米労働省がこの日発表した7月の生産者物価指数(PPI)は4 カ月ぶりに上昇し、低成長がデフレを招いてはいないことが示された ものの、ドルは対ユーロで軟調な展開が続いた。7月のPPI全完成 品は前月比0.2%上昇した。また米連邦準備制度理事会(FRB) が発表した7月の鉱工業生産指数は前月比1%上昇と、市場予想を上 回る伸びとなった。

株式市場では、S&P500種株価指数が1.2%上昇。原油市場 では、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物9月限が一 時1.9%高の1バレル=76.63ドルを付けた。商品19銘柄で構成 するロイター・ジェフリーズCRB指数は0.8%上昇。

「パラダイムは続く」

HSBCホールディングスは、為替とほかの資産の相関関係は強 さが続くと予想している。

デービッド・ブルーム氏(ロンドン在勤)らHSBCの為替スト ラテジストは、調査リポートで「『リスク選好、リスク回避』という パラダイムが弱まるのは、マクロ経済状況が持続的な改善を示して からのみとなりそうだ。それはつまり、このパラダイムがまだかなり の間、市場を支配し続けることを示唆している」と記した。

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