今日の国内市況:日経平均9カ月ぶり安値、債券続伸-円買い鈍る

東京株式相場は小幅続落し、日経 平均株価は終値で約9カ月ぶりの安値。予想ほど改善しなかった米国ニ ューヨーク地区製造業景況指数や為替の円高に対する懸念から、輸出関 連株のほか、ガラスや鉄鋼など素材関連株、鉱業株などが安い。東証1 部の売買代金は、ことし2度目となる2日連続の1兆円割れ。

日経平均株価の終値は前日比34円99銭(0.4%)安の9161円 68銭と7月1日に付けた年初来安値を更新し、ドバイ・ショック時の 昨年11月27日以来の安値水準となった。TOPIXは1.85ポイン ト(0.2%)安の826.78。

景気と円高警戒の根強さから、きょうもリスク資産を回避する動き が続いた。10年国債利回りは一時0.92%と、連日で7年ぶりの低水準。 きのうの米国でも、同利回りは2.577%程度と09年3月以来の低水準 だった。

ニューヨーク連銀が16日に発表した8月の同地区製造業景況指数 は7.1と、前月の5.1から上昇。ただ、ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト予想中央値の8は下回り、特に新規受注はマイナ ス2.7と、14カ月ぶりのマイナスを記録した。

外国為替市場で円高圧力がくすぶる中、輸出関連が軟調となり、特 に欧州売上高比率の高い精密機器は下げが大きくなった。

また、東証1部の業種別下落率上位を占めたのは素材関連株。液晶 パネル需要の在庫調整が想定以上に厳しくなるとし、シティグループ証 券が投資判断を引き下げた旭硝子と日本電気硝子などガラス株が下落。 中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄が9月積みの主要鉄鋼製品の国内価格をおおむ ね据え置く方針であることから、価格上昇期待の後退で鉄鋼株も売られ た。

一方、きょうの日経平均は一時112円安の9084円まであったが、 政策期待から取引終了にかけては下げ渋った。菅直人首相と日本銀行の 白川方明総裁が23日に会談する、と日経英語ニュースが17日に報道 するなど、金融緩和や景気対策への期待感が下値を支えた格好だ。

東証1部の売買高は概算12億9000万株、売買代金は同8962億 円。売買代金の2日連続の1兆円割れは2月以来、ことし2度目。東証 1部の値上がり銘柄数は647、値下がりは846。

長期金利が7年ぶり低水準を連日更新

債券相場は続伸。長期金利は一時0.92%と7年ぶり低水準を更新 した。前日の米国債相場が大幅上昇したことを受けて買いが先行したほ か、投資家の超長期債の買いなどが金利の下げ圧力となった。菅直人首 相と白川方明日銀総裁が23日に会談するとの報道を受けて追加緩和観 測が強まったことも相場の支援材料となった。

現物債市場で長期金利の指標とされる新発10年物の309回債利回 りは、前日比2.5ベーシスポイント(bp)低い0.92%で始まり、前日 に記録した2003年8月13日以来の低水準を更新した。その後は徐々 に低下幅を縮めて午後2時過ぎには前日比変わらずの0.945%まで戻 した。その後、再び買いが優勢になり、午後3時過ぎからは1bp低い

0.935%で推移している。

超長期債が買われた。新発20年債利回りは一時5bp低い

1.545%、新発30年債利回りは4bp低い1.58%まで低下して、いず れも7年ぶり低水準を記録した。

金融政策変更に敏感な中期債も高い。新発2年債利回りは

0.125%と05年9月以来の低水準を付けた。新発5年債利回りは一時

0.265%と03年6月以来の水準まで下げた。

もっとも、朝方の買いが一巡した後は売りも出た。朝方に前日比 100円超の下げ幅となっていた日経平均株価が午後に下げ幅を縮めたこ とも、債券市場の売り材料となったもようだ。

一方、東京先物市場で中心限月9月物は小幅ながら5日続伸。前日 比22銭高の142円90銭で取引を開始した。直後に142円91銭まで 上昇し、中心限月ベースで03年6月27日以来の高値を付けた。しか しその後は、徐々に上げ幅を縮め、午後に入ると3銭安の142円65銭 に下げる場面もあった。終盤にかけて持ち直して、結局は2銭高の142 円70銭で引けた。

市場では、円高阻止に向けた政府の経済対策に関心が向かっている 。17日付の日本経済新聞によると、菅首相は16日、経済閣僚に対し て円高の影響など景気の現状分析を指示するとともに、閣僚の報告を踏 まえて、円高・経済対策の検討に入る考えを明らかにした。また菅首相 と白川日銀総裁が23日に会談する見通しと、フジニュースネットワー ク(FNN)が報じた。

円買い鈍る、円高対応に警戒感

東京外国為替市場では、午後の取引にかけて円買いの動きが鈍る展 開となった。菅直人首相が日本銀行の白川方明総裁と週明けにも会談す るとの一部報道を受けて、円高阻止に向けた措置が警戒された。

ユーロ・円相場は午前の取引で一時1ユーロ=109円7銭と、7月 1日以来、約6週間ぶりの円高値を付けていたが、午後には109円台 後半まで押し戻されて推移している。

ドル・円相場も朝方に付けた1ドル=85円44銭を円の下値とし て、一時は85円12銭と、3営業日ぶり水準まで円が上昇。しかし、 午後にかけては円の上値を試す勢いもなく、85円台前半を中心に小幅 な値動きに終始した。結局、東京時間日中の値幅は32銭にとどまった。

この日のアジア時間には、中国株が3日続伸。午前に下落幅が一時 100円を超えて、再び9100円台を割り込んでいた日経平均株価も午後 は9100円台後半まで回復した。

当局の円高対応に市場の注目が集まる中、フジニュースネットワク は菅首相が白川総裁と、円高について話し合うため、週明け23日に会 談を予定していると報じた。

また、日経テレコンの報道によると、荒井聡国家戦略・経済財政相 は17日の午後に都内で行った講演で、最近のドル安・円高について、 「口先介入で収まる段階ではないかもしれないとは思うが、最終局面だ との見方もある」と発言。国内当局者からは口先も含めて円高包囲網が 張られる格好になっている。

加えて、米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマー カンタイル取引所(CME)の国際通貨市場(IMM)では、10日時 点の円買い越しが5万2478枚と、昨年12月1日以来、約8カ月ぶり の水準に膨らんでいる。

一方で、米国債市場では、2年債の利回りが過去最低水準に低下し たほか、10年債の利回りも昨年3月以来の低水準となった。日米の10 年債利回り格差は昨年4月以来の水準に縮小している。

また、欧州債市場でも、ドイツの10年債利回りが過去最低水準を 記録するなど、世界的に金利の低下傾向が強まっていることから、各国 と日本との金利差縮小を背景に円に資金を戻す動きが促されやすい面も ありそうだ。

そうした中、この日の米国時間には7月の生産者物価指数(PPI )や住宅着工・許可件数、鉱工業生産などの指標が発表される。また、 欧州でもドイツで欧州経済研究センター(ZEW)が8月の独景況感指 数を発表する予定で、引き続き米欧の景気動向が注目される。

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