ドイツ銀の次期CEO候補ジェイン氏にドイツ語の壁-後継者問題再燃

ドイツの銀行最大手、ドイツ銀行 はヨゼフ・アッカーマン最高経営責任者(CEO)の後継者に誰がな るかをめぐって、どれだけドイツ的であるべきかの決断を迫られそう だ。

その回答によって、140年の歴史を持つドイツ銀が国際市場での 証券トレーディングで利益の大半を稼ぐ世界的な投資銀行としての役 割を享受するのか、あるいはドイツ政府との長年にわたるビジネスと 政治上の関係を引き続き最優先事項とするのかが明らかになるとみら れる。

アンシュー・ジェイン氏(47)は先月、法人・投資銀行部門の単 独責任者に昇格したことで同行の利益の8割強を監督することになり、 次期CEOの最有力候補としての立場を固めた。ただ一つ難点もある。 インド生まれの同氏はドイツ語を話さないため、世界市場とともに政 治権力の回廊と交渉しなければならない経営者としてはハンディキャ ップとなる恐れがある。

ランデスバンク・ベルリン・インベストメントで約150億ドル相 当の資産運用に携わるルッツ・ローマイヤー氏は、「個人業績を基に判 断すれば、ジェイン氏は皇太子だ」と述べた上で、「だがドイツ銀行に は世界的な投資銀行という性格と、非常に政治的な役割を担うドイツ の銀行という性格を兼ね備えている。だれが後継者となっても、この 2つの世界の架け橋となることが重要な課題だろう」と指摘した。

皇太子

ドイツ銀は昨年、監査役会が後継者問題で合意に至らなかったの を受け、アッカーマンCEOの任期を3年間延長し、後継者問題を先 送りした。その後、同CEOが5月の株主総会で、監査役会のクレメ ンス・ベルジヒ監査役会長と「数カ月間にわたって集中的に協議して きた」ことを明らかにしたのを受けて、後継者問題が再燃している。

事情に詳しい関係者2人によると、ドイツ銀が国の支援なく信用 危機を乗り越えるのに貢献したスイス生まれのヒューゴ・バンチガー 最高リスク責任者(CRO、54)と、独自動車メーカー、BMWから 08年に同行に移籍したステファン・クラウス最高財務責任者(CFO、 47)が現時点では次期CEO候補としてジェイン氏への対抗馬だ。

ジェイン氏はラジャスタン州ジャイプール生まれ。インドと米国 で教育を受け、自身の良き助言者だったエドソン・ミッチェル氏の後 を追ってメリルリンチから15年前にドイツ銀に入行した。2000年に 航空機事故で死亡したミッチェル氏の後任として債券部門の責任者に 就き、04年には債券・株式の販売・トレーディング部門トップに昇格。 00年から09年にかけて、債券の販売・トレーディング収入を2倍以 上に増やし、ドイツ銀を債券市場における有力銀行に育て上げた。

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