日経平均9カ月ぶり安値、景気懸念で輸出や素材、鉱業売り

東京株式相場は小幅続落し、日経 平均株価は終値で約9カ月ぶりの安値。予想ほど改善しなかった米国ニ ューヨーク地区製造業景況指数や為替の円高に対する懸念から、輸出関 連株のほか、ガラスや鉄鋼など素材関連株、鉱業株などが安い。東証1 部の売買代金は、ことし2度目となる2日連続の1兆円割れ。

住信アセットマネジメントの三沢淳一株式運用部長は、「景気のモ メンタムが期待値を下回る中では、バリュエーションが割安ということ 以外の買い材料に乏しい」と指摘。さらに、日米の債券市場が「リセッ ション(景気後退)やデフレ懸念を織り込む状況となっていることも居 心地が悪い」と話していた。

日経平均株価の終値は前日比34円99銭(0.4%)安の9161円68 銭と7月1日に付けた年初来安値を更新し、ドバイ・ショック時の昨年 11月27日以来の安値水準となった。TOPIXは1.85ポイント (0.2%)安の826.78。

景気と円高警戒の根強さから、きょうもリスク資産を回避する動き が続いた。10年国債利回りは一時0.92%と、連日で7年ぶりの低水準。 きのうの米国債券市場でも、10年国債利回りは2.5591%まで低下し、 09年3月以来の低水準となった。「日経平均9100円割れは利益が出た 売り方の買い戻しが入ることから、売り方と買い方がきっ抗している水 準」と、岡三証券の森本敏喜商品運用部長は話した。こう着ムードのな か、日経平均は日銀が金融緩和を決定した昨年12月1日より前の水準 まで逆戻りした。

米製造業の鈍さ

ニューヨーク連銀が16日に発表した8月の同地区製造業景況指数 は7.1と、前月の5.1から上昇。ただ、ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想中央値の8は下回り、特に新規受注はマイナス

2.7と、14カ月ぶりのマイナスを記録。個別指標の動きは「製造業の拡 大ペースのさらなる鈍化を映し出している」と、シティグループ証券の 村嶋帰一チーフエコノミストは指摘していた。

外国為替市場では、円が対ドルで85円12銭、対ユーロでは109円 7銭まで上昇し、前日の東京株式市場の通常取引終了時点の85円85銭、 109円78銭に比べそれぞれ円高となった。ユーロでは7月1日以来の 円高水準で、輸出関連が安くなり、特に欧州売上高比率の高い精密機器 は下げが大きくなった。

東証1部業種別下落率上位を占めたのは素材関連株。液晶パネル需 要の在庫調整が想定以上に厳しくなるとし、シティグループ証券が投資 判断を下げた旭硝子と日本電気硝子などガラス株が下落。中国鉄鋼大手 の宝山鋼鉄が9月積みの主要鉄鋼製品の国内価格をおおむね据え置く方 針であり、価格上昇期待の後退で鉄鋼株も売られた。このほか、素材株 では信越化学工業や住友電気工業が52週安値を更新。

対策期待で下げ渋る

きょうの日経平均は一時112円安の9084円まで下げたが、政策期 待から取引終了にかけては下げ渋った。菅直人首相と日本銀行の白川方 明総裁が23日に会談する、と日経英語ニュースがこの日報じるなど、 金融緩和や景気対策への期待感が下値を支えた格好だ。「景気の下振れ に対して政策担当者が適切な対応を取るという信頼感が出てくれば、現 在の過剰な悲観論は和らぐだろう」と、住信アセットの三沢氏は見る。

このほか、4-6月期の実質国内総生産(GDP)成長率の鈍化を 受けて、日本政府が追加経済対策の検討に入ったと17日付の読売新聞 朝刊などが報道。同紙によると、財源は1兆7000億円程度で、年末期 限のエコポイント制度、エコカー補助金の延長、新卒者の就職支援、中 小企業の資金繰り支援などが検討されそうという。

東証1部の売買高は概算12億9000万株、売買代金は同8962億円。 売買代金の2日連続の1兆円割れは2月以来、ことし2度目。東証1部 の値上がり銘柄数は647、値下がりは846。

トヨタ紡が大幅続落、東電は4連騰

個別の材料銘柄では、下半期にかけての国内自動車生産動向や北米 事業に留意したいなどとし、野村証券金融経済研究所が投資判断を「1 (買い)」から「2(中立)」に引き下げたトヨタ紡織が大幅続落。公 募増資などで手取概算最大20億円を調達するUKCホールディングス は急落し、同じく最大12億9000万円を調達する山一電機はきょうも下 げた。このほか、国際石油開発帝石は東証1部売買代金1位で急落。

半面、7-9月決算での会社側の通期業績計画の上方修正などが株 価のカタリストになるだろうとし、みずほ証券が投資判断「アウトパフ ォーム」を強調した東京電力が4連騰。大和証券キャピタル・マーケッ ツが、4-6月までは業績が順調に進ちょくとしたOBARAも急伸。

新興市場も下落した。ジャスダック指数の終値は前日比0.1%安の

48.38と3日ぶりに反落。東証マザーズ指数は0.5%安の368.14と続落 し、大証ヘラクレス指数は0.2%安の564.10と5日連続安。

個別の材料銘柄では、いちよし経済研究所が中期利益予想の低下か らフェアバリューを引き下げたプレシジョン・システム・サイエンス、 野村証券が目標株価を引き下げたミクシィがともに大幅安。短期的に株 価上昇材料が乏しいとして、コスモ証券が投資判断を「中立プラス」へ 引き下げた楽天は続落した。売買代金上位では、ユビキタス、アクロデ ィア、クルーズが下げた。

半面、発行済株式数の4.9%を上限に自社株買いを行うディア・ラ イフが値幅制限いっぱいのストップ高。公開買い付け(TOB)価格に さや寄せする格好で、フジスタッフホールディングスは連日のストップ 高。売買代金上位では、デジタルガレージ、サイバーエージェント、セ ラーテムテクノロジーが上げた。

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